62.負けました
そのあと、コリンのステータスをもう少し詳しく見ていった。
まず、『ステータスポイント』と『スキルポイント』がある。
「俺とおんなじじゃん。」
もしかして、これって俺たち転生・転移者だけの、特別システムか?
ユニークスキルも、ほぼ俺と同じだな。
これも、標準仕様か?
問題は、固有能力だ。
「ステータス自動配分ってなんだ?」
「なんかね、コリンよくわかんないから、エア神さまが付けてくれたの。」
なるほどね、便利ちゃあ、便利か。
オン・オフできるんだな。
「こっちの『模倣』は?」
「わかんない。」
説明見りゃいいだろう・・・(直前に見た魔法を1度だけ真似できる。ただし保有魔力量に依存する)・・・なんだこれ?
魔力量さえ育てとけば、自分の知らない、会得していない魔法でも放てるってことだよな。
ただ、使い所を考えないと、1回使って失敗したら終わりだから、意外と使い勝手悪いかも。
「あんまり使う場面ないかもな。」
「そなの?」
「ああ、使う時は俺が言うから、それまではなるべく使うな。」
「わかった。」
にしてもアレだな、俺と同じシステムだとしたら、経験値をどんどん獲得させたほうが強くなるし、その分安全性が増すってことだよな。
でも、そうは言ってもまだ5歳の女の子だしなあ・・・。
「どうすれば、いいのか・・・。」
よく考えないとな。
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朝になった。
今朝も、俺の懐にハマって丸くなっているコリン。
「おい、コリン。朝だぞ。」
「むにゅ・・・。」
まったく起きる気配がない。
「起きろ。朝だ!」
「・・・あさは、きょうお休みだって・・・。」
「んなわけあるか!」
「エル、おはよう!」
「ほはようほはいま~す。」
「おはよ。コリンは、まだお眠のようね。」
右手の甲で、目をこすりながら俺のあとについてきたコリンに、エルが微笑みながら言った。
「今日はどうする?あたしと手合わせする?」
朝ごはんを食べながら、エルが聞いてきた。
「いや、悪いけど今日も依頼を受けてみようと思う。」
「そ、じゃあ、あたしも今日は依頼をこなそうかな。」
俺は、昨日のエルのアドバイスを聞いて、できるだけ経験を多く積んだほうがいいと思い、そう言った。
「でも、コリンはどうするの?」
「コリン、留守番できるか?」
「一緒がいい!」
コリンが、俺の腕に飛びついてくる。
「でもまだ、冒険者登録もできないしな・・・。」
俺は、そんなコリンを見ながら迷った。
「別にいいじゃない、報酬はもらえないけど経験値は入るし、コリンの実力ならDランクの魔物くらいならいけると思うわよ。」
「んー・・まあ、たしかに・・。」
「それに、あたしが冒険者になったときより、よっぽど今のコリンの方が強いし。」
「そうなのか?」
「ええ、そうよ!」
なんか、エルが少し怒ってる。
俺のせいか?
コリンは、キラキラした目で俺のことを見つめている。
「・・・・分かった、そうするよ。でもコリン。」
「ん?」
「俺のそばから、絶対離れるなよ!」
「うん!!」
とびっきりの笑顔・・・これから俺は、どんなに強くなっても、この笑顔には勝てないんだろうな・・・。




