53.明日の予定
今日の夕飯は、ボアのテマテスープだった。
テマテというのは、どうもトマトのことのようだった。
地球の歴史では、確かトマトは南米原産だから、ここが南米大陸でなければ、食材として広まっていないと思うんだけど、そこは異世界だものな・・。
ボアの肉は、まあまあ旨かった。
少々硬い豚肉?みたいな。
スープにはその他に、ホニオンとカーリックという野菜も入っていた。
明らかに、玉ねぎとニンニクだ。(わざわざ、名前変えなくてもいいような・・・神さまの趣味か?)
「明日さあ、俺は依頼をこなしに行ってこようと思ってるんだけど・・。」
食べながら、俺はみんなに言ってみた。
「コリンも行く!」
「いや、お前は冒険者登録してないし、初めての依頼で何があるか分からないから、留守番しててくれ。」
「えー!ヤダー。」
コリンが、ほっぺたをふくらませている。
「コリン、もしもセイヤがあなたのことを庇おうとして、怪我とかしたらイヤでしょ?」
そんなコリンに、エルが話しかけた。
「・・・ウン。」
「じゃあ、明日はあたしとお留守番しない?その内、セイヤと一緒に行っても大丈夫になるように、武器の使い方を教えてあげるわ。」
「う~ん・・・分かった。コリン、お留守番する。」
え?まじか。
俺の方が、教えてもらいたかったな・・。
でも、エルがとりなしてくれて、マジ助かった。
「エル、悪いな。ありがとう。」
「別にいいわよ、すぐにこなさなければいけない依頼もないし。」
コリンに対しては、結構優しい表情になってきているのに、俺に対しては相変わらず無表情だ。
「そういえば、冒険者登録って何歳から出来るんだっけ?・・・」
「男は8歳、女は7歳よ。」
俺が、世界知識スキルで調べようとしていたら、エルが速攻で教えてくれた。
世界知識・・いるのか?
「小さいうちは、女の方が成長が早いから、1歳早いの。」
「なるほどな。」
「じゃあコリンは、もうすぐ6歳だから、あと1年くらいだね!」
コリンが、身を乗り出してくる。
「そうだな、そうしたらパーティも組めるようになるぞ。」
「やったー!早く1年経たないかな!!」
「いやいや、まだ6歳にもなってないんだろ。」
「すぐに、なるもーん!」
コリンは、腰に手をあてて、胸を反らした。
「じゃあ明日の予定は、俺は依頼で、コリンはエルと武器の練習な。エル、すまないが、よろしく頼むな。」
「分かったわ。」
今度は、俺の顔を見て言ってくれた。
心なしか、ちょっと赤いような・・・気のせいか。
「コリンも、エルの言うことをちゃんと聞くんだぞ。」
「了解ですですぅ~!」
コリンはそう言って、額に右手をあてて敬礼した。
どこで覚えたんだそれ?




