29.ご精算~
「冒険者のランクとは、ギルドカードに自動的に表示されるランクについて、冒険者ギルドが認定することで確定します。したがって、ギルドの認定前のランク表示については、仮ランクとなります。」
へーそうなんだ。
実力はあっても、非公認ってわけか。
「ランクには、EからSまでの6段階があり、まれにSSランクとなった場合には、国王の承認のもと、ランクが確定します。ですので、新規登録者の場合は、全てEランクとなります。」
確かに、俺のカードにもEと表示されている。
「依頼を受ける場合には、依頼ごとに対象ランクが指定されており、当該ランクの上下1段階までが受注可能となっております。また、冒険者同士が、パーティーを組むことができますが、パーティー内の最上位ランク者のランクが、そのパーティーのランクとなり、同様に、当該ランクの上下1段階までが受注可能となっております。」
なるほど、極端に低ランクの依頼や、高ランクの依頼は受けられないということか。
「以上で、全てのご説明は終わりました。長い時間ありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました。」
俺は、深々と頭を下げるお姉さんに、お礼をいって、窓口をあとにした。
「お待たせ~。」
「ほんとに待った。」
「セイヤお兄ちゃん、おかえり~。」
「ごめんな~、思ったより説明が多くて、時間がかかっちゃたよ。」
「パンフレットだけ受け取って、あとで読めばよかった。」
「まあ、そう言うなよ。待たせて申し訳ないけど、換金もしなきゃいけないから、またちょっと行ってくる。」
「わかった、じゃあ、コリンとあっちのパブで待ってる。あんたのおごりね。」
「あ~わかった。すまないがよろしくな。」
「セイヤお兄ちゃん、いってらっしゃ~い。」
俺は、最初にエルに対応した、黒髪のイケメンの窓口へ行った。
「すいませ~ん、買取りお願いしたいんですけど。」
「いらしゃいませ、それでは、カードのご提示をお願い致します。」
「あ、はい。」
俺が、ギルドカードを渡すと、黒髪イケメンはカードに魔力を流した。
「セイヤさまは、新規ご登録でございますね。今日はどういったものの買取りでございますか?」
カードの表示を確認した後、こちらを向いて聞いてきた。
新規だから、討伐情報などが何も表示されなかったのだろう。
「魔物を討伐したんですけど、解体する道具を持ち合わせていなくて、死体のままなんですが。」
「大丈夫でございますよ。解体料を頂きますが、承っております。魔物によっては、素材として買取りできる部位もございますので、よろしければ、その買取り料と解体料を相殺することも可能です。」
「それでお願いします。」
良かった、解体してから提出しろとか言われなくて。
「それで、ご提供いただける魔物はどちらに?」
黒髪イケメンが、俺のうしろを覗き込む。
俺が、鞄も何も持っていないので、戸惑っているようだ。
「あ、結構たくさんあるんで、仕舞ってあるんです。ここで出すのも、アレかと思うんですけど・・。」
「え?もしかして、セイヤさまはアイテムボックス持ちですか?」
黒髪イケメンは、よほど驚いたのか、若干敬語がおかしくなっている。
「そうですけど。」
「左様ですか、これは失礼致しました。では、中庭へおまわりください。そちらで取り出して頂ければ、査定いたしますので。」
「わかりました。」
「では、どうぞこちらへ。」
俺は、隣の窓口の人に何か言ったあと、カウンターのうしろの方の扉へ向かう、黒髪イケメンについって行った。




