表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/123

26.腹が減ってはいくさはできぬ


 その建物の扉の前には、看板がぶら下がっていた。


『草笛亭』


 あれ?俺って字が読めるんだ。


 木の板でできた看板には、いわゆる楔形文字(くさびがたもじ)が刻まれている。


 元日本人の俺にしてみれば、単なる記号・・いや、木の傷、でしかないそれを、文字として認識して、あっさりと読めていた。


 ユニークスキル、全言語のおかげか。


 っていうか、これまで普通にコリンやエルたちと話ができている時点で、それに気が付かないほうがマヌケなのか・・。



 エルが扉を開けて、入っていく。



 途端に聞こえてくる喧騒と、食欲をそそるいい匂い。



「「グ~ウ。」」



 俺とコリンのお腹がなった。



「なにしているの、早く入って。」



 エルが、入り口で突っ立ている俺たちに声をかける。



「あ、ああ。」



 慌てて中に入ると、そこは居酒屋のようなところだった。


 雰囲気は、まるで中東のよう。


 絨毯のようなタペストリーが、壁にかかっていたり、曲線の多い椅子やテーブル。


 客が座っているテーブルの上には、銀色の皿にサラダや焼いた肉、フルーツが山盛りに載っていた。



「お腹すいているんでしょ?」



 その美味しそうな料理に目を奪われていると、エルが言ってきた。



「え?でも、俺お金持ってないし・・。」


「貸しとくわよ、換金できるものくらい持っているんでしょ?」


「ま、まあ・・。」



 魔物の討伐部位を、換金できればなんとかなるとは思うけど、解体できてないしな・・。



「まずは腹ごしらえしてから、お金を作れば問題ないでしょ。その子に、あんまり無理させるんじゃないわよ。」


「そ、それもそうだな。」



 俺は、覚悟を決めて、空いているテーブルに座った。


 コリンには、椅子がちょっと高かったので、抱っこして隣の席に座らせてあげた。


 エルは、俺の向かいに座った。



「ここは内陸だから、魚はあんまりだけど、肉類は美味しいの。」



 そう言ってエルは、適当にオススメの料理を頼んでいった。


 なんの肉かはわからなかったが、どの料理もスパイスがよく効いていて、意外に美味しかった。



 支払いをエルがして、店の外に出ると、あたりはもうすっかり暗くなっていた。


 村とは言いながらも、灯火がいたるところに灯されていて、大通り沿いはまだまだ賑やかだった。


 レンガづくりの建築物が、灯火に照らされている様は、異国情緒たっぷりで、俺は思わず見とれてしまった。



「じゃあ次は、冒険者ギルドね。」



 エルは一言そう言って、大通りをさらに中心部へと進んでいった。


 俺とコリンもその後に続いた。




 やがて見えてきたのは、他の建物の数倍はある大きな建物だった。


 補修がちゃんとされているらしく、日干しレンガの外壁もきれいだった。



「入るわよ。」



 大きな木製の扉の前で、エルが言った。

 





 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ