表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/123

24.最初の村

 エルが先にたって歩き出そうとすると、コリンが右手を自分の左手でつかんだ。


 突然のことに、エルは驚いて振り払おうとしたが、コリンの余りに哀しそうな顔に、思いとどまったようだった。


 すると途端に、コリンは機嫌を直し、今度は空いている右手で、俺の左手を握ってきた。


 そして、満面の笑みを浮かべると、俺たち2人を引っ張り、歩き出した。


 俺はすぐに諦めたが、エルは困惑した表情のまま、手を引かれていた。



「そういえば、エルって何歳なんだ?」



 ようやく受け入れたのか、並んで歩き始めたエルに、何の気なしに聞いてみた。



「女性に歳を聞くとか、あんたはバカか?15だ。」


「すんません。へえ、じゃあ2コ下か・・。」



 罵倒しながらも、答えてくれた。



「なにっ、あんた成人しているのか!」


「えっ?」


「16で成人だろう。」



 そうなんだ、こっちの世界では、俺、もう大人なのか。



「コリンはね、5歳、もうすぐ6歳なの!」



 俺とつないでいた右手を離して、手のひらを開いて、5歳を表現する。


 エルとつないだ方を離さないのは、またつなぎなおす時に、拒否されないためにだろう、中々の策士だ。


 俺は、コリンのフォローをムダにしないように、話題を変えることにした。



「これから行く集落って、どんなところだ?」


「小さな村よ、エアというの。水の神エアに守護された村で、大昔は結構栄えたところだったらしいわ。」


「そうなんだ。」



 水の神か。



「着いたわよ。あれが、エアよ。」



 2時間ほど歩いて、辺りが夕暮れになってきた頃、エルが左手で指し示した。



 そこには、村というには立派な城壁に囲まれた、集落があった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ