22.合いの手は、お手のもの?
とりあえず今は、移動中なので、ステータスは弄らないでおこう。
「セイヤお兄ちゃん、何かお歌をうたいながら行こう。」
コリンが横から、俺を見上げて、そんなことを言ってきた。
「え?歌あ?」
「うん。」
俺、これくらいの子がうたうような歌、あんまり知らねえぞ。
だいたい、こっちの世界の歌、そのものを知らないわ・・。
「歌かあ・・。」
しゃあない、これでいこう。
「おお牧場はみどり~、草の海、風が吹く、おお牧場はみどり~、よく茂ったものだ!」
「ホイ!」
「雪が解け・・・ん?」
なんかおかしい。
「コリン、なんでおまえ、合いの手知っているんだ?」
「なんとなく?」
「なんとなくって、おまえ・・・。」
「こんな感じかな~って、えへっ。」
笑顔でごまかされた。
「まっいっか。じゃあもう一回。」
「は~い。」
「おお牧場はみどり~・・・。」
俺たちはそうやって、うたいながら川辺を下っていった。
2時間ほど歩いたが、あたりの様子はあまり変わり映えしなかった。
こころなしか、川幅が広くなってきたような気もする。
「それにしても、腹減ってきたなあ~。」
「そうだね~。」
そう言いながらも、コリンは、なんか楽しそうだ。
すると、またも1キロメートルくらい先に、反応が出た。
ウルフが20頭、シルバー・ウルフはいないみたいだ。
それと、この反応は人だな。
1人しかいない。
囲まれているみたいだ。
「コリン、ちょっと急ぐから、背中に乗りな。」
俺は、コリンを背負っていこうと思い、しゃがんで彼女に背中を向けた。
「わかった。」
コリンは素直に、おれの首に手を回して、背に乗ってきた。
「じゃ、いくぞ?」
「うん、しゅっぱ~つ!」
俺の上で、コリンが小さな右手を突き上げた。




