17.まとめていってみよう!
俺は、改めて空間把握スキルを展開させた。
探査範囲を5キロメートルまで広げた時、複数の魔物が集まっている場所を見つけた。
南東に9000キュピ、4.5キロメートルくらい行ったところだ。
さらに鑑定をかけてみると、スライムの他にゴブリンもいるみたいだ。
「よし、行ってみるか。」
・・5分ほどで到着した。
スライムが5匹に、ゴブリンが10匹か。
心なしか、さっきのスライムより少し大きい気がする。
ゴブリンは、みな木の棒を持っている。
『鑑定』
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名前:スライム ランクE
種族:スライム族
性別:無し
半透明のゲル状の魔物。物理攻撃が効きにくい。
死んだ魔物や動物を丸ごと取り込んで消化してしまう。
【ステータス】
レベル:3
HP :53/53
MP :30/30
持久力:42
精神:10
知能:10
物理攻撃力:8
物理防御力:6
魔法攻撃力:2
魔法防御力:2
敏捷:10
運:1
【スキルステータス】
[ユニークスキル]
・体当たり(物理攻撃力5%上昇)
・攻撃力吸収(相手の物理攻撃力5%減少)
[固有能力]
・消化液飛散(相手の防御力及び敏捷5%減少)
討伐確認部位:魔石
可食性:不可
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名前:ゴブリン ランクE
種族:妖精族(小鬼族)
性別:雄
小型の醜い人型の魔物。肌の色は緑色。鼻や耳が尖っていて禿げ頭で目つきが悪い。
【ステータス】
レベル:3
HP :265/265
MP :0/0
持久力:212
精神:40
知能:40
物理攻撃力:133
物理防御力:106
魔法攻撃力:0
魔法防御力:0
敏捷:40
運:5
【スキルステータス】
[ユニークスキル]
醜悪(相手の精神を低下させ、攻撃力及び防御力を1%減少)
[固有能力]
棒術LV1
討伐確認部位:魔石及び耳
可食性:不可
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「やっぱり、さっきのよりレベルが上か。」
よく見ると、ゴブリンとスライムが、お互いを牽制し合いながら、何かを囲んでいる。
「あ!」
ゴブリンが1匹、スライムに体当たりをくらって、吹っ飛んだことで、密集していた魔物たちの間に、隙間ができた。
その隙間の奥の、魔物の輪の真ん中に、人のようなものが、うずくまっているのが見えた。
やばいな、このままだとやられちゃうぞ。
『ファイヤボール』
俺は、まずスライムの方を狙って、魔法を連続で放った。
あっと言う間に、5体のスライムが蒸発する。
その時点で、ようやく俺の存在に気がついたゴブリンたちが、一斉に俺の方を振り返った。
「ガッ、ガッ」
なんとも形容しがたい声を発し、木の棒を振り上げてこっちへ向かってきた。
その動きは全く統制がとれておらず、1匹ずつバラバラに攻撃してきた。
ケンカの経験すらない俺は、一瞬ヒヤッとしたが、すぐにあることに気がついた。
--奴らの動きが遅いのだ。
襲ってきた瞬間に身構えたのが、馬鹿らしく思えるほど、俺にはゴブリンの動きが止まったように見え、左手に持った(俺って左利きなの)剣で簡単に斬り倒すことができた。
文字どうり、瞬きをする間に、10匹のゴブリンは、すでに死体となって足元に転がっていた。
「ううううう。」
魔物がいなくなって、静寂が戻ってきた森に、うめき声のようなものが聞こえてきて、俺はその出どころの方へ振り向いた。