16.はじめての相手
俺は、歩きはじめてすぐに、自分の変化に気がついた。
全然、疲れないのである。
しかも、移動速度が速い!
「身体強化がレベル10だもんな。」
自分で納得しつつ、1分もかからずに、そいつのそばまで到着した。
「ウサイン・ボルトの全力疾走かよ!」
自分でツッコミも入れておく。
10メートルほど先にいるのは、1体の半透明のアメーバのようなゲル状の物体。
ややブルーがかっているが、はっきりした色はない。
ポヨポヨというか、うにうにというか、不定形でうごめいている。
目鼻や口は無いようだ。(ドラクエとは違う)
よ~く見ると、真ん中に核のようなものがる。
『鑑定』
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名前:スライム ランクE
種族:スライム族
性別:無し
半透明のゲル状の魔物。物理攻撃が効きにくい。
死んだ魔物や動物を丸ごと取り込んで消化してしまう。
【ステータス】
レベル:1
HP :51/51
MP :10/10
持久力:41
精神:10
知能:10
物理攻撃力:8
物理防御力:6
魔法攻撃力:3
魔法防御力:2
敏捷:10
運:1
【スキルステータス】
[ユニークスキル]
・体当たり(物理攻撃力5%上昇)
・攻撃力吸収(相手の物理攻撃力5%減少)
[固有能力]
・消化液飛散(相手の防御力及び敏捷5%減少)
討伐確認部位:魔石
可食性:不可
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ステータス低いけど、スキルをくらったら、いやな相手だな。
さて、どう戦えばいいかな?
相手は気づいていないみたいだが。
え~と、物理攻撃が効きにくいなら、魔法攻撃だよな。
『ファイヤボール』
俺は、たぶんスライムには火属性魔法だな、くらいの感覚で、ファイヤボールを当ててみた。
「ジュッ。」
・・・・じゅって言って、一瞬で蒸発してしまった。
「ヤベッ、強すぎた?」
加減がわからないから、戦闘らしい、戦闘も経験せずに終わってしまった。
これじゃあ、いくら倒してもレベル上がんないだろうなあ・・。
「もう少し、まとまっているのを狙うか。」