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121/123

121.む〜かしの なまえ〜で でて〜 い〜ま〜す〜 Part2

「それで?どうしてイナンナあなたが、イシュタル神殿ここにいるんですか?」



 みんながそれぞれに、ソファーに収まったのを見届けて、俺はイナンナ神さま(これで文句無いだろ?)の向かい側から、改めて問い質した。



「あら~、ライアンちゃん久しぶりね~。元気にしてたあ?」


「ごまかさない!」


「ふぁい。」



 イナンナ神さまが両手を膝の上において、うつむく。



「で?」


「・・・だからあ、わたしがイシュタル神なの!」


「またまたあ!貴女あなたには、イナンナの町の神殿があるでしょ?」


「あそこは、わたしのじゃないもん!」


「じゃあ、誰のですか?!」


「それは・・・。」



 右手の人差し指で、自分の腿の上にのの字を書いている。


 ハッキリせんなあ。



とにかく・・・・、わたしはイナンナでもあるし、イシュタルでもあるの!愛と美の女神にして、戦と豊穣、王権を司る神イシュタルがわたしなの!」



 両手を握りしめて、上目遣いでキッと俺のことを睨んでくる。


 なんなんだよ、この必死さは?



「ハイハイ、わかりました。そういう・・・・ことにしてあげしましょう。」


「(なんで上から目線・・・)」


「はあ?」


「いえ・・。」


「ゴホン・・・『イナンナ神さま=イシュタル神さま』であるとして、イナンナの町の神殿が貴女のじゃないというのはどういう訳ですか?」



 どうも煮え切らない態度のイナンナ神さまに、俺は語気を強めた。



「あそこは元々イナンナの町じゃないというか、なんというか・・そのお・・・。」


「ハッキリ喋る!」


「は、はい!」



 俺の声に、背筋をピッと伸ばした。



「あの町は元々、姉さんの町なの。」


「お姉さん?」


「そう、わたしの実の姉であるエレシュキガルの町よ。」


「冥界神エレシュキガル?!」



 本物の女神様を目の前にして、固まっていたアイリスが声を上げる。



「『冥界の女王』または、『日没するところの女王』とも呼ばれるあの?」



 腕を組んだまま話を聞いていた、スザンヌさんが言った。



「そうよ、死と闇を司る冥界神が姉のエレシュキガル。生と光を司るのがわたしイシュタル。そして、全てをあまねく照らし正義と恵みをもたらすのが兄の太陽神シャマシュよ。」


「つまり・・・このハルバト国にはイシュタル神さまとエレシュキガル神さまの神殿があり、エト国にはシャマシュ神さまの神殿がある、ということね。」



 いつもの冷静さを取り戻した、エルが頷く。


 神さま色々出てきて、わけわからんな・・。



「それで、話を戻すけど。なんで本当はエレシュキガルの町なのに、みんなはイナンナの町って言っているわけ?なんか偽らなければならない理由とか・・・あ!なあ、エレシュキガル神さまの管轄ってどこまで?死と闇・・・ってもしかして?」


「そうね、今回のイナンナの町あそこでの一件に、関係アリアリでしょうね。」



 俺の思いつきにスザンヌさんが同意し、一斉にみんながイナンナ神さまの顔を見た。



「さ、さあ・・・どうかしらね?か、関係あるかもしれないわね・・。」



 思いっきり動揺するイナンナ神さま。



「エレシュキガル神さまは、どういうつもりであんなことを?」


「わ、わたしは知らないわよ!エレ姉さんが勝手にやっていることだもの!」


「「「「「ほぉおーーーーーーーう・・・。」」」」」



 全員でジト目でみつめる。



「し、知らないって!ほんとになんにも知らないって!!」



 明らかにおかしい。





「・・・・・いいでしょう。この件はひとまず置いておいて、俺とコリンの2人以外のみんなを、ここへ召喚よんだことなんですけど?」


「え?ええ・・。」



 急に追求の矛先を変えた俺に、イナンナ神さまは、別な意味で戸惑っている。



「理由は?」




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