表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/123

120.だ~ってだって、だ~ってだってなんだも~ん♫





 ・・・紅茶の香りがする。



 跪き、両手を組んで目を瞑り、祈りを捧げる姿勢をとっていた俺は、薄っすらと目を開けた。


 あたりはまばゆい光に満ちた白い空間・・・床も天井も、その境界の見分けの付かない空間。


 

 ・・・じゃないな、普通に部屋じゃん!



 直線の多いデザインの中に、丸みを帯びた形をしているソファー・・・。


 木製のローテーブルの上には、紅茶のセット。 



 無駄な装飾のない、シンプルで機能的なデザインの家具。


 それらの家具は、天然木を使用した温かみのある素材感を重視したもので、棚や白い壁には可愛い雑貨が飾ってある。


 ナチュラルな自然色を基調とした中に、カラフルな色使いのものが要所に配置されている。


 『ザッツ北欧スタイル』みたいな?



「いらっしゃい。どう、気に入った?」



 部屋のインテリアに気を取られていると、始めに目に入ったソファーの方から声がした。


 艶やかな黄金色の長い髪にサファイヤの様なブルーアイ、透けるように白い肌の美少女がティーカップを片手に小首をかしげている。


 背は低く、プロポーションは・・・まあ普通か・・。



「だから、人のことを勝手に値踏みしないの!」


「なんで貴女(あなた)がいるんですか?!」



 紛れもなく、俺をこの世界に放り込んだ()()()・・・イナンナがそこにいた。



「あのさあ、わたしだけ呼び捨てってひどくない?」


他人(ひと)の心を読まないでください!出あったときから変わってないんだからいいじゃないですか。」


「だってさあ、スケベ爺やニンフルサグちゃんには『神さま』付けじゃない。」



 イナンナがプクぅ~と頬をふくらませる。



「お取り込み中のところ、申し訳ないんだけどさ。どなた?」



 ちょんちょんと、俺の右肩を指でつついてスザンヌさんが聞いてきた。



「あー、え~と・・イナンナ()()()。・・・・・・エーーーーー!!!!な、なんでいるんですかあー!?」


「セイヤくん、ほ、ほんとに本物?」(エル)


「ニャハハハ、こんにちわ~!」(コリン)


「はワワワ。」(アイリス)


「にゃ~あ。」(ライアン)



 なぜか俺の後ろには、全員がいた。(サーシャさまと司祭長さまはいないけど)


 そしてエルは無意識の『くん』呼びだ。(なんか嬉しい)



「めんどうだから、まとめて呼んじゃった。」

 


 イナンナがぺろっと小さな舌を出す。


 なんにも動じてないのが2名と1匹。


 動揺しまくりなのが2名。



 ・・頭痛くなってきた。



「イロイロと言いたいことは山ほどあるんですけど、とりあえず・・なんでいるの?ここってイシュタル神さまの神殿だよね?」


「だって、わたしがイシュタル神だもの。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ