12.貰うものは、もらって
「すんげー、気になるんですけど。」
俺は、与えられたポイントを使い、ステータスの初期設定を終えた。
だが、最後に現れた(100000Pで覚醒)という、固有能力の欄を見てショックを受けた。
「この世界でポイントって、どうやって貯めるのか分かんないが、100000Pってとっても遠い気がする・・・。」
またしても、お賽銭の額に後悔しはじめようとしていた俺は、慌てて首を振り、さしあたってのこれからの行動について考えることに、頭を切り替えた。
嫌なことは後回しにして・・。
「まずは、宝箱を開けてみよう。」
そう言って、俺は宝箱に近づいた。
そして、フタに手をかけると、一気に開けてみた。
「おおう!なんか良くわかんないけど、凄そうなものが入ってるぞ。」
それは、やや銀色がかった一振りの剣だった。
持ち手のところには、細かな装飾が施されていて、同じように鞘にも竜のうような生物の装飾がある。
その鞘を抜くと、剣身自体は金色に近い色をしていた。
「ん~すごいのは分かるが、どれくらい価値のあるものなんだろう?」
たしか、ユニークスキルに『鑑定』っていうのがあったな。
「えっと、か・・・あれ?」
-----------------
名前:宝剣マルドゥク ランクA+
作成年代:神代
種別:ロングソード
材質:鞘,柄(ミスリル)刀身(オリハルコン)
適正属性:風
効果:風属性魔法の強さ及び範囲を10倍
-----------------
詠唱する前に、出てきた。
「そうか!無詠唱も取得してるんだった。」
どうしよう?これ。
そういえば、まだ職業を決めていないな。
このままだと、これ持ってても宝の持ち腐れか?
職業・・・どうやって選ぶん?
「分からないことは、後回しだ。」
これは、とりあえず仕舞っとこう・・・どこに?
「あっ、アイテムボックス!」
え~と説明を見ると、『アイテムボックスを出して(詠唱--無詠唱だけど--して)、入れたいものを目視する。(注)容量はMP容量による。生体は収納不可。時間停止機能あり。▽』か。
「お!入った、はいった。」
なんか嬉しいな、これ。
「残るは、後回しにしたアレだな。」