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魔王の宴  作者: ノムリ
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魔法学園

 東の島国。

 旧日本―――現在は『極東』という名前になっている。


 季節は春。

 桜が舞う坂道をゆっくりと歩きながら登る。

 同じ黒色を基調とした制服を身を来た同じ学年になる生徒が歩いている。

 

 伊勢湾の浮かぶ人口島に設立された、魔法使い専用の国立の全寮制学園―――名古屋魔法学園通称”魔法学園”と呼ばれている。そして俺―――日隅ひずみ明可あすかは魔術師であり今日高校生になった。


 校門を抜けて教師のあんなにに従って体育館に向かう。

 既に半分の椅子が埋まっており自由に座る場所を選べるそうだ。

 適当な場所を選び普通に座る。周りにいるのは教師を含め全員が魔術師だ。

 見回せば少なからず顔見知りも居る今更移動して話し掛けに行くわけにもいかない。


 時計が予定の九時半を指すと舞台にスーツ姿の女性教師が立ち話しを初めて。

「皆さん入学おめでとうございます。今から学園長の挨拶が始まります、しっかりと聞いておいてください」


 女性教師が舞台から降り入れ替わりに上がって来たのは黒髪にスーツの学園長だった。ただ、普通と違うところと言えば背丈が中学生と同じくらいなことだ。

 新入生はざわついたていたが学園長は気にした様子も無く話しを始めた。


「入学おめでとう。私の名前は登羽とわ水門みなとだ。私は自分の術式により疑似的な不老不死を手に入れている為この姿だ。だが、実年齢は100歳を超えているから子供だと思わないように」


 新入生は唖然とした。

 確かに時間や空間に干渉できる心象は存在するが、疑似的だろうと不老不死を確立させて人物をその目で見れば誰だって驚くだろう。


「挨拶など面倒なのでさっさと済ませることしよう。現在の世界は魔法使いが中心だ。科学よりも発展は魔法という学問の方が重要視されている。『魔王騒乱』によって国が不安定なものになったことで魔法使いの集団、組織レギオンが国の中で存在するようになった、これに当てはまるのが”星の読み手”と”管理者”だ。組織が領地を手に入れれば国家ドミニオンとして世界から認めざる負えない魔法使いの独立国家が生まれる。”死霊の王”と”妖精女王”がこれに当てはまる。君たちが組織を立ち上げようと魔王になり国家を作るのも勝手だ。ただ一つだけ、言わせてもらう。足を止めるな進み続けろ………以上だ」


 学園長の熱い挨拶に新入生は飲まれていった。

 魔王、組織、国家、今まで何度も耳にした言葉だが、今までに無い程に心に深く届いた。

 長い年月を生きている人間の言葉だからなのか、疑似不老不死を成し遂げた魔法使いだからなのか分からないが、新入生の心に言葉を刻み込んだのは確かだ。


「学園長の挨拶が終わりましたので、新入生の皆さんは、入学前に通達されたクラスの教室で担任が来るまで待機しておいてください」

 女性教師がマイクを使い新入生に指示を出して、こうして入学式は終わった。

 

 通達されたクラス1年1組の教室に移動をし、空いている席に自由に座っていく。

 ものの数分で席は埋まっていった。この教室にいる生徒が一年間ともに苦楽を共にするクラスメイトになる。

 窓際の一番後ろの席に腰を下ろし、担任が来るのを待っていると、ガラッと教室のドアを開けて入ってきたスーツの男性教師、恐らく担任教師だろう。


「1年1組を担任する、田中たなか陽太郎ようたろうだ。一年間よろしく」

 なんていうか、可もなく不可もなくって先生だな。


「まずは、自己紹介から始めようか。廊下側の列の一番前からお願いできるかな」

 廊下側の一番前の席に座っていた女子生徒に目を向ける田中先生。

 

「は、はい」

 戸惑いながらも席を立ち自己紹介を始めた。

山辻やまつじ春守はるかみです」

 自己紹介を終えて春守が座り、後ろの生徒が立ち自己紹介を始めて、終わればまた、後ろの生徒が立ちあがり自己紹介を始めていく。

 ただ繰り返す。同じように。


 名前を聞きつつもボー、としていると気づけば自分の番が来たことに気づき、席を立って自己紹介をする。

「日隅明可です」

 名前だけを口にして席に座る。

 最後である俺が終わったので自己紹介は終了し、次は学園の説明が始まった。


「学園では魔法属性に合わせて別々に授業をやるんだ」

 教室の前方の壁に設置されたディスプレイに写真や図が表示されていく。


 魔法は三種類に分類される。

 世界を構成すう要素からなる『元素魔法』。魔王のでは『死霊の王』と『星の読み手』がこれにあたる。

 生物の自体を体に憑依・変化させることが出来る『生物魔法』。魔王では『妖精女王』がこれにあたる。

 概念という曖昧なものを操れる『領域魔法』。魔法では『管理官』がこれにあたる。


「学園は普通の学校とあまり変わらないけど、唯一違うところは魔法を学ぶために専門の授業があることだよ。学生寮については先に配られている端末一体の学生証から確認出来るから、っと、そろそろ終わりの時間だね。次は早速魔法授業の体験になるから各自遅刻しないように」

 そういって田中先生は教室を出ていった。

 生徒はそれぞれ、学生証を操作して自分の行く魔法授業の場所に移動を始めた。

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