世界が生まれ変わった
世界は根底から覆った事件がある。『魔王騒乱』という事件だ。
魔術師という者が居る。
一人一つだけ宿す「属性」を起点として行使する力を持っているものを魔術師と呼んだ。その中でも神と同格それ以上の力を手に入れ、誰も抗えず誰も抵抗することが許されない絶対の強者を「魔王」と呼ぶ。
「死霊」の属性を宿す”死霊の王”
「妖精」の属性を宿す”妖精女王”
「星」の属性を宿す”星の読み手”
「管理」の属性を宿す”管理者”
その原因はこの四人の「魔王」が原因だ。
当初はいつもの口喧嘩だった。だが、誰かが手を出した。そして喧嘩は戦争へと姿を変えた。
人が大勢死んだ。
海が割れた。
大陸が薔薇に覆われた。
死者が甦り。
星が落ちて。
重力が消え。
大陸が宙に浮かんだ。
人類の作り上げた兵器は何一つ「魔王」には通用しなかった、それは核弾頭も例外ではなかった。
そして誰もが願った。ただ静かに願った。”この戦争が速く終わってくれ”と。
昼夜問わず三日間続いた戦争はなんの前触れもなくパタリ、と終わりを告げた。
だが、三日間の戦争の爪痕は凄まじいものだった。
国連が崩壊したことでどの国同士は敵となり魔王の戦闘に巻き込まれた国や地域は復興が不可能とさえ言えた。その中で動き始めたの魔術師だった。
魔術師たちは国として機能しなくなった国に入り政治など、ありとあらゆるものに手を伸ばし魔術師の国を作り上げた。一度成功を見せたそれは他の国でも同じ事が連続して起きたことで世界の中心は完全に魔術師へと移った。
勿論、魔術師ではない者たちが立て直した国も存在する。だが、魔術師と魔法の存在が当たり前となった現在では魔術師の育成こそが国を国として成立させ守る唯一の方法だった。
四人の中で二人は独立国家を作り上げた。
死霊の王が治める「死霊都市」。
妖精女王が治める「妖精の隠れ家」。
また残りの二人は組織を立ち上げた。
星の読み手が立ち上げた「星の集い」。
管理者の立ち上げた「管理組合」。
そして、いつ、何を原因にして「魔王」が生まれるのかは誰も知らない。