僕らが産まれるずっと昔
君が自転車をこいでのぼっていく坂道 朝陽が照らしてやまない
僕もすぐに追いつくさ 駆け足でね 足は丈夫な方なんだ
まだ胸にくすぶる夢は消えていないはず 準備は出来たかい?
並んで視線を交わしあったなら 坂道をのぼりつめようか
あの光あふれる頂まで
鳥がいっせいに羽ばたいて 見上げた空は遠くて
何もかも手から離れていく そんな不安に駆られてたのさ
ハンマーのような言葉と ナイフのような罵倒と
冷笑と争いが渦巻く そんな世界に産まれた僕ら
想像もつかない未来と 分かち分かたれそうな心が
もう一度折れないでいられるのなら 明日に目を見据えて進もうか
あの炎がともった太古 僕らが産まれるずっと昔
神が落とした争いの火種 僕らがもみ消す時さ
運命とか使命だとか 堅苦しい言葉はなしで
ただ君と二人でいたいから この鼓動を信じてみようか
空を飛ぶブルーインパルス 僕らは彼らが思いもしない
果てしない空へと 羽根を伸ばして羽ばたいていくんだ
「人生は長すぎる」なんて言うな 「花火のように短く」なんて言うな
僕は君とおばあちゃんになるまで 君と一緒にいるつもりなんだ
暗がりの倉庫にしまった 二人が隠した秘密
例え暴かれたとしても それは一向に構わない
落下傘が青空の果てで 見え隠れしていい眺め
この大地は気まぐれだけど 時に僕らを抱擁してくれる
イメージの先の未来と 距離を離されそうな心が
もう一度潰されず 脈打っているのなら ヴェールを剥いで素顔を見せようか
あのフレアが荒ぶった古代 僕らが息づくずっと昔
神が手ぐすねを引いた動乱を 僕らが鎮める時さ
義務とか権利とかそんな 格式ばった言葉はなしで
僕らに出来ることを始めようか この情熱を信じたままで
空を彩る飛行機雲 その美しささえ超える場所へ
僕らは宙を舞って 羽根を広げて羽ばたいていくんだ
今まで好き勝手に生きたけど それなりに成果もあげてきたけど
振り向いてみれば 街や都会は瓦礫の山だ やるせない
君と二人 学校へ向かう坂道で見た あの光だけが
信じるに値するものならば それも悪くない
もう言葉にならない衝動が 僕らをダイヤモンドに変えて
誰もかなわない輝きを放ち 永遠の樹の下を駆け抜ける
初めての雫が落ちた時 僕らが産まれるずっと昔
神が気ままに始めたゲームを 僕らが終わらせる時さ
空に撃ちあがる空砲 その音よりも速く僕らは
宇宙の果てまで飛んで 翼と一緒に羽ばたいていくんだ
耳をすませば 自然の音が僕らを安らかにしている
鳥の声 風の音 虫の鳴き声 それら全てがハーモニー
坂道をのぼっていく君と僕は どうやらゴールが見えてきたらしい
それならもう一息だ 自転車を二人で押して駆け上がっていこうか
あの光り輝く頂へ