〜初めてのだんじょん!〜
迷宮に突入じゃあ!笑
あの勇者御一行様を華麗にスルーし、迷宮の前に転移した私は、迷宮に入る事にした。と、入り口の前の兵たちが私を止める。
「そこの女!貴様はさっき許可証を持っていなかっただろう!迷宮は許可証がないと入れぬぞ!」
女性に女って失礼な奴。まあ許可証あるし見せてやろう。
「許可証とはこれの事?」
門兵たちは私から許可証をひったくると、照会し始め、しばらくするとざわめきだした。
「なんと、Sクラスの方でしたか。これは飛んだご無礼を致しました」
手のひら返しやがって。
「相手が偉いと態度が変わるんだ?」
「申し訳ございませんでしたっ!」
ふふふ、許してあげよ♪
「…次回からは気をつけなさい?さもないと・・・」
唐突に殺気を出す。
門兵はへたり込む。
「わかれば良いの。今からいくつか質問するわよ?噓偽りをせずに答えなさいよ?」
ついでにわからない事も聞いちゃえ!
「は、ひゃい!」
男の震え声なんて需要ないって。まあいいや。
「魔物は倒すとどうなる?」
「え、魔物?ですか?」
無言で圧力をかける。
「ま、魔物とは魔力によって迷宮の主によって作られる生命で、人に対し凄まじい敵愾心を持ち、襲ってきますが、神や悪魔に対してはさらに積極的に襲ってきます。一度従属したものはそのボスを倒すまでずっとボスに従います。この習性を利用し、従わせるものもいます。なお、魔石と呼ばれる器官を持っており、自律行動をしたり魔力を生み出す原動力となるものなのですが、同時に弱点ともなります」
ふーん。そうなんだ。
「で、他には?」
一応聞けるだけ聞いとかないとね。
やはりというか、案の定まだ隠していた。
「ごく稀に、素材を落とす。販売価格もよし、武器に使ってもよし、装備の強化に使うもよし、さらに魔石と売れるところがたくさんあって、モンスターによっては一頭で云十万にもなります」
「倒したモンスターは?」
ここで心理学をっと。何を考えてるのかな?
「(いつまでこんな下らねー事を…)そのまま残りますが、魔力の強い環境に置くと、急速に腐敗し消滅します」
あれはカチーンときたから少し怒ってやろう。
「下らない事でごめんなさいね。それで、召喚生物を連れて行くのは?」
再び心理学を。まあある程度わかるんだけどね。
「(こいつ、俺の心を読みやがった⁉︎)え、ええ。大丈夫です。ただ、召喚するのは迷宮内でとなっております」
顔に出さないあたり流石といったところか。でしかもこいつ実はCランクだったんだね。少しレベルの低さにがっかりしたよ。なので忠告する。
「君は下のものに対して態度が尊大過ぎるよ。警戒態勢も緩いし、すぐ格上に気圧される。そんなことだからCランクどまりなのさ。そこに気をつければBランクも近いよ?」
それだけ告げて颯爽と消える。
さあて、迷宮初潜入だ!
今回は短め。