〜勇者を華麗に回避〜
暑さで死ぬ(確信)
アホ勇者どもを確認したので気付かれないように部屋に戻る。一応ドレウィンさんに聞いておこう。
「あれが勇者ですか?」
「その通りです。見たことは…ないですよね」
「ええ。物騒な世の中ですね」
などと世間話をしながら勇者御一行が過ぎるのを待つ。あとはなんか聞くことあるかな…あ!ステータスとかって他人に勝手に見られることがあるのか聞かないと!
「そういえば、あなたの持ってるあのスキル以外は聞いたことがないですね」
よっしゃ!懸案事項は消滅したぞ!と喜んだのもつかの間。
「Lvや種族程度なら勇者固有のスキルで確認できるそうですがね」
…割と詰んでね?
外では一か所一か所いないか確認しているアホ勇者の声がする。うーん。どうしよう。…そうだ!ヨグ様からもらった銀の鍵で!
「どこかに扉ってありますか?鍵付きのやつ」
ドレウィンさんは困惑しながらも教えてくれた。
「あ、あそこにありますけど」
あ、あの術を見ると一般市民は発狂するんだった。
「ありがとうございました。あと、これからする術は、見られていると近くにいる人を発狂されてしまうかもしれない術なので目を瞑って頂けませんか?」
ドレウィンさんは戸惑いながらも目を瞑ってくれた。
「それでいいです。今日は本当にありがとうございました。私はこれで失礼します。御機嫌よう。あなたは私が帰ったあとぼうっとしていましたね。《記憶消去》」
「あ・・・か・・・」
さて、ヨグ様空間経由で出るか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
しかしねぇ。一人暮らしとはいえこれはなんなのさ。
《ようきたな!ゆっくりしていけ》
と歓迎していただいたのはいいんだけど…
こんな本だらけの家でどう休めって言うのさ。
だってあれだよ?[エイボンの書]とか禁書指定の本がホイホイある家だよ?寛げるわけないじゃん。まぁ気持ちだけという事で。
と、複雑な心境でものを考えているとヨグ様が質問をしてきた。
《しかしさっきの呪文はなんじゃ?ステータス欄にも書いとらんし、訳がわからんぞ?》
ああ、あれか。
「隠しスキルというものです。あれはバレないように固有スキルで隠蔽をかけたものです」
《そんなチートな固有スキルがあるのか?》
「まあ使えりゃ良いんでしょう」
んな殺生な…というヨグ様をスルーして出口に向かう私。最後にヨグ様から一言忠告を頂いた。
《そのチートスキルは誰にも教えるでないぞ?そなたの命に関わるのでな》
そんな大層なものじゃないでしょうに。
「そんな重要なものですか?」
《希少価値もそうだか、後ろ暗い過去を持っているものも少なくないからな。ひけらかすと最悪、暗殺される》
そんなレベルのもんかよ!
驚いた私を見て、ヨグ様は目尻を和らげてこう言った。
《まあそう驚くでない。もしひけらかせば、という意味じゃ。ひけらかさなければもともとのスキルだけで目を奪われて気付かないさ》
「そういうもんかな」
《まあそういうもんなのさね》
ぼそりと呟いた言葉に反応されてびっくりした。
赤面した顔を隠すように私は部屋をあとにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「しかしねー。やっちゃった感すごいねぇ」
改めて確認したステータスを見て、溜息をついた。
======================
セリカ 種族:邪神 Lv.1
職業:大賢者 称号:黄衣の美貌王
HP:9999 MP:測定不能
S T R: 300(固定)
C O N: 300(固定)
P O W: 9999
D E X: 9999
A P P: 9999
S I Z: 180(固定)
I N T: 9999
アイディア: 49995
幸運 : 49995
知識 : 49995
正気度 : 495(固定)
スキル : クトゥルフ神話98%(ギフト)
言いくるめ 100%
医学 100%
化学 100%
コンピュータ 100%
人類学 100%
精神分析 100%
心理学 100%
図書館 100%
目星 100%
考古学 100%(ギフト)
薬学 100%
歴史 100%(ギフト)
物理学 100%
博物学 100%
天文学 100%(ギフト)
精神操作 100%(ギフト)
毒物 100%
地理 100%(ギフト)
化石学 100%(ギフト)
___________________________________________
サポートスキル: 森羅万象(ユニークスキル)
大厄災(ユニークスキル)
天地創造(ユニークスキル)
眷属化(ユニークスキル)
義体(神族共通スキル)
使徒強化(Sクラス)
被霊讃(信仰によって効果強化)
召喚:イタクァ(ユニークスキル)
バイアクヘー
ミ=ゴ
ロイガー
ツァール
======================================
魔法:氷雪系呪文Lv.99
火焔系呪文Lv.99
稲光系呪文Lv.99
暗黒系呪文Lv.99
大地系呪文Lv.99
即死系呪文Lv.99
爆破系呪文Lv.99
状態異常魔法Lv.99
回復系呪文Lv.99
境界大魔法
殲滅大魔法
旧き印
終焉を避けるもの
邪神の目※常時発動
※極限大魔法を使用可能
装備:黄衣の邪神のローブ
効果:全呪文を魔力に変換し、HPとMPを回復。
物理ダメージを75%カット。
状態異常を完全無効化。
防御力:5000
======================
隠しスキル:黄衣の王
ありとあらゆる邪神と《接触》・《召喚》・《黄金蜂蜜酒の作り方》・《召喚/使役・ビヤーキー》が使用可能。
ステータスの一部隠蔽が可能。
呪文を全て使用可能。
全ての生物を魅了可能。
半径10メートル以内に瞬間移動可能。
特殊スキル《不死王の軍勢》を使用可能。
======================
…これで死ねっていう方が無理でしょう。
開き直って便利だと思おう!うん!
というか、そろそろ迷宮行こう!んで、カネ稼いで暮らしをなんとかしよう!そうしよう!
因みに、あとで聞いた話だが、ヨグ様の異空間に入ろうとした瞬間の光に感づいて勇者御一行が乱入してきたらしいが、ドレウィンさんは私が部屋に戻ってきてからを知らないため、押し問答になったが、今回は正当性がなかった上、奴らのバックアップである聖教会からも帰還命令が出ていたため、事なきを得たそうだ。
7月20日 少し書き直しました。
なお、この小説に出てくる一切の宗教団体は、
現実におけるどんなものとも一切の関係を持ちません。
悪しからずご了承下さい。