表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
化物の想い  作者: paradox
1/3

プロローグ

始まりの記憶……その光景は周りと同じものだった。


村にはたくさんの自然があってその中を友だちと駆けている。


大切な大切な友だちの女の子がいたのを今でも『わたし』は覚えている。


『わたし』は拾われた子供で村にある誰も住んでいなかった家で『ひとりぼっち』。


それでも『わたし』はさみしくなんかなかった。


だってその女の子は毎日あそびに来てくれて、村に住んでる大人の人も親切だった。


『わたし』はしあわせだった。


毎日が楽しくて勉強もきらいじゃなかった。


大好きな友だちがいて、いろんな人が『わたし』に夜のごはんを作ってくれた。


けど……血に染まった日はいきなり来たんだ。


周りはうるさくて、みんな毎日笑顔だったのにその時は涙を流したり怒った顔をしている人がたくさんいた。


『わたし』もそうだった、目の前には大切な友だちが血を流して倒れていて今にも死んでしまいそうになっている。


『わたし』は「ティアリー!!」とその女の子の名前を叫んで近づこうとする。


けど周りの人たちは『わたし』に剣を向けた。


「なんで、なんで?」と『わたし』は掠れた声で言った。


「化物」そう声が聞こえてきた。


『わたし』に向けられた言葉なんだってすぐにわかった。


だって後ろには誰もいなくてみんなは前に居てこっちを見ていたから。


否定したかった……けど『わたし』のては変わっていて人の形をしていなかった。


鋭く尖った爪には血が付いていて……そこで気付く『わたし』は化物なんだって。


『わたし』はしあわせなんだって……。


でも違うって想いたくて『わたし』は逃げ出した。







十年が経って『私』はどんどん化物になっていった。


古びた塔に逃げた『私』を何人もの人たちが襲いに来る。


その度「やめて、これ以上何もしないで」そう涙を流しながら言う。


けど誰も解ってくれない、皆人語を話す化物としてしか見てくれない。


そして『私』は夢を見るようになった。


人間だったあの頃に戻る夢を……。


いつか『私』を理解してくれる人が現れるって。


そうして『私』は誰も殺さないようしてただ追い返すだけ。


いつか夢が叶う日が来るのを夢見て。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ