みぃつけたぁ
初めてホラー書きました。
少年は走っていた。少女の手を引いて。
すでに時間の感覚は途切れ、どれくらい走ったか見当も付かない。
息が上がり、喉が水を求めてヒューヒューと鳴っていた。
それは少女も同じようで、時折咳き込んでいる。
少年は腕時計を見ると時間が迫っていることに気付いた。
「もうすぐだ。頑張れ!」
少年は少女に声を掛けると、再び走り出した。
迷路のような廊下を駆け抜けやっと扉が見えたとき、少年たちは安堵の表情を浮かべたが、それはあっという間に崩れ恐怖に打ちのめされた。
何故ならその扉の前に、少年たちが逃げていたものが立っていたからだ。
それは右手に鎌、左手に自らの首を抱えていた。
そしてその首は少年たちに語りかけた。
「みぃつけたぁ、これであなたたちの負け。だから・・・・・約束通り殺してあ・げ・る」
その刹那、目にも留まらぬ速さで鎌が振り落とされ、少年たちの首は無残にも宙を舞った。
「だから言ったのにぃ~私から逃げるなんて無理だって」
そう言うと、それは少年たちが来た方向へと戻っていった。
そしてその場所には、少年と少女の切断された首と胴体だけが深紅の血を流しながら残っていた。
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