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【完結】刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第7話:…え?まさかのクラス公認ですか?



翌日学校にてー




体育の授業中のこと。校庭では賑やかに男子生徒たちによるサッカーが行われていた。そんな中、試合が終わって見学中のことだ。




「僕がいない間にそんな事が起こっていたんだね…。」




そう言ったのは満流から話を聞いた悠一だった。


彼は黒のナイトだが、彼自身が輝夜に気があり、味方なのだ。


彼が本来仕えるべき黒のキングは前回の悪鬼との戦いで消滅したし、黒のクイーンは輝夜の母だったので既に亡くなっている。だから配下にあたる黒のナイトたちは単独で白サイドに何も出来ないという事も安心材料の一つだ。


今は満流の良き相談相手になっている。






「だからさ、お前もまた夜月神社に戻って来いよ。俺としてはお前がいたら輝夜といちゃつけなくて邪魔になるんだが、敵が現れたんだ。お前の事は信頼してる。だから輝夜を守るためにもお前に協力を頼みたい。」




本音を隠そうともしないまま、いつになく丁寧に話してくる満流に悠一は驚きながら




「満流がそんなに丁寧に言うだなんて、よっぽどだね。」




と笑って言った。そして少し考えてから






「いいよ。僕も輝夜さんが心配だから一緒に守るよ。準備出来次第また居候させてもらうよ。」




その言葉を聞いて満流は表情が明るくなった。




「ああ。ありがとう!頼むよ!」






あまりにも二人が長く話していたのだろう




「こら!神凪に砂山!雑談するんじゃない!」






体育教師の丸山が二人に注意をした。その様子を同じく体育の時間である輝夜が体育館の中から見ていた。




〝クスクス。あの二人、何やってたんだろう。丸山先生に怒られてる。なんだかんだ言って仲いいのよね。ふふっ。〟






3年になり、輝夜と満流と悠一は同じクラスになったのだ。今は体育の授業中で、男子は外でサッカー、女子は体育館でバレーボールだ。


今は輝夜たちのチームは他のチームが対戦しているのを見ている番だから輝夜はそっと校庭に視線を向けていた。


そんな輝夜に近付いてきて「夜月さん。」と、小声で輝夜の名を呼ぶ女生徒。




「そんなに熱い視線を送ってると神凪君照れちゃいますよ?」




「結城さん?」




彼女は隣のクラスだが、体育は隣のクラスと合同になっており、今回、バレーボールで輝夜と結城はチームメイトだ。






「そ…、そんなんじゃないわ。」




「ふふぅ~~ん?」




そう言って彼女はニマニマしていた。








「神凪君、いつだって夜月さんの事見てますよね。ふふふっ。」




「えっ!?」




「もうただの幼馴染じゃないってこと、知ってる人、案外多いですよ?」




「もう、結城さんってば。」




輝夜は結城の言葉でタジタジになっていた。外の満流を見るとコッチの状況なんてお構いなしに輝夜に対して満面の笑みで手を振っている…。輝夜の周りの女子たちはみんなニマニマして輝夜を見ていた。






〝────もう、満流ってば。〟




そう思いながらも心の中では嬉しさで溢れている輝夜だった。




〝ピーッツ!〟




試合終了の笛の音が鳴った。それと同時に授業終了の鐘の音も鳴る。






体育の授業が終わり、制服に着替えたあと、女子生徒たちが教室へと戻ってきた。




その中に輝夜を見つけた一人の男子生徒が声をかけてきた。








「なあ、夜月って神凪とつきあってんのか?」




輝夜は突然の事で驚いた。






「はぁ?」




そして満流の方を見た。




「だから、そうだって言ってんだろ?!」




満流が輝夜に変わって答えた。輝夜は目を細めた。




「満流!」




そう言って満流の腕を引っ張って教室を出た。




「ひゅぅ~~!愛の逃避行ってか。」




教室の中では二人をはやすように口笛を吹く者もいた。








輝夜は真っ赤になっている。満流は状況的にもきっと輝夜は怒っているんだろうな、と思った。そしてその状態のまま人がほとんどいない裏庭へとやってきて




「満流ってば!何であんなに大勢の前で宣言しちゃうのよ?!」




「そりゃ宣言するさ。輝夜は俺のもんだから。」




輝夜は大きく息を吐いて






「あのさ、確かに私達は恋人になったけど。私がいつ満流のモノになったのよ?!」




「はあ?付き合ってんなら俺のモノって言ってもいいだろ?!」




「私は私。付き合ってても私の自由を奪うことは出来ない。それは行動であれ、意思であれ、心であれ、よ!!」




満流は一瞬、言葉を失った…。


「ちぇっ!ちょっとはさ、〝満流嬉しい”〟とか言って欲しかったんだけどな。」




「は?なんでそうなるのよ?!」




輝夜には満流の今の気持ちがわからない。輝夜の中では満流は絶対的な存在で自分を決して裏切るような事をしないとわかってるから安心しているのだろう。満流だって輝夜がそんな事をするような奴じゃないってわかっている。だが、輝夜はモテすぎるので満流はいつもモヤモヤしているのだ。




「輝夜って正論すぎて俺、時々すっげー傷付くんだけど…。」




「な…!なんでよ…。」




満流の突然の心境告白に輝夜は一瞬、たじろぐ…。






「そりゃお前、モテすぎんのが悪いんだろ!?」




「は?逆切れ?」




二人の言い争いは止まらない。確かに満流のヤキモチなだけだ。輝夜には何一つ悪い所はない。だが満流は引くに引けなかった。目の前で捨てられたわんこのような満流を見て輝夜は言葉を失った。




「……………と、とにかく。恥ずかしいからやめてよ。」






そう言って一人スタスタと教室へと戻って行った。




〝だけど…どうしよう…。さっき私、満流の腕を掴んで咄嗟に教室を出っちゃったからどんな顔したら…。〟




輝夜は歩きながら考えていた。








残った満流は




「クッソ~~~~~ッ!輝夜の奴、俺がどれだけお前に惚れ込んでるか知ってて…!」




無茶苦茶悔しがっていた。これも惚れた弱みだ。






ご覧下さりありがとうございます。正に惚れた弱みですな。今の平和を満喫してくだされ。

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