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刻の檻刀シリーズ②偽りのsânge ー赤き薔薇が示すものー  作者: 慧依琉:えいる


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第30話:満流、輝夜のいる敵地へ…!



輝夜がロワールと攻防していた時、満流は囮作戦を決行し、毎日一人であの公園へと出向いた。

だが、奴らは現れない。


徐々に焦りが強くなる満流。テレビでのニュースでさえも奴らの話題は上がらず、このまま永遠に奴らは姿を見せないつもりではないかと焦っていた。



〝被害が出ないのはいい事だが…まさか、輝夜が一人でその分を…!?〟


そう思うと居ても立っても居られない満流だった。毎日悔しさと後悔で満流の拳が血まみれになっていた。


手当をしながら悠一が満流に諭すように言う。


「満流、焦る気持ちはわかるが、もっと自分を大事にしないと、いざって時に使えなくなるよ?」




〝聞いているのかいないのか…。はたまた聞こえてすらいないのか…。〟


悠一も黙って満流を見守るしかないのが悔しかった。


シュルル…シュルッ、シュルル…


包帯を手際よく巻く音だけが静かに部屋に響き渡った。



そんな辛い日々を幾日か過ごしたある日、二人の前にようやく双子のケドリスとパドリスが現れた。



満流に付き添って公園までが来ていた悠一がどこかで潜んでいようと隠れたあとだった。


「おや?君はおもちゃ君ではないか。こんな所で一人でいるとはどういう風の吹き回しだい?」


「おやおや。随分、君。憔悴してるね。そんなにあの女の子が大切なのかい?」


ケドリスに続いてパドリスも満流を見て挑発する。



「ーチッツ。お前たちのせいでっ!」


満流が奴らに飛びかかろうとした!が、双子は簡単に避ける。



「そんなんじゃ僕たちをやっつけるどころか、捕まえる事すら難しいよ?」


「-チッ…!」


満流は体制を整えて再び双子へと向かう。



二人は分散して一人が満流の後ろに現れてガツッツ!と満流を背後から首を固めた!


もう一人は満流の攻撃を交わしてクルッツと回転して満流のお腹に蹴りを入れる!



──────────グハッ!


満流はわざと捕まる為に気弱に攻撃していたが、


〝ーチッツ、この蹴りは結構堪えるな…。〟


その場でパドリスに腕で首を固定されながら蹲った。



「はぁー。君、憔悴しきってて相手になんないね。ガッカリだよ。」


ケドリスはそう言いながら


「これだけ痛めつけておけば暴れないだろ?ほら、行くぞ。パドリス。」


そう言って満流を縛りあげて二人で担いで山へと向かう。




〝ークソッツ。逆さにされると頭に血ぃ昇んだけど……………。〟


満流は黙ってされるがままにしていた。山道を飛びながら進んできた双子たち。だがピタリと止まった。


〝ーん?着いたのか?〟


そう思って満流が前を見ようと体を動かしたところ


「おもちゃか?」


と低い声がした。



〝────この声!〟



満流は背筋がビリッとした。この声の持ち主はあの日輝夜を簡単に攫って行ったザンテだからだ。



「はい。ザンテ様。」


双子が返事をした。


「では陛下の元へ急ぐぞ。」


そう一言言って瞬間移動した。




〝ーへっ?!〟



満流は初めての経験で驚く。そして同時に瞬間移動をしたことで陛下がいるアジトまで悠一が追ってこれなくなったのだ。



〝はっ、やはりそうきたか。〟


満流は心の中でニヤリと笑った。





その時、後をコッソリつけて来ていた悠一はというと


〝惜しい!もうちょっとで奴らの住処に辿り着けたかもしれないのに…。瞬間移動は卑怯だ……………!〟


とても残念がり、そして満流から手渡された念珠をジッツと見つめた。



〝満流さん……………頼みますよ。〟


そう願いを込めて…。



この念珠は満流から手渡された物だ。満流の髪を使って作った満流と繋がるための唯一の物だ。住処につ着いてから満流から何かアクションがあるだろうと考えた悠一はその場にゆっくりと座った。


〝それまでまだまだ時間がかかるだろうから、今のうちに体力を温存しておかなくては…。〟


至って冷静でいた。夜の山道で木々が鬱蒼としている中、悠一は何物にも怯えることなくどっしりと構えていた。





その頃、満流は双子に担がれたままザンテと共に何やら洞窟のような場所を歩いている。



ズカズカズカ…。


ザンテは進んで行く。そしてその後ろを双子たちがひょいひょいと満流を担ぎながらついて行く。


〝なるほどな、洞窟とは、奴ら吸血族らしいな。〟


満流はそう思いながらも到着して輝夜に会うまでは今のまま、憔悴しきった様を演じることにしている。



「なぁ、ケドリス。コイツ、本当にあの女捉えてから面白味が無くなったよな…。」


「パドリス。お喋りはそこまでだ。もうじき陛下のいる玉座の間に着くぞ。」


「もう、ケドリスはこういう時、ホント、真面目になるよね。」


パドリスが相手をしてくれない不満を漏らすと〝キッ!〟とケドリスが睨んだ。


「ちぇっ…。」


小さく不満を吐いてからパドリスも黙った。



〝さっきもうすぐ陛下の玉座の間だと言ったな。アイツの登場か。〟




それから少し歩くと岩肌だった周りの景色がいきなり中世の邸のような造りに変わった。


〝……………な、なんだ?いきなり変わったぞ?!本物か?いや…きっとそう見せてるんだろう。コイツらなら幻影なんてお手の物だろう。〟


満流の霊視はキングになってからアップした。





そして玉座の間についたのだろう、ザンテがいきなり声を張り上げた。


「陛下!ザンテでございます。陛下所望のおもちゃ、生け捕りにして参りました!」


その声と共に双子は担いでいた満流を〝ドーン!〟と床に降ろした。



〝──────うっ……………。〟


流石にいきなり床に叩き付けられると衝撃が満流の身体に走った。

だが満流はこれで輝夜が今どうなっているのか知る事が出来る、輝夜に会えると思うとその痛みも耐えがたいものではなかった。


満流はむくりと身体を起こした。そして玉座の間の正面だと思う方へと体制を向けた。






ご覧下さりありがとうございますとうとう満流は輝夜がいる敵地へと乗り込むことに成功しました。さて、このあと満流は敵に篭絡された輝夜を無事救出する事が出来るのでしょうか……………。

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