How Many Miles to Babylon?
長女 セラフィナ視点です
クロウリー邸・ダイニングホール
いつも通りに起床し着替え 食事をとる。
父上の専属執事ゴメスが、無表情のまま銀盆を抱え、静かに近づいてくる。
私はフォークを置いた。
「セラフィナ様、おはようございます。
本日の予定をお伝えいたします」
私は、軽く頷いた。
「──午後より、ロンドン地下・バビロンホールにて、
ヴィクター様とご一緒に、闇オークションへのご出席が予定されております。出品物は、不老不死薬・試作2バイアルでございます」
「姉さん仕事熱心だねーバビロンホールのオークションなんて行っても行かなくてもいいもんじゃん」
ブランシュがゆっくりと椅子に座りビスケットを牛乳に浸しながら言った。
「黙れブランシュ。私は父上の補佐として同行するまでだ」
「おー怖っ まぁせいぜい汚い金持ち達に注意する事だねアイツら、見境ないから」
……闇オークション 。
ゴメスが“闇オークション”などと殊更に区切って言うせいで、
どうしても裏社会のことを思い返してしまう。
世間の半分が存在すら知らない、もう一つの国。
魔術、血統、契約、金──
そこではそれらだけが、人間の価値を決める。
魔術が手に入る方法は、たった三つ。
―――
① 血統
古い貴族家系に生まれる。
イギリス貴族の四割は、何らかの魔術血を持つとされるが
ほとんどは薄い力。
クロウリー家だけが、三百年間、悪魔と完全な契約を結び続けた “純血の魔術貴族”。
生まれながらに魔術が宿り、
それは祝福でもあり、呪縛でもある。
―――
② 契約
血のない者は、次に“悪魔”と交渉する。
寿命、子孫、記憶、身体……
代償は重い。
父上は、“子孫を持てない”代償を支払った。
だから私たちは、父上の“ギフト”として生まれた存在。
人造でも、奇跡でも、そのどちらでもいい。
結果として、私たちはクロウリーの血を継いだ。
―――
③ 金
莫大な財力を使い、“人工魔力”を買う。
悪魔の魔力因子を抽出し、
遺伝子編集や細胞再生を用いて作り出される──
バイオ魔術。
安全だが、効果は微々。
それでも今夜の客どもは、
偽物の不老不死薬に狂ったように金を積むはずだ。
―――
私はナイフでベーコンを正確に切り分けながら、淡々と結論づけた。
今日向かうバビロンホールは、裏社会という巨大な獣の心臓。
魔力を欲しがる貴族どもが、
金の臭いに釣られ、うごめく穴倉。
父上は“娯楽”として楽しむ。
私は“観察”として学ぶ。
温度差は、いつでも、決定的だ。
「了解した。準備を進めろ」
私が告げると、ゴメスは深く一礼し、音もなく下がった。
私は再び朝食を口に運ぶ。
今夜も、虫けらどもを見下ろしに行く。
魔術結社、貴族、財閥。
この国を支配しているのは、政治でも軍事でもない。
血と契約と金──ただそれだけ。
魔術は“才能”だけでは使えない。
血統か、悪魔との契約か、莫大な金。
どれか一つでも欠ければ、魔術師にはなれない。
イギリス貴族の四割が魔術血統を持つと言われているが──
その頂点に立っているのは、クロウリー家ただ一つ。
純血の魔術貴族。裏社会の帝王。
金で買える魔術など、私たちから見れば、おもちゃにすぎない。
私はゴメスに視線を戻した。
「準備は整っている。 出発は午後9時だな」
ゴメスが、深く一礼する。
「かしこまりました。予定時刻きっかりに門の前にお車をまわしておきます。」
私は、フォークを置き立ち上がった。まだ時間がある。だが、私の頭の中は、すでにバビロンの腐った空気で、満たされていた。
父上は今夜も楽しむだろう。私は今回も学ぶために行く。
次期当主になるために。
クロウリー邸・最上階 当主ヴィクターの私室前
午後7時40分
私は、黒のガウンを脱ぎ父上が用意させた漆黒のイヴニングドレスに袖を通していた。
背中の「戦車」のタトゥーが、ドレスの背開きから覗く。
鏡越しに父上が入ってきた。
黒いタキシード姿だ。ネクタイピンを留めながら
口元に明らかに、子供のような笑みを浮かべている。
「セラフィナ、準備はいいか? 今夜は特別だぞ」
私は、鏡越しに父上を見て静かに答えた。
「はい、父上。 開始価格50億、 予想落札額は140億から160億の間。 ハーティントン公爵、ロスチャイルド末裔、ヴァレンタイン、 全員出席確認済みです。 偽薬の効果は3ヶ月。 死亡予定は来年2月頃」
父上は、私の報告を聞きながら、目を輝かせて、小さく拳を握った。
「よしよし!あのロスチャイルドのジジイ、また顔の半分溶かして来るんだろうな!ヴァレンタインのサイボーグも、今回はどこまで金積むか楽しみだ!」
私は、無表情で続ける。
「警備は結界三重、 侵入者は即座に排除。 私戦車と力のギフトで、 万一の事態にも対応可能です」
父上はくるりと回って、私の肩に手を置いた。
「セラ!お前も一緒に来るのがほんと嬉しいよ!あ、帰りに遊園地でも行くか?確か近くにあったはず パパが風船と綿菓子も買ってやるぞ!」
「父さん、私はもうとうの昔に成人しています。遊園地ではしゃぐ年齢じゃ無いです」
「えーー?もう成人?ついこの間までこのくらいだったのに!」
ヴィクターは自分の膝ぐらいまで手を下げた
そんなに小さくはなかったはずだ 父さん どの妹と間違えているんだ?
夜気は冷たく澄んでいた。
クロウリー邸の前には、父上専用の漆黒の装甲リムジンが待機している。
車体には三重の魔術結界と、父上が改造した“裏側の住人を弾く”細工が施されている。
ゴメスがドアを開ける。
父上が乗り込み、その後に私も静かに席へと身を預けた。
車が動き出すと同時に、窓の外が闇に沈む。
タイヤがロンドンの石畳を一定のリズムで叩いていく。
父上は隣で、いつも通り楽しげに喋り続けている。
その声を半分だけ聞きながら、
私は自然と、背中に刻まれた“ギフト”へと意識を向けた。
クロウリーの子は、六歳になると儀式を受ける。
魔術を扱うための回路を、肉体に“刻む”儀式だ。
姉妹それぞれに異なるタロットが与えられ、
それぞれに“罪”が刻まれる。
傲慢を与えられた私は──
背中に「戦車」と「力」。
強制的に支配と攻撃を宿された身体。
朝霧には強欲。
小夜には嫉妬。
ブランシェには色欲。
マリーナには怠惰と憂鬱。
オリーフィアには暴食。
そして末弟アズラエルには──
……あの子だけは、生まれた時から刻まれている。
理由は聞かされていない。
聞けば、きっと答えをくれるのだろうが。
父上が“答える必要のないこと”を教えるはずもない。
ただ一つだけ確かなことがある。
私は魔法を使えない。
ギフトはある。力と戦車が刻まれている。肉体は人間を超えた強化をされている。だが魔術だけは、どれだけ血に祈っても、ひとしずくも流れ出てこない。
クロウリーの娘でありながら──唯一魔法を持たない、「異端 」
だからこそ私は、学び、観察し、一瞬たりとも立ち止まらない。止まることを私が許さない。
魔法がなくとも支配できる、魔法がなくとも立てる場所を証明するために。
父上の声が再び耳に戻る。
「今日は楽しいぞ、セラフィナ!」
楽しそうで何よりです。父さん。
ロンドン地下都市──“バビロン・ホール”。
地上の喧騒から切り離された、巨大で静かな、腐敗の心臓部。
リムジンが、魔力で封鎖された第七ゲートを通過した瞬間、
空気が変わった。
冷たい魔素が肌を刺す。古い遺跡の息吹と、金の匂いが混ざり合った、地下社会特有の圧迫感。
この嫌な空気感 私はいつまで経っても慣れやしない。
父さん──ヴィクター・クロウリーは、窓の外を見てにこにこしていた。
「着いたぞ、セラフィナ!見ろ!今日はいつもより客が多いらしい!ほら、あそこで並んでるのもたぶん“吸血貴族”だぞ。可愛いもんだ」
その声は、まるで遊園地へ来た父親のそれだ。
だがその実、“王の到着”は、すでに会場全体へ伝播している。
リムジンが停まる。黒服のオークションスタッフ十名が、同時に深々と頭を下げた。
「ヴィクター・クロウリー様──ようこそおいで下さいました」
父上は、片手を軽く上げて、子どもに手を振るように雑な挨拶を返す。
「おう、よろしく頼むよ。娘も一緒だ。丁重に扱ってくれ。蝶よりも花よりもな!」
スタッフたちは一斉に顔を上げ、その視線が、私に触れた瞬間──空気が一段深く沈んだ。
怯えでも、崇拝でもなく、
“あ、上位種族だ”と理解した者の反応。
私は、父上の後について、敷かれた深紅のカーペットをまっすぐ歩き出す。
足を踏み入れた瞬間、会場の魔術結界が揺れ、まるで私たちに跪くかのように震えた。
荘厳な地下広間。
天井は大聖堂のように高く、魔術式のシャンデリアが淡く青く光っている。
壁には古い悪魔契約書のコピーが飾られ、
金と呪術の匂いが入り混じる、闇オークション会場「バビロ ン」特有の空気。
私たちが進む通路の両脇には、
高位貴族、結社代表、財閥の魔術研究員たちが並び、
誰もが目を伏せて私たちを見送った。
──当然だ。
“どこの世界に、クロウリーの血族が下座に立つものか。”
父上は、そんな空気など一切気にせず、上機嫌で私に小声で話しかけてくる。
「セラフィナ、今日は席が特別らしいぞ。ほら、最前列の真正面。あそこ、普段は“教団系”に譲ってる席だ」
私は軽くため息をつき、何の疑問も抱かず、まっすぐその席へ向かった。
当然のように、そこに座る。当然のように、誰一人、文句を言わない。
周囲の貴族たちは、息をを潜めた獣のように、ただ私たちを見上げている。
ヴィクターは楽しげに笑い、私は静かに、世界の膝が沈む音を聞いていた。
会場の最奥──高台に設えられた二つの椅子。
そのどちらにも、他の貴族が座ったことは一度としてない。
ヴィクターが軽く笑いながら階段を上がると、ホール全体に張りつめた沈黙が広がった。
誰もが知っている。
あの席は、クロウリー家のためだけに存在する。会場に足を踏み入れた瞬間、空気が張り詰めた。
誰もが振り向き、誰もが目を伏せ、誰もが呼吸を浅くする。
父上が片手を軽く上げると、ざわついていた会場が一瞬にして沈黙した。
私はその視線を正面から受け止めながら、真っ直ぐに歩く。
特等席──最上段、中央。
すべての視線を支配し、すべての権力者が見上げる位置。
私は迷わない。躊躇などあるはずがない。
クロウリーの血族が、どこに座るかを迷う理由など存在しない。
もし誰かが不満を抱くなら、勝手に抱いていればいい。
もし誰かが羨むなら、勝手に嫉妬していればいい。
クロウリーとは、羨望と憎悪を飲み込み、それを従える側の名なのだから。
私は席に腰を下ろし、下界にうごめく貴族たちを一瞥した。
彼らは金で魔術を買い、金で寿命を買い、金で魂までも売ろうとする。
その醜さが、むしろ美しいと思えるほどに。
「……始めていいぞ」
父さんは小さく囁き、つまらなさそうに脚を組んだ。
今日の夜が、父さんにとって退屈で終わらなければ良いのだが。
背後で、粘つく声がした。
「ヴィクター卿……これはご機嫌麗しゅう。本日は、お嬢様もご同伴とは珍しい」
振り返るまでもなく分かる。腐った血の匂い。
人工魔力特有の刺激臭。
金と恐怖だけで生き延びてきた“無能な生存者”の気配。
ハーティントン公爵だ。
父上は、目だけをそちらに向けて、軽薄に笑った。
「おう、ハーティントン。相変わらず肌がボロボロだな?その人工魔力、まだ副作用治ってねぇんだろ?」
公爵の顔がひきつる。だが、父上に逆らう選択肢など存在しない。
「は、はは……クロウリー卿のご指摘、痛み入ります。ところで、本日の“薬”……ひと足先に、情報を……」
私は、父上の横で、黙って彼を見下ろした。
その視線だけで、公爵の背中がぞわりと震えたのが分かる。
「……目線を上げるな。臭いが移る」
私がそう呟くと、ハーティントンは弾かれたように頭を下げた。
「し、失礼を……!」
そこへ、もうひとり。
ヴァレンタイン財閥の強化義肢をつけた老人が、ぎこちない機械の動作で近づいてくる。
「ヴィクター卿……本日の出品、ぜひ我が家に優先権を。……この義肢も、そろそろ限界でしてな」
父上は鼻で笑った。
「知らん。オークションだ。金を積んだやつが勝つ。単純だろ?」
「ぐ……っ」
老人は悔しげに歯を噛みしめたが、それ以上は何も言えない。
私は彼の足下――義肢の接合部をじっと見つめた。
魔術刻印の劣化。
劣悪な人工魔力の流出。
いずれ壊れるな。
「……その脚、あと三ヶ月で壊れるぞ。死ぬ時はせめて静かに死ね」
老人の顔色が、一気に灰色に変わった。
「ひっ……!」
慌てて離れていく背中は、
崩れ落ちそうなほど弱々しい。
次々に近づき、そして私の視線ひとつで逃げていく貴族たち。
――滑稽だ。
そのたびに父上は、退屈そうに肩を揺らしながらも
どこか嬉しそうに私を見る。
「セラフィナ、相変わらず容赦ないな!いいんだ!いいぞ!もっとやれ。虫は踏みつけるためにいるんだからな!」
私は、彼の言葉に応えず、再び前を向いた。
遠くで、オークション開始の鐘が鳴る。
どこか機械仕掛けの鐘のような、
不吉で軋む音がホールに響いた。
──オークション、開始。
司会者が結界越しに姿を現し、
魔術拡声器で甲高い声を響かせる。
「それでは、第一出品……《処刑人の右眼》。
生前ランカスター処刑塔にて百八十九名を斬首した男の魔眼。“罪を視る力”が弱く宿っています。最低入札は三百万から!」
さっそく複数のプレートが上がる。
「四百万!」
「六百万!」
「七百五十万!」
父さんは肘をつき、頬杖をついたまま指先でテーブルをコツ、コツ、と叩いているいきなり飽き始めている……。
私は場繋ぎのように父さんに話しかける
「……いつも通りゴミのような呪物から始まりましたね。魔眼と呼ぶには力が弱すぎますし、せいぜい観賞用の骨董品……くらいでしょうか?」
「……また死人のパーツか。こんな低級の魔眼、うちの地下倉庫に百個は転がっている。」
あぁ、そういえば地下倉庫は魔術の墓場だ。訳の分からないことアイテムや書籍で溢れていた。私は興味が無いから細かい分類は分からないが父さんが言うには低級の魔眼は掃いて捨てるほどあるらしい。
義眼は老人が七百八十万で競り勝ち、満足げに座る。彼はどうせ自分の護符に組み込んでおそらく翌月には失明するだろう。
父さんは鼻で笑った。
「満足げな顔だな。一週間もすれば“罪”とやらが視えすぎて
狂死する。」
どうやらあの老人1ヶ月も持たないらしい。
司会者が続けた。
「続きまして第二出品……《人工悪魔核》ロンドン魔術工学研究所による試験製造品。魔力発生量は低いが、安定性は保証されています。最低入札額は一億から!」
「一億五千万!」
「二億!」
「二億三千万!」
「二億八千万!!」
結局、財閥の若旦那が”自家用護衛ロボットに組み込みたい”
という理由で三億で落札する。
父さんは露骨に溜息をつく。
「人工核……研究段階の失敗作じゃないか。“安定性は保証されています”などと抜かすが、一度暴走したら都市一個が停電する。」
「えぇ……失敗作をあたかも正規品のように出品しているんですか……」
「うん、あれを出品したヤツ 次から出禁だな」
「かしこまりました。運営者に通告しておきます」
父はつまらなそうに脚を組み替えた。
次の品が運ばれる。
「《アルビオン魔術院・封印標本 第九二号》!」
胎児標本。会場がざわつく。
父はは肩をすくめた。
「また倫理の欠片もない連中が採った代物だ。“起源研究”?笑わせる。魔術院の教授連中は胎児すら満足に扱えん。」
「まぁ確かに倫理観の欠片もないですね。(この世界に倫理など最初から存在しないけれど。)」
金額は跳ね上がる。
「四億!」
「五億五千万!」
「六億!」
魔術貴族の奥方が勝ち取り、宝物を手に入れた子供のような顔をする。
その醜さはむしろ清々しい。
六億で落札されたと聞いて父さんは小さく舌打ちした。
「……六億の価値があるのは、瓶の加工技術だけだ。」
「中身は無価値ですか……」
このオークション 何のために行われてるかわからなくなってきた……
続いて、《アマルガム・リッチュの皮膜》。
「最低入札額は八千万!」
「一億!」
「一億三千万!」
父さんは眉間を押さえた。頭痛でもするのだろうか
「魔力吸収系の呪物を、知識もなしに奪い合うとは……。あれは本来、死霊術師の“補助器官”だ。素手で触れれば、骨まで吸われる。」
「父さん、全部詳しいですね。」
「何人かこの手のものを作ったやつを殺したことがあるんだ。死に際にペラペラ喋るからよく覚えてる。」
「あぁ、なるほど。」
「第五出品、《純銀製:悪魔召喚環〈シジル・オブ・ダゴン〉》古代海魔の力をわずかに引く儀式道具。“水属性の魔術式”を増幅します。最低入札額三千万!」
「四千万!」
「五千万!」
「八千万!」
「一億!
私も呆れ始めた。
「……あのリング本物の召喚はできないものですね。ただ術式を濁すだけの半端物。それを“一億”で買うとは哀れですね」
父さんも目を細め、うんざりと呟いた。
「本物は“海魔の欠片”が入っている。確かに別物だな。ただの銀細工に、安っぽい術式を刻んだだけ。」
あぁ……あくびまでし始めて……完全に飽きてる。
落札の鐘が鳴るたび、
父さんの退屈ゲージが上がってきている気がする。
今日のオークションは“毒にも薬にもならないゴミの”見本市”らしい。
オークションのざわめきの中──
空気の底を這うような震動が、会場を覆う結界に走った。
ピシ……ッ。
「!?」
ほとんど無音。それにほほに髪一本が触れる程度の違和感。
しかしセラフィナ戦車と力のギフトにより普通の人間よりも研ぎ澄まされた五感がその違和感を受け止めた。
「(なんだ……今の……)」
次の瞬間、彼女の視界の端に“何かの影”が引っかかった。
黒でも灰でもない。色の概念すら持たない──
存在の痕跡のような微小片。
セラフィナが目を向けるより一瞬速く、それは“無音で消滅”する。
背中のギフトが警鐘を鳴らす。彼女は迷わずヴィクターに小声で告げた。
「父さん……いま結界に、低層干渉がありました。魔力の震えでしょうか……?」
ヴィクターは一瞬だけ視線を向け──すぐにいつもの余裕へ戻る。
「…………ああ。」
たったそれだけ。
彼はワインを傾けながら、軽く笑った。
「心配するな。どうせ 鼠 の類だ。」
その言い方が、“危険ではあるが想定内”と暗に示している。
小さく息を整え、彼女はステージへと視線を戻す。
父が動じないなら、いまは様子を見るべきだ──そう判断した。
空気の緊張がまだ解けきらないまま。
父さんは席に座りながら伸びをする。
「う〜ん……それにしてもどうにも今回はイマイチだなぁ。ロマンがない。ほら、また“付与済み金貨の山”だぞ。どこが面白い?」
父さんは指先で空中に×印を描きながらぼやく。
本当にさっきの事は気になることではないらしい。
「魔術師の初歩実験みたいな品ばっかりだ。もっとこう……血湧き肉躍る“本物”はないかなぁセラ?」
セラフィナは少し肩をすくめる。
「父上の基準が高すぎるだけです。」
「えぇ〜? だってロマンが足りんよロマンが!」
そんな親子の他愛ない会話から──
空気が一変したのは、その直後だった。
そして、司会者が大きく息を吸い込む。
「それでは……!
本日の目玉出品に参ります!」
「おっ やっとうちの出品品が出てくるぞ!」
「出品番号11番──クロウリー家提供、《不老不死薬・試作2バイアル》!」
場が、静まり返った。
恐怖と欲望が同時に空気を震わせる。
父さんの横で私は瞼を閉じ、小さく息を吐いた。
「 (……さぁ。ここからが本番。虫けらどもが、どこまで醜態を晒すのか。)」
クロウリー家が“本命”として出品した秘薬、
《不老不死の薬》
が、ステージ中央の黒鉄台の上に恭しく置かれた瞬間。
ざわ……ざわざわ……
隠しようもない興奮と欲望が会場を走る。
司会者は震える声で宣言する。
「しょ、初回価格──50億ポンド!」
その瞬間。
ハーティントン、ロスチャイルド、ヴァレンタイン……
腐臭を放つ巨大小貴族たちが一斉に手を挙げ、競り合いを始めた。
「70億!」
「80だ!」
「100億出す!!」
唸る魔力、燃える虚栄心、むき出しの欲望。
セラフィナはその醜悪な争いを、
まるで“生ゴミを見るような目”で眺めていた。
そんな中──ひときわ酔った怒声が会場を裂いた。
「ふざけるなァ!!
クロウリー家の薬など信用できるか!!」
声の主は──
アングロ=サクソンの血統保守派で有名なベルトラム伯爵。
酒を飲んでいるのか赤ら顔に肥えた腹、虚ろな眼。
魔術も財力も中途半端、だがプライドだけが肥大化した 典型的な”腐った貴族”
会場がざわめく。
彼は手に持っているステッキで机を叩き喚く
「クロウリーが王族ぶっているのが気に食わん!ロンドンの地下まで牛耳るつもりか!?その娘とて……ただの人間だろう!!」
ヴィクターは、
一瞬だけ「は?」という顔になったが、すぐに当主の仮面をかぶり直す。
しかし──
セラフィナはもう立ち上がっていた。
ヴィクターは娘を止めない。
むしろ嬉しそうにニコニコしている。
まるでヒーローショーが始まる前の子供のような笑顔だった。
セラフィナはゆっくりとベルトラムの前へ歩く。
会場の貴族たちが左右に割れる。
誰も彼女に逆らえない。止められない。
彼女は静かに言う。
「──“ただの人間”。その言葉、訂正してもらえますか?」
音もなく歩く。美しい黒のドレスの裾が揺れる。
背に刻まれた 《戦車》 が、衣服越しにわずかに脈打ち、発光する。
貴族たちが道を開ける。誰も接触すら許されない。
ベルトラムは酔った勢いで怒鳴り続ける。
「おまえらクロウリーは血統を鼻にかけて──娘とて魔術の──」
その“魔術が使えない娘”と言いたかった瞬間。
ドゴォン!!!
広い会場に、鈍い衝撃音が響いた。
次に人々が目にしたのは──
セラフィナの右手がベルトラム伯爵の胸ぐらを掴み上げ、
男ごとオークションテーブルを“めり込ませている”光景だった。
木製ではない。黒鉄製の儀礼テーブルだ。重さは数百キロ。人間の力で凹むはずがない。
それが──
伯爵の背中の形に沿って、深く沈んでいた。
ギギィ……バキバキ…!!
ミシッミシミシっ……!!
まるで湿った粘土のようにゆっくり潰れていくテーブル
鉄が歪む音が生々しく続く。
伯爵の背中は逆U字に反り骨が音を立てている。
「……っ、が……がはっ……!」
血が飛び散る。
彼の肺から空気が押し出され、奇妙な音が漏れた。
会場は絶句。
セラフィナは微動だにせず、
掴んだまま、顔を近づけた。
目は冷えていた。怒りを通り越してむしろ憐憫をかけた目をしていた
ただ、美しく冷酷な王族の目。
「お前──下賤の人間の分際で、クロウリー家を呼び捨てにするなど、よく生きていられましたな。」
伯爵が震えながら何か喚こうとするが「言葉」として発せられることはなかった
「がっ、……は……ま……つ……」
セラフィナが腕の力だけで自分よりも恰幅よい伯爵を持ち上げる。
「『ただの人間』?……違う。」
戦車の刻印が脈打つ。
「お前たちが“人間の限界”と思っている地点より、私たちはとうの昔に先へ進んでいる。理解できなくて当然。そこはお前達の認識が届かない“階層”だ。」
彼女は淡々と語り最後まで男を離さないまま
「次にクロウリーの名を侮辱したら──今日は凹ませたテーブルではなく、お前の頭蓋骨を凹ませる。」
その言葉と同時に手を離すと、伯爵は糸が切れた操り人形のように失神した。
セラフィナは裾を払って席へ戻る。
ヴィクターは、両手を広げながら子供のようにはしゃいで、
叫んだ。
「セラぁ!! 最高だったぞ!!いやぁ~、スカッとした!!あのジジイの顔、完璧に潰れてぜ!!」
そして目をキラキラさせながらセラフィナの肩を抱く。
「なあなあ、ケーキじゃ物足りないよな!?アイスにしよう! 31種類全部買っちゃおうか!?バニラもチョコも、ストロベリーも、全部全部セラの好きなだけ!!今夜は特別だぞ!!」
セラフィナは無表情で座りながら言う。
「……後ほどにしてください、父上。」
ヴィクターは 全く聞いてない。
「えー!? ダメダメ!今夜は絶対アイスだ!!バスキンロビンスに行くぞ!!全部制覇しちゃおうぜ!!」
会場は誰一人として動けず言葉を発せずにいる。
失神したベルトラム伯爵は血が混じった泡を吹いている。
なのにクロウリー当主は娘とアイスクリームの話で盛り上がっている。
「本当に、後にしてください父上……」
恐怖に震える司会者が、震える手で魔術拡声器を持ち上げ、
絞り出すように声を上げた。
「し、失礼いたしました……!……そ、それでは……っ……オ、オークションを……再開……いたします……!」
場の空気は張り詰めたまま。誰一人、呼吸すら忘れたように静まり返っている。
司会者は喉を鳴らし、ステージの中央へと振り返った。
「改めてまして 初めから開始いたします……
出品番号──11番。クロウリー家ご提供……《不老不死薬・試作2バイアル》……!」
その名が告げられた瞬間、会場全体に今度は凶器が同時に走った。
セラフィナは静かに目を細める。
──これでいい。“力の序列”を理解した上で、虫けらどもは金を積む。
ヴィクターは腕を組みながらニヤリと笑った。
「さあ、見てろセラ。ここからがコメディ本番だ。」
司会者が声を裏返らせながら宣言した。
「開始価格は50億ポンドから!」
瞬間札が一斉に上がった。60億。80億。100億。
貴族たちの顔が、欲望で歪む。私はそれを冷たく見下ろす。
120億。140億。
ハーティントン公爵が震える手で札を上げる。
「150億!!」
「会場最高額です!! まだありませんか!?」
誰も声を出さない。誰も、これ以上出せない。
司会者がハンマーを振り上げる。
「では、150億で──」そのときだった。「待て!!」声が響いた。全員が振り返る。
失神していたはずのベルトラム伯爵がテーブルから這い上がってきたのだ。顔の半分が血と涙でぐちゃぐちゃ。
「クロウリーの薬など……信用できん!!偽物だ!!絶対に偽物だ!!」
会場がざわつく。父上は軽く眉を上げこう呟いた
「あの爺さん復活早いな。」
私は立ち上がった。もう1度制裁をする為に。だが父さんが私の肩に手を置き
「セラ、いいパパが話す。」
父さんは立ち上がり静かに微笑んだ。
「偽物?」
その声は静かだった。でもホール全体を、凍りつかせるのには十分な発言だった。ベルトラムはまだ喚く。
「そうだ!!お前たちはいつも偽物を売って俺たちを笑ってるんだろう!!」
父さんはにこにこと答えた。
「まあ、そうだけど?」
会場が一瞬、静まり返った。そして父さんが続ける。
「でも君たちはそれでも、買うんだよね?」
ベルトラムは言葉を失った。父さんは優しく微笑んだ。
「さあ、どうする?買う?買わない?」
ベルトラムは机に沈んで行った。
「続けて」
父さんがステージの方向に手で合図を送る。
「なんだったんですかね、ベルトラム伯爵は……」
「さぁ?やられっぱなしは嫌だったんじゃない?」
司会者は震える指拡声器を握り直し、無理に笑顔を作った。
「……え、ええと……ただいまの混乱は、えー……その……大変失礼いたしました……。では、150億で──再度、入札の確認を……!」
誰一人動かない。
ハーティントン公爵は、先ほどまでの強気が嘘のように蒼白になり、札を持つ手を胸に押し当てて震えている。
セラフィナは思う。
──賢明な判断だ。
“クロウリー家の面前では正気でいる”というだけで、褒めてやりたい。
司会者は恐る恐るハンマーを持ち上げた。
「では──150億ポンドで……落札──」
カン。
乾いた音がホールに響きわたる。
同時に、観客席の空気が一気に緩み、誰もが肺の奥から押し出すように息を吐いた。
ヴィクターは席に腰を下ろしながら、嬉しそうに手を打った。
「よしよし! やっぱりコメディだなぁ!最後の“偽物だ!”は腹抱えて笑いそうになったぞ!」
セラフィナは横目で父を見た。
「……父上、あれは笑う場面ではありません。」
「えー?じゃあセラ的にはどこが笑いポイントだった?パパはねぇ、机に沈んでいくところが最高だったと思うんだよ!」
「……どこもありませんよ……」
会場の視線は、クロウリー親子から決して離れない。
敬意でも、畏怖でも、憎悪でもない。
──ただの“本能的な恐れ”。
司会者が震える声で締めの言葉を放つ。
「そ、それでは……クロウリー家ご提供《不老不死薬・試作2バイアル》は……
ハーティントン公爵家が150億ポンドで落札となりました……!」
微弱な拍手が、どこか怯えたようにパラパラと響く。
ヴィクターは顎に手を当てながら言った。
「さて、と。セラ。オークションが終わったら、ほんとにアイス行くからな?嫌って言っても連れていくからな?」
「……父上、、この後は落札者と出品者のパーティがあります。」
「え!? そうだっけ!? パパ聞いてないぞ!」
「三回説明しました。ゴメスも車内で何度か言っていました。」
「マジか!? 聞いてないぞ!!」
「聞く姿勢を持ってください。」
「……努力する……」
セラフィナは視線をホール全体へ戻す。
さっき“結界に触れた気配”は、本当にただの鼠だったのか?
胸の奥に、かすかな引っかかりだけが残る。
クロウリー邸の結界とは違う。ここは他者が編んだ“人間用の結界”。そこに生じた乱れを、微かにだが感じ取った。
胸の奥に、砂粒のような違和感が沈む。
──あの侵入者の事件と、同じ匂いを感じる。
父さんは隣で真剣な顔をしている。多方パーティの料理の事でも考えているんだろう……まさか本当にバスキンロビンスに行くつもりじゃないでしょう。もう閉店時間過ぎてます父さん。
闇オークションが終わると同時に、
貴族たちは蜘蛛の子のようにパーティホールへ移動していった。
誰もが表向きは華やかな笑顔だが、その歩みはセラフィナを見るたび硬直する。
ヴィクターはというと、まったく空気を読まない。
「セラ、見ろよ。ほら、あそこのテーブル!スイーツの山!この後のパーティ、案外悪くないぞ?」
「……甘味の話は後ほどに。」
「えーっ、なんでそんな冷たいの?パパ悲しい……アイスとかケーキとかクレープの話、全部したいのに。」
「そうゆう会話はオリーフィアや朝霧の方が喜びますよ」
「セラだから楽しいんだよー!」
セラフィナは軽くため息をつく。ダメだ。父さんと私との温度差がありすぎる……
セラフィナ達はゆっくりとパーティホールの敷居を跨いだ。
──その瞬間。
「(!!……また、だ。)」
またあの「違和感」を感じ取る。空気の密度。魔力の残滓。
呼吸のわずかな揺らぎ。視線の“方向”。
普通の結界では絶対に拾えないほど、細く細く微弱。
”それは”確かに、私を捉えている。
セラフィナは何気なく、シャンデリアの影へ視線を流す。誰もいない。声も、気配も、魔力の痕跡も何もない。
それでも──確実に“いた”。
「(誰だ? 誰かが見ている?入り込んでいる?)」
先ほど感じた“結界の揺れ”と同じ性質。
だが、より薄く──より狡猾。
まるで“こちらを観察している側”が、セラフィナの感知能力の限界を測っているような。
「ん? どうしたセラ。」
父さんののんきな声が横から落ちる。
セラフィナは瞼を伏せ、わずかに首を振る。
「……いえ。気のせいかと思いましたが……《何か》がこちらを見ています。」
父さんはワイングラスをくるくる回して数秒考えたあと
「はーい、気にしない気にしない。どうせ鼠か、場違いな好奇心のバカ貴族だ。」
軽すぎる口調で切り捨てた。セラフィナは眉をわずかに寄せる。
「(……本当に?父上ほどの魔力を持つ者が、これを“無視”するだろうか?)」
少しして、父さんがこう耳打ちをした。
「セラ、こういうのはね──“向こうが動くまで泳がせておく”のが一番楽しいんだよ。」
彼の声は柔らかいが、その奥に暗い愉悦が混じっていた。
視線は消えた。だが、針のような違和感だけが、肌に残る。
パーティ会場を後にしクロウリー家専用の黒い車に乗り込む
窓の外は霧と街灯のロンドンが流れていく。
車の揺れは心地よいはずなのに、今夜だけは妙に神経が冴えていた。
(……あの視線。“魔力の膜”に触れたあの感じ……。)
セラフィナは無意識に、指先で自分の腕を撫でる。あれはただの興味本位ではない。もっと深い、探るような感触だった。
ロンドンの夜景が流れていく窓を見つめながら、
彼女の思考はゆっくりと、父の研究へと戻っていく。
「(……この街には、父さんの“成果物”が溢れている。)」
病院の再生医療ユニット。
軍の強化兵計画。
大貴族の延命措置。
それらはすべて、魔術と科学を混ぜ合わせた怪物のような技術――
父さんが笑いながら「バイオ魔術」と名付けた分野の産物だった。
遺伝子を書き換え、
細胞を再生させ、
悪魔の魔力を抽出して成分まで解析し、しまいには人工の魔力を合成する。
「(……普通の魔術師なら、聞いただけで卒倒する。)」
魔術は“生まれつき”。科学は“人が作るもの”。
その常識の境界を破った唯一の男が、今横でテンション最高潮の父である。
「ゴメス!!帰りにアイスだ!!いや、アイスだけじゃ足りん!!ケーキも食べよう!!セラ!!チョコとショートとモンブランどれがいい?!全部 にする!?」
車の中に、父さんの元気な声が炸裂する。
「そうだ!食べ終わったら遊園地行こう!!真夜中だけど関係ない!貸し切る!!ゴメス!遊園地に電話しろ!」
ゴメスは相変わらず無言ハンドルを握る。
私はは横目で父さんを見て、心の底から深いため息をついた。
「……父さん、順番にしてください。」
「順番!?よーし、じゃあまずアイスだな!!」
「……はぁ。」
(この人は、魔術と科学の境界を踏み越えた天才であり……
同時に、世界で一番手のかかる成人男性だ。)
車の外では、ロンドンの夜霧が静かに揺れている。
あの視線の正体を──静かに、確実に、探り続ける。
車は闇に吸い込まれるように走る。
父さんの無邪気な声と娘のため息が交差する。
それでも、“あの”かすかな引っかかりだけは消えなかった。
クロウリー邸の門が静かに開いた。
夜霧を裂くように車が滑り込み、やがて止まる。
扉が開く前に、父上がぽつりと呟いた。
「……セラ。」
「はい、父さん。」
「今日は、楽しかったか?」
その声音は、不意に幼いほど素朴だった。世界を揺らす天才の顔ではなく、ただ娘の機嫌を気にする“父親”の声。
セラフィナは少し考え、静かに答えた。
「……はい。ええ、父さんのおかげで。」
父上はにやりと笑う。
「よし。じゃあ明日こそ遊園地だ!」
「……いやまだ言ってるんですか」
そんな会話を交わしながら、2人は邸の玄関へ向かう。
だがその途中、セラフィナの背筋がわずかに震えた。
門の向こう、夜霧の奥から──
“まだ誰かがこちらを見ている”感覚が消えなかった。
父さんは振り返らずに言った。
「気にするな。バビロンまでは、まだ少し距離がある。」
セラフィナは目を細めた。
──バビロン。
堕落と欲望が満ち、神すら試される都。
今夜見たものも、感じたものも、
結局はそこへ続く“道”の上にあるのだろう。
「……何マイルでしょうね、父さん。」
「さぁ?でもセラと一緒なら、退屈はしない。」
父上の軽い声とは裏腹に、庭に吹いた風は冷たく、どこか遠い。
邸のドアが閉じた瞬間、外の気配は完全に消えた。
夜の静寂に沈むクロウリー邸。
その奥深くへ戻りながら、セラフィナはもう一度だけ考える。
──How Many Miles to Babylon?
バビロンまでは、あと何マイルだろう。
答えはまだ遠い。
だがその道の先で何が待つのか──
私はうすうす知っている。
セラフィナのパワー解放シーン本当はもっと大きくしたかったがあまりやりすぎると収集つかなくなるのであの程度で
あと これって ページ分けとかできないんすかね?




