4.
そんなわけで、辺境伯とその属国が出来上がった。
地図で見るとなんかこう一部が風船みたいになっているなぁって感じ。王国の領土より大きいんじゃないかな?
辺境の男達のフラストレーションも抜けたようだし。辺境に属国から貢物と称して色々と入ってくるので潤う。これはなかなか嬉しい。各地の特産物が入ってくるから。
あ、属国はラルラ王国とは国交によって物流の際にはそれぞれ関税がかかって面倒。辺境から属国にも農作物が行きわたることとなり、結構感謝されている。
侵攻した際も向こうの兵の命を奪わずに何とかしたことも感謝されている。いやぁ、属国が血の海とかだったら王国にバレるからね。
属国同士の関係も以前よりも良好になったようでよかったよかった。
ラルラ王国だけが遅れをとっているような状況になったけど、それは仕方ないよね?
そんな中でついに!…ついに待ちわびた俺とフローラの挙式‼
属国からも賓客がいらしている。ラルラ王国からは…「けっ、なんで辺境にとばされた第4王子の挙式にいかなきゃなんねーんだ?」と言うような感じで欠席の返事が来た。
属国の方々と懇意になれる機会なんだけどね。まぁ、そうだろうとは予想していたけれど。
俺は普段の農作業着でも騎士服でもない。ちゃんとしたスーツ姿を披露。
辺境伯にいきなり「馬子にも衣装だな」と言われた。
フローラは普段もドレスで美しいんだけど、今日は特別。ウエディングドレスに身をつつんだ彼女は神々しい。女神降臨!使用人達が全力を尽くしたんだろう。グッジョブ!
「変じゃないかしら?」
今のフローラを変という輩がいたら、俺と辺境伯でボコボコに…と辺境伯は涙目だから戦力外か。
「すっごく素敵だよ。この世の素敵を集めたみたいな」
自分で言ってて、『どんなだ?』とツッコミを入れてしまう。
属国の賓客たちよ!見るがよい!我が辺境にはこんな女神が存在するのだ~!!
「この世の奇跡だ」「あの辺境伯の娘とは思えない」「女神さまだ。生きていてよかった。むしろ今生きているのか?」
等の意見が聞かれた。そうだろう、そうだろう?でもなぁ、そんなフローラと俺が結婚するんだよ~♪俺も生きててよかった。冤罪だけど、辺境にとばしてくれた王家にそれだけは感謝だな。
「恥ずかしいわ」
赤面するフローラも美しい。
式の後、披露宴というやつか?
式の時とはまた違うドレスを着ているフローラは賓客の挨拶にひっきりなしに応えていた。
「おいおい、俺のフローラが疲れちゃうじゃないか。お手柔らかに頼むよ~」
と、俺は属国の連中を牽制した。まぁ、美女を前にした男の行動なんてそんなもんだろうけど、それもこれも俺のフローラが魅力的過ぎるからだな。と、俺は一人悦に入った。
…よかったね。