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6.お幾つですか、セネットさん

(Side:清浄院琴子)



 状況確認の話し合いが一段落すると、

 セネットさんはスマホっぽい端末――マジカルフレーム、略してマフレと言うそうです――で外部に連絡し、

 玲衣さんと遥さんを〝ここ魔王城における、ひとまずの職場〟まで案内してくれるという男性使用人さんお二人を、

 今のお部屋に呼び出してくれました。


 二十秒足らずで私たちの後ろにある扉がノックされ、

 セネットさんのお返事で入ってきてくれた彼らはどちらもハンサムな黒スーツの白人さんで、

 それぞれブラウンブロンドとダークブルネットを短く刈り上げておりました。


 そうして案内人さんも来てくれたので、玲衣さんと遥さんとは一旦別れて、

 私自身は今セネットさんと一緒に魔王城の廊下、

 現代西洋の高級ホテルみたいな甘いアイボリーと赤と黒茶の中をゆったり歩いて行ってます。


 目的地はお外の第2訓練場、

 特に素手格闘を鍛えるのに向くらしい施設です。


 私は子供の頃からずっと格闘技の練習や試合をしてますし、

 それに彼も私も〝ファイターのクラス〟、徒手空拳での戦いに適した存在ですから。



 転移の前、ウェルシュさんから聞いたご説明によれば、

 この世界レネアシャでは個々人全てに〝クラス〟なる戦いの資質が生まれつき秘められており、

 数え年で十五歳の誕生日に各々の能力や才覚次第で、

 三種類からのいずれか一つが覚醒に至るとのことです。


 拳術のファイター、武器術のソルジャー、魔法術のウィザード。


 レネアシャの神々が調査したという統計ではソルジャーの人数が最も多い全体の五割越え、

 次点がファイターのおよそ四割、ウィザードは僅かに一割程度。


 そしてレネアシャ全土での通説や常識によると、

 ウィザードが圧倒的に最強かつ万能、

 ソルジャーはウィザードの護衛として有用な二番手、

 ファイターは基本掃除係や食事係、陣地構築や塹壕彫りといった庶務担当……ある意味では戦力外、だそうです。


 このことはウェルシュさんもセネットさんも言ってましたし、

 ウェルシュさんについては〝恩寵の一環で是非ともウィザードにしとくべき〟って口を酸っぱくするほど勧めてくれました。


 実際、玲衣さんも遥さんも最初はソルジャーの資質が現れていたそうですが、

 彼の勧めに従ってウィザードに変更なさってました。


 まあ私は格闘家、徒手空拳な武術家としての意地も矜持も有り有りですから、

 ファイターこそを所望しましたが。


 ウェルシュさんは大層心配してくれましたけど、最後は私の意志を優先してくれたのがとっても嬉しかったです。

 お陰様でこの世界でも、私のやりたい強さや美しさをもっともっと磨いて高めて、素敵な自分になっていけそうですから!


 あと安心できそうな新事実としてセネットさんいわく、

 彼自身は特殊なまでに強い、ごく例外的なファイターの実力者であり、

 また、直轄の魔王軍第2師団にも実戦に駆り出せる力量のファイターたちを多く集めているそうですから、

 じゃあやっぱり琴子は強くなれるって希望が持てます、他のかたにもできたのでしたら琴子はもっと頑張ります、

 鍛錬を続けて気付きも繰り返して、守破離の限りを尽くします♪


 ただ、私はこの世界がどうあっても楽しめる自信がありますが、玲衣さんと遥さんはどうしても心配です。


 玲衣さんはスポーツ〝ドクター〟って自己紹介しちゃったせいで魔王城の医療局に連れてかれましたから、

 なんだか傲慢な盗人(ぬすびと)っぽいこの世界に、玲衣さんの心が傷つけられないかハラハラします、悲しいです、

 だって玲衣さんはすごく良い人で、ただしくプライドの高い立派なかたなんです、私とは全然違うんです。

 周りのこととか、人と歴史の積み重ねとかまで、いっぱいいっぱい思いやれるかたなんです――玲衣さんはとても優しいんです、もし傷つけたら、許しません。


 それに遥さんだってきっと試合したり喧嘩したりとかの経験なんてないのに、

 〝魔王軍最精鋭〟なる第1師団の訓練場に行かされたのも可哀想です、

 たぶん最初のステップが高すぎます悪い意味で。


 いや私も色んな実戦に近い試合や鍛錬はしても本物の戦争とか喧嘩とかは断じて細心、慎重に、

 避けて通って来ましたけれど、でもやるならやる覚悟はあります、やれる自信だって勿論あります、

 真面目で柔らかでなめらかで、隙のない覚悟と自信です、

 心技体をめちゃめちゃ鍛えてやっと得られる在り方です。


 絶対に普通じゃない人生ですし、遥さんはだって良い意味で普通のかたです、私の大切なファンなんです。

 たとえ訓練であってでも、無茶を押し付けたら、許しません。



 ――ちょっと心が荒くなってるかもです、訓練場には鋭すぎるかもですね、別にまだ喧嘩したいわけでもないですし。


 あ、いけませんね、喧嘩や実戦から離れましょう、その選択はきっとダメですものね。


 やるべき時にはじめて、やらなきゃです。


 あら、セネットさんが口をすぅと開いて、静かながらも聞きやすい地熱のお声を、私に届けてくれました。

 今は歩き始めて6秒くらいです、まあ程々の沈黙でしたが、お気をつかってくれたのでしょうか? ちょっと申し訳ないですね、私だけ鋭くて、沸々としてて……。


「清浄院さん、貴女がたの積極的な協力には感謝の念が絶えない。

 優れた感覚を持つ貴女なら、先の話し合いにおいてもきっと気付くことが多かったと思う」


 セネットさんが首をつい、とこちらに回して、いっとう生真面目な正面のお顔と、澄んで緊張した瞳を見せてくれます。

 そこに私も目と顔を合わせると、彼は時計の秒針を慎重に進ませるように、言葉をかち、かち、続けてくれました。


「あくまで私人(しじん)としてだが、貴女がたの世界に対する非道徳の数々を謝罪する。

 地球の人々が積み重ねた文化と文明を繰り返し盗用することで、

 レネアシャは飛躍的な発展を得てきたからだ。


 もしも言いたいことがあれば、音の範囲を二人きりへ限定させてもらうから、気遣わずになんとでも言ってほしい。

 あるいは後日に貴女がた全員の声を聞く場を、私個人の立場において用意してもいい。


 ただ当然、悪を成した我々を信じられなければ、正直な発言という賭けに出ずとも構わない。

 しかしそれでも、清浄院さんたちにはどうか心身に無理を掛けすぎることなく、

 なるべく平安な日々を送ってもらいたいんだ。私人としても、公人としても。


 どちらにせよ、身勝手な願いだが、ストレスや疲労はどうか隠さないでくれ。

 公私の両面から、復調へと全力で対処する」



 ――このかたの責任感と優しさに、琴子も寂しい真顔になってしまいます。


 ストレスや疲労と言うならばセネットさんこそ気に病み過ぎです、

 だって世界全体がどうこうしてることなのに、一人きりで抱え込むのは無茶ですよ。


 私的な謝罪の必要なんて皆無ですし、気遣いもセネットさん側の負担が(はなは)だしいです、

 セネットさんからの親切なお働きを、私たちが貰いすぎてしまいます。


 彼の言う非道徳に私が気付いたのは事実で、心が鋭くなったことも今なお本当ですが、

 でもセネットさん一個人を追求したくはありません。

 確かにこのかたは責任あるお立場でしょうけど、一番の問題はきっとシステムそのものです。

 優しくて素敵なセネットさんには、どうか心からくつろいでいてほしいです。

 のんびりしたり、落ち着いたり、笑ったり……セネットさんはそっちのが、良いです。

 きつきつのお仕事ばかりは、疲れます!


 なので琴子は端的に言いましょう、セネットさんをすべて、認めましょう。

 真剣ムードをぱっと蕩かすくらいにやわくふわふわ微笑んで、はい♪ 爽やかオッケーを伝えましょう。


「分かりました、セネットさんは優しいですね。

 じゃあ世界のことはお仕事の時だけにして、私たちもセネットさんも、

 お体とお心を元気いっぱいにしましょう♪」


 するとセネットさんは目を軽く見開き、ぽかんと意外そうに緩んだ感じの、かわいい呆け顔を見せてくれました。

 あ、かわいいと思うのは失礼かもですね、反省です、でもゆるっとしてくれて良かったです♪


 彼からのお返事はまだですし――とても真面目なお覚悟のかたなので、こちらの穏やかさに戸惑っていらしてるのでしょう――、

 もう少し私の正直を紡ぎます、わくわくする毎日にお誘いします。


「いつも楽しいのを、どうか大切にしましょうね。色んな、自分に合う楽しいで行きたいです♪」


 セネットさんが足を止めたので、私も今は歩かずにまっすぐ立ちます、

 彼の目元は細くきゅっと引き締まり、今までで一番硬く真剣な面持ちですが、そこにはプラスの情動が見えます、

 熱くて潤う気の湧き上がりを懸命に堪えているみたいです。


 ――だからやっぱりハンサムな男のかたです、我慢なんてしなくていいのに、それでも我慢したいのですね。

 彼は律儀な早さで思いを纏めてくれて、ひたむきに温かいお礼をくれました。

 黙して見つめ合ったのは、ほんの一秒足らずの時でした。


「ありがとう。清浄院さんの心遣いを、今より決して忘れないことを誓う」


 私はにっこり笑みを広げて、声も明るく咲かせます。


「はい、こちらこそとっても嬉しいです。

 セネットさん、受け入れてくださってありがとうございます」


「ああ、それは勿論のことだ。

 今の親切は、融通のない私にも直ぐ理解できた」


 と、セネットさんはそこで眉を僅かに下げて、どこか申し訳無さそうに言葉を続けます。


「ただ恥ずかしながら、私は趣味などを楽しむのが少々苦手で、経験が不足しているゆえに、

 慣れるまでにはだろうか、幾分の時間をいただくかもしれない。

 しかしこれは完全に私個人の問題であるから、どうか心配はしないでほしい。

 清浄院さんには――」


 一瞬、声のリズムが止まって彼のほっぺたすらりが桃色に染まり、直後にカチカチの早口が再開されました。


「ああ、いや、清浄院さんたちには、気にせず自由にしてもらいたい、それで構わない。それが良い。

 どうか先に清浄院さん、たちがっ、元気で楽しい日々を送ってくれ、私も最大限助力する、清浄院さんたちに、だ」



 ――どうしましょうかわいいです、素敵です、こんなに格好良い男のかたですが、もうなにがなんでもかわいいです!!

 すっごく抱きしめてあげたくってうずうずします、むずむずのくすぐったさがあったかくて気持ちいいですっ、

 心も体もそれこそ楽しいですし、好きで愛しくてきらきら輝きます、セネットさんも私も周りの景色も!!


 ああ、でも、過激なことはしちゃだめ、でしょうし……もう大丈夫かもですけど、知り合ったばっかりですし……ちょっぴり悲しいです、あと悔しいですっ、だからいじわるしちゃいます♪


 セネットさんの隠したかったこと、琴子からふわりっと♪伝えてあげちゃいます。

 まずは淡く透明に、スマイルの雫から始めましょう。


「ふふっ♪ セネットさんはいつも優しいですね、本当にありがとうございます。

 素敵でもっと見たくなって、もっと知りたくなっちゃいましたから、

 いつか私に、特別扱いの優しさもくださいね。

 お言葉以上に楽しくて、すっごい元気になれるのを、私とあなたで期待してますよ♪

 セネットさんと私で、一緒です♪」


「ぁ。――――」



 ……あら、セネットさんたらカチッと真っ赤っ赤、

 ほっぺたもお耳もセンターパートのおでこも、手指の先まであつあつの朱色です、

 とっても恥ずかしそうに固まっちゃってかわいいです……もっとかわいいですね!


 でも一応お仕事が待っていますし、ちょっと声を掛けてからお背中をさすって、どうにか再起動させてあげましょう。


 さするのもボディタッチ……セクハラかもですが、むしろ許されるまでしたいので。

 琴子も可愛い最強ですし、何よりお互いの想いが向き合ってますから、もう許されるべきですよね、セネットさん?



 ◆◆◆◆◆◆



 私の声掛け確認に対して、セネットさんからのお返事はありませんでしたが、

 まあ沈黙は肯定ということでお背中にタッチすると瞬間にその奥、カッチリなせすじが伸びすぎてピョウと反り返りました、

 相当にびっくりさせちゃったみたいです。


 けれど気が付いた彼は緊張こそあれど怒ることもなく、私が二、三言で出発を促すと落ち着きを静かに取り戻し、

 依然親切丁重なまま、軽いお礼のあとで先導を再開しました。


 そう軽いお礼〝のみ〟でっ、私のいじわるお誘いは保留みたいです、ちょっと……かなり残念ですが、

 セネットさんはお顔のくっきりした彫りに硬さ、優しくも厳格な大人ムードの割にとっても純情なかたですし、

 未だ恥じらいも深くあるのでしょう。


 アンバランスで不思議です、彼って軍の高官さんですし、じゃあ実年齢は結構いってそうですけど、

 ただここは地球と別の世界ですし、人間とは成長速度が異なるとかの不思議な方々も居るかもですから、

 ほら妖精さんとかエルフさんとかです、

 だからひょっとして、セネットさんもすごくお(わか)かったりするのでしょうか?


 気になります。セネットさんの沢山、色々、恋愛経験に現関係如何(いかん)も含めていっそ質問してみましょう、

 あでも、廊下でプライベートを聞くのはさすがに避けたいですね、先程の会話もかなり危うかったです。


 ――あら、じゃあまた不思議です。

 セネットさんほどきちんとしたかたが、どうして廊下なんて開けた場所で危うい会話を始められたのでしょうか、

 彼には大丈夫な確信があったとでも、あッそうです、〝音の範囲を限定〟って言ってたしきっとその通りですね、

 では尋ねるならそこから参りましょう。

 

 セネットさんの生真面目アジアな横顔、微かに桃染め残りし端正を見ながら、やわくもはっきり問いかけます。


「セネットさん、もし音の範囲を限定してくださるなら、

 あなたのプライベートなどをお聞きしてもよろしいでしょうか?

 恥ずかしながらセネットさんに好意と興味がございますので、

 もしもご都合がよろしいならば、どうかお願い致します」


 彼の表情がまたカチリと固まって、頬にまた朱が登ります、そしてそれでも私の方へ、きちんと首を回してくれて、

 緊張の見える瞳も合わせてくれます、夕焼け琥珀が細く揺れててやっぱり純情、初心ですねかわいいですっ。


 答えてくれる声はカクカクしつつも温かで、優しい低さが今もなお素敵です。


「承知した、引き続き私のスキルで音を遮断させてもらう。

 ただ、私としてはその、嬉しくもあるのだが、リップサービスを貰い過ぎるといささか緊張してしまうんだ」


 ――はい? なにを言ってるんでしょうかこのかた、私は好きな人たちに嘘なんてつかないですよ?

 あっ、まだ言ってます! ひどいです、琴子のにこにこ笑顔と明るい声でっ、もう遠慮なく割り込みますっ!


「私は余程だいそれたこと以外は断らないから、気遣いは無用と――」


「セネットさんは、今ご独身でしょうか」


「は……」


 あら、ガチッとびっくり顔。セメントみたいですね、凍った小動物です、キュートすぎてぞくぞくしちゃいます♪


「もしご独身でしたらその上で、お付き合いしている恋人さんはいらっしゃらないでしょうか。

 あと私は今年24歳なのですが、セネットさんのご年齢も知りたいです。

 セネットさんが色恋においてお一人でしたら、お幾つでも私はオッケーです。

 そしてセネットさんが人間じゃなくっても、

 例えば妖精さんみたいな別の種や存在でも私は全然受け入れちゃいます、

 セネットさんをもっと知れるのが、今からとっても楽しみです♪」


「――――」


「だからセネットさんのこと、いっぱい教えてくださいね?」


 彼は黙して驚いてもハンサムなまま、歩調も結晶のように硬く、

 かし、きし、長い脚に高い背丈を律儀に動かし続けてましたが(琴子の歩きはゆったりてくてく、速度の方だけお揃いに、今もずっと楽しいです)、

 琴子がお伝えしてから3、4秒後に赤キャメルの革靴をまたピタリ止めると、意を決したきりりやかな表情で、

 しとやかに低い緊張、微熱のイエスをきっと頑張って返してくれました。


「……分かった。私個人に、不思議だが興味を抱いてくれて嬉しい、あ、いや違う、別だ、不思議とは失言だった、そんなつもりは毛頭ない。清浄院さんの想いや感性は、大切にしたいと決めている」


「はい、こちらも分かります。セネットさんはとっても格好良くて、芯から優しいかたですね」


 私は笑顔をやわくゆるめます、声もふわふわに軽くします。

 どこまでも生真面目なセネットさんがいとしくて、彼にも楽な気持ちでいてほしくって、

 琴子も自然あったかくなれちゃいます♪


 硬めハンサムの頬スッキリに淡い朱差して美しいかわいい彼ですが、

 やっぱり頑張っているのでしょう、もう照れを声に出すことはなく、ぴしっとした誠意をくれました。


「ありがとう。年齢は241歳、完成時から継続して独身で、決まった相手も存在していない。

 ただ、恥ずかしながら社会経験は16年という短さだ。以前の225年間は、ゆえあって身体を封印されていた。

 種族は模造神族、かつて特殊なゴーレムとして製造されるに至った身だ。

 改めてよろしく頼む、清浄院さん」


「ええ、よろしくお願い致します。

 プライベートの質問に答えていただき、誠にありがとうございましたっ♪」


 ――独身でフリー、歳上かつ歳下。よしっ♪ あ、ちょっと声がお空に浮きすぎちゃいました、

 でもセネットさんのそのことを知れてワクワクです、特に独身でフリーのほう、いいですねっ、本ッ当に嬉しい限りです♪


 長年の封印というご不幸は悲しいですが、

 彼がアンバランスに純粋な事情も分かりましたし、かなりすっきりと納得できました。

 封印とかにはこれからも基本触れることなく、慎重で熱く迅速に、お互いの関係を深めていきましょう。


 っと、あら、セネットさんは未だ硬い雰囲気のまま……むしろもっとピシッと真面目になっちゃいましたね、

 さっきの執務室みたいな感じです、じゃあお仕事のお話でしょうか? それはそれでちょっと聞きたいですね♪


 セネットさんがスマートな広いお口から、静かな地熱のお声を紡ぎます。


「ところで、今からの職務について、清浄院さんに相談したいことがある。

 先ほど部屋で、秀でた格闘家との自己紹介を受けた時から期待、いや、軽く考えていたんだが、

 少し……話だけでも聞いてくれないだろうか」


「はい、全然大丈夫ですよ」


 微笑みがふわり浮かびます。セネットさんのお願いでしたら、琴子はきっと、何でもです♪



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