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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

このトラウマ、消えません

作者: 062

続きものを考えるのに疲れたんだ。

少し前に聞いた体験談をもとに作成。




――田村ミキ(21)

私は中学からバレーボールをしていて、高校ではエーススパイカーとして活躍し、大学でもその道を進むことに決めた。バレーをしているときが私にとっての一番幸せな時間だった。でも、そんな私が今、おむつをつけている。

この話を読んでいるあなたには、私と同じ道を歩んでほしくない。だから、私がどんなふうに「普通」を失っていったのか、どうしてここまで来てしまったのかを話すことに決めた。


「中学の違和感」


中学年生の頃、私はすでにバレーボール部で活躍していた。でも、最初に感じた「何か変だな」と思ったのは、まさにその時だった。練習が終わった後、体を動かして疲れているはずなのに、ふと気づくと下着が湿っていることがあった。最初は気のせいだと思っていたけれど、どんどんその頻度が増えていった。

運動をしている最中、特にダッシュしたり、ジャンプしてスパイクを打ったりした時、ほんの少しだけおしっこが漏れてしまうことがあった。でも、そんなことを同級生に話すわけにはいかない。だから「みんなそうだろう」と思い込んで、気づかないふりをしていた。


「高校生での悪化」


高校に進学し、私はますますバレーに打ち込んだ。エーススパイカーとしてチームを引っ張り、試合でも好成績を残していた。しかし、バレーの激しい練習が続くにつれて、尿漏れの症状がますます頻繁になった。最初は運動中に軽く漏れる程度だったが、次第に日常生活にも支障をきたすようになった。

特に問題が顕著になったのは、授業中だった。試験中や長時間の授業が続くと、突然強い尿意に襲われ、我慢できなくなることが増えた。尿意を感じてもすぐにトイレに行けない状況が多く、時にはちょっとした漏れがあった。特に長時間座っているとき、じっとしている間に気づくとパンツが湿っていることがあった。

その症状が進行してきた頃、寝ている間にも尿意を感じることが多くなった。夜中に急にトイレに行きたくなって目を覚ますことがあり、何度もその感覚で目を覚ますようになった。最初はそれで済んでいたけれど、次第に寝ている間に無意識のうちに漏れてしまうことが増えてきた。

ある朝、目を覚ますと、ベッドが少し濡れていることに気づいて、心底焦った。気づいたときには、もう濡れてしまっていた。何度も確認しても、間に合わなかった自分を責めたけれど、その後も状況は改善されることはなく、漏れることがだんだんと増えていった。

それでも、私はそれを隠し続けた。ナプキンを使うようになったものの、昼用では全然足りなくなり、夜用を使うようになった。けれど、それでも完全には漏れを防げるわけではなく、ますます悪化していった。


「大学生編—日常生活の崩壊」


大学に進学してからは、さらに忙しくなり、バレー部を続けながらも学業との両立に追われる日々が続いた。しかし、そんな中でも尿漏れは確実に悪化していた。

授業中、講義に集中していると突然、尿意を感じて焦ることが増えた。授業が長いと、集中している最中に漏れそうになることが何度もあった。最初は気づかれないように隠し通していたけれど、そのうちトイレに行けずに漏らしてしまうことが増えていった。

寝ている間にも尿意が訪れ、最初は夜中にトイレに行くことでなんとかしのいでいたけれど、日々の悪化によりそれができなくなっていった。もう、寝ている間に漏れてしまうことが日常的になった。毎晩、ベッドに寝転ぶたびに、おむつを着ける準備をしている自分に気づくと、本当に悲しくなる。


「最悪の試合」


大学3年の秋、大事な試合の日が来た。観客席には友達や家族がいて、私は負けられない試合だと思っていた。でも、試合の後半、急に尿意を感じた。さっきトイレに行ったばかりだったのに、突然来る尿意に焦った。

でも、そのままプレーを続けることに決めた。「なんとかなる」と思っていた。でも、試合の最終盤、私が床に飛び込んでスパイクを受け止めたその瞬間――

「ジュワーーーッ」

今までの尿漏れとは比べ物にならないくらい、一気に漏れてしまった。試合中、ユニフォームが黒だったからバレなかったけど、コートの上には私が漏らした液体が広がっていた。

その瞬間、観客席からスマホのシャッター音が鳴り響いた。誰かが私の失敗を見逃さず、写真を撮っていたんだ。そして、試合が終わると、その写真がSNSにアップされていた。すぐに拡散され、私の姿がネット上で広まり、コメントやタグが溢れていた。私が恥ずかしさに顔を覆う中、スクリーンに映る自分がまるで他人のように感じた。

その後、試合は一時中断され、私は一歩も動けなくなった。観客席のざわめき、チームメイトの顔、審判の反応。それらすべてが一瞬で私を追い詰めた。


「放置していたツケが回ってきた」


その試合を境に、私はバレーを辞める決断をした。でも、それが私の人生の終わりではなかった。問題は、バレーを辞めた後も続いた。

日常生活でも、尿漏れはますますひどくなった。駅のホームで立っているときに急に尿意を感じ、間に合わない。授業中にじわっと漏れてしまい、トイレに急いで行くことが増えた。寝ている間にも尿意が訪れて、ベッドが濡れることがあった。もう、普通に寝ることすらできなくなった。

その後、病院に行くと、医者はこう言った。「骨盤底筋が完全に弱っています。今は、尿漏れを抑えるためにおむつを使う必要があるかもしれません」と。

医者の言葉を聞いて、私はようやく自分の症状がどれほど深刻だったのかを理解した。最初の「ちょっとした漏れ」を放置した結果、私は今、毎日おむつをつけている

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