表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/135

075 宮殿探検隊2

「それで? 手がかりはあるの?」


トールの質問に言葉に詰まる。


「うっ。……それが……大爺様の残滓を探すくらいしか思いつかなくて」

「何も情報がないのに探せなんて、あの精霊たちは図々しいんだね」

「……トール、言葉に気をつけて」


注意したらツーンと横を向いてしまった。弟よ。


「とりあえず、この部屋を探るペアと、宮殿の中の残滓を探すペアの二組に別れようか」

「はーい!」

「オレは誰と組めば良いんだ?」

「ぼくとアリスで宮殿を探るから、ヴィーは兄さんを頼むよ」


おい待て、その言い方は俺が面倒を見られるみたいじゃないか。


「わかったぞ」

「兄さんがムチャしないように見張っててね」

「おう! しっかり見張っててやるぜ」


……みたいじゃなくて、本当に面倒見られる側だった(涙


「そんな心配しなくても大丈夫だよ」

「兄さんの大丈夫は信用できない。隠れ里に行ったときも倒れたってヴィーから聞いてるからね」

「ヴィー!」


内緒だって言ったのに!

軽く睨んだら気まずそうにトールの後ろに隠れてしまった。

まったく、口が軽いんだから。

でも……俺はそんなに心配させてたのか。

今後は気をつけよう。




二手に分かれた俺達はそれぞれ宮殿内を調べることにした。

俺とヴィーはこの部屋に怪しい所がないかを探す。


壁や天井付近を飛び回るヴィーを横目に、俺はこっそり時渡りの瞳を発動。

部屋全体を見渡すと、子どもの姿の大爺様が浮かび上がった。

ここが大爺様の部屋だと聞いた時から感じていたけれど、活動拠点はこことは別にあるんじゃないかな。

この部屋は子供部屋にしてはシンプルすぎる。


時間の流れをコントロールして見てみたが、彼は夜寝て、太陽と共に起きて、食事して、すぐに出かけてしまう。

そんな日が頻繁にあるものだから、その活動拠点がどこなのかを探さないといけないようだ。

おそらくそこが隠し部屋なのだろう。


「ヴィー、俺達も外に探しに行ってみようか?」

「う〜〜〜〜ん。ちょっと待って」

「何か気になるものでもあった?」

「ここ。なぁんか気になるんだよな」


先ほど解除した時渡りの瞳を再び発動。

ここは精霊の森というだけあって精霊力が溢れている。

いつもは負荷を感じるこの力も、今日は不思議と軽く感じるしコントロールもしやすい。



ヴィーが指した天井近くの壁を視て俺は言葉を失う。

かつて、そこには大きな魔法陣があったのだ。

成人男性がすっぽりと収まりそうな大きさだ。


これは何の陣だろう……時間、空間……場所……?


形から読み取れた情報はそれだけ。

大爺様に教わった魔法陣の中に該当するものは記憶がない。

あまり使われた様子もなさそうだ。

でも、これだけの大きさだからかなりの量の魔力を必要とするはず。

きっと特殊な魔法だと思う……あっもしかして転移かな!?

転移門の陣に似ている気がする!


けれど現在はその魔法陣は消されてしまっている。

瞳を解除した俺の目の前にあるのはただの壁だ。

おそらく大爺様は森を出る前に魔法陣を消去したのだろう。



あの魔法陣は一体どこへ繋がっているのか。

隠し部屋なのか、それとも違うどこかなのか。

転移先をどうやって探したらよいのやら……今の俺には皆目検討もつかない。

いつも読んでいただきありがとうございます!

少しでも面白いと思いましたら、ブクマ登録や評価、リアクションなどよろしくお願いします。

もしポチッと押して頂けたら嬉しくて更新もはかどります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ