074 宮殿探検隊1
『ルーヴィッヒが以前使っていた隠し部屋を探して出してほしい』とシルヴァは言っていた。
おまけに200年も経つのに未だに誰も見つけられないだと。
この精霊の森の住人たちが見つけられない隠し部屋を、どうして俺が見つけられると思っているんだか。
いやいや、無理でしょ。
まず宮殿の中がわからない。
この森の地理もわからない。
大爺様がこの森を出てから200年以上経ってるし。
さすがに残滓も薄れているんじゃ……
そこで思い出す。
……そういえば大爺様は時の大精霊だった。
もしかしたら隠し部屋の中だけ時間を止めているかも。
頭を抱えて深く息を吐く。
はあぁぁぁぁぁ……
「どうしたの兄さん、夜は眠れなかった?」
「いや、大丈夫だ。トールはよく眠れたか?」
「不思議なほどグッスリ眠れたよ。この部屋は居心地が良いね」
「ここは大爺様が子供の頃に使っていた部屋らしいよ」
「そうなんだ。いつのまにそんな話を聞いたの?」
「……あ〜〜⋯」
トールは意外とするどいなぁ。
「実は昨夜ーーみんなが寝ている間に、光の大精霊と森の精霊が来たんだよね」
「森の精霊って、もしかして昨日、最初に案内してくれた?」
「そう、彼だよ」
「あいつが一体なんの用で?」
「ちょっと頼みがあると言われたんだ」
「頼みって?」
「〜〜あーえーっと」
「……兄さん」
「ああ。うん、あまり簡単には言えないんだ」
「昨日のあの態度には腹が立ってたんだよね。頼み事なんて聞かなくていいんじゃない」
「そうはいかないよ」
「なんで?」
「その、こうやってお世話になっているわけだし」
「この宮殿の主ならともかく、森の精霊は下っ端でしょ?」
「ん”んっ」
ーー弟よ、言い方!
「大爺様もかかわることなんだ」
「隠れ里の報告なら精霊王様に話すでしょ」
「それとは別件なんだ」
「別件とは?」
「あ〜〜ん〜〜〜〜」
「教えてよ。僕らが手伝えることかもしれないし」
「……そうか、そうだよ! 皆で探したほうが見つかりそうだ!」
笑顔になったレオンに対して、トールは嫌な予感に顔を歪めた。
「ただいまぁ。宮殿の探検、面白かったよー!」
「まだ半分も回れてないから後でまた遊びにいくぞぉ」
部屋の外に行っていたアリスとヴィーが戻ってきた。
探検か……ちょうど良いじゃないか。
詳しい話は説明しなくても、探検ごっこのついでに探してもらえれば良い。
「あのさ、大爺様が子供の頃に使っていた隠し部屋を探したいんだけど、皆手伝ってくれるかい?」
「なにそれっ面白そう!!」
「兄さんの悩みはそれ? わかった、皆で探そう」
「オレ達にまかせろ! 宮殿探検隊の結成だぜ!」
遊びじゃないんだけどな……
まぁ、やる気があるんだから良いか。
頼りにさせてもらおう。
気合の拳を振り回すアリス達にレオンは苦笑いするのだった。
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◯修正しました
1000年以上 → 200年
寝ぼけてたようですみません(涙




