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073 大精霊達の頼みごと

ドアを開けると、そこには光の大精霊(シエル)と、森に来たときに案内してくれた精霊が立っていた。

この緑のオーラの精霊、不満が顔に出ているわりに何か伝えたいような素振りも見えたから気になっていたのだ。


『遅い時間にすみません。起きていましたか?』

「はい、大丈夫です」

『良かった。話があるのですが、ここではなんですから緑の()へ行きましょう』

「それはかまいませんが……」


寝ているみんなが心配だというと、ドアの前に見守り役の精霊をつけてくれた。

まだ若い精霊なのか光の球体である。

「少しの間だけ、よろしくね」というとクルクル回って「お任せください」と答えた。

話せる精霊か。人型に進化するまでもう少しなのだろう。



『では、こちらへ』

シエルは回廊をぐるっとまわった場所にある部屋に案内してくれた。

この宮殿は中庭を囲むように通路があり、それぞれの大精霊の部屋が並んでいるようだ。

仲間と共有して使う者もいれば、研究部屋にしている者もいる。

遠い地に住んでいる精霊たちの多くはこの森に来た時の宿舎として使っているらしい。


まもなく辿り着いた部屋は、まさに「緑の間」。

空間魔法で広げられた室内には春の日差しのような陽光が降り注ぎ、生き生きとした緑が茂っている。木々の根本には様々な花が咲いており、色鮮やかなそれらは力強い生命力を感じさせた。


「……すごい、流石は緑の間ですね」

『私は森の精霊(シルヴァ)だ。他の精霊にも協力してもらって自分が一番居心地の良い部屋を作ったのだ』

「俺も好きです、こういう部屋。山育ちなので!」


目を輝かせるレオンを相手に、森の精霊(シルヴァ)はバツが悪そうに顔を背けた。

そこで間を取り持つように話を振る光の大精霊(シエル)


『あなた達が使っている部屋は「時の()」です。ルーヴィッヒが使用していた部屋をそのままにしてたのですよ』


「どうりで居心地が良いと思いました。大爺様の部屋の空気に似ています」

『彼が時を司る大精霊だったことは知っていましたか?』

「いえ、はっきり聞いたことはないです……でも、なんとなくそんな気がしていました」


『そうですか』


シエルは少し困ったように、小さく、ふ、と笑った。




『なら話は早いな』


それまで不機嫌そうだったシルヴァがちょっと意地悪そうに笑う。


『気づいているとは思うが、お前たちは歓迎されていない。災いを呼び込んだルーヴィッヒの子孫というだけで排除対象だ。早めに出て行ってもらいたい』


ーー災を呼び込んだ!? 大爺様が?

どういうことだろう……でも、早めに出たほうが良いのは間違いなさそうだ。


「あの……心配しなくても精霊王様にご挨拶したらすぐに出ていきますので……」



『まぁ待て。森を出ていく前に頼みたいことがある』


「頼みですか?」


『ああ……ルーヴィッヒが以前使っていた隠し部屋を探して出してほしい』


「大爺様の隠し部屋ですか?」


『そうだ。隠蔽魔法で隠されているようだが、あいつの気配がわかるなら見つけられる確率も高いだろう』


『あの子が森を離れて200年も経つのに、未だに誰も見つけられないのですよ』

いつも読んでいただきありがとうございます!

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◯修正しました

1000年以上 → 200年

寝ぼけてたようですみません(涙

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