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039 カーディナル王国へ

〈これまでのあらすじ〉

レオンハルトたちは隣国カーディナル王国内へ行ったまま連絡がとれなくなってしまった父を救出するため、元聖女モニカやエルフ族と共闘することとなった。悪魔の結界が覆う王国は洗脳状態にあることが判明、錬金術の村では結界を破るための魔道具開発を進めていた。

カーディナル王国の王都を見下ろす聖山の麓近く。

エルフたちはそこに陣を構えていた。


「すみません、遅くなりました」

顔先にある枝をどけながら葉陰から声をかけると、こちらに気づいたヘンリが振り返った。


「待ってたぞレオン。例の魔道具は完成したのか?」

「ああ、これで結界を壊すことができるはずだ」

「ならさっさと壊しちまえばいいのによ〜」

「悪魔に気づかれると面倒だから。ギリギリまで使うタイミングを待つって作戦でも言ってただろ」

「だけどさぁ」

「大丈夫。みんなのことも信頼してる」


「レオンハルト殿、辺境伯側のほうも準備が整ったようです」

「ああ、ありがとう」


ぶちぶち不満を言うヘンリに困った顔をしていたら他のエルフが声をかけてくれた。

地上隊がそろそろ移動するからと、そのまま申し送りに参加する。



作戦をざっくりまとめるとこうだ。

辺境伯軍と合流したモニカ嬢達は騎馬で王都を目指す。

そちらは王国騎士団が応戦するだろう。城が手薄になることを予想してエルフの地上隊が突入。

城の制圧に動くと共に、神殿にも別動隊が乗り込んで悪魔と繋がりがあるらしい新聖女を確保。

城と神殿で突入隊が動いている間に、飛行隊は空から王宮に向かう。

例の魔道具で呪いの結界が壊れたら俺も一緒に飛んで行く予定だ。


王宮にいるらしい父の救出が第一目標だが、悪魔の妨害も危惧されるため、こちらは魔法操作が得意な者が中心となっている。

悪魔は得体が知れないから接近戦は避けようという話になったのだ。

相手の力量がはっきりと分からないので魔道具もいろいろ用意してある。

魔力を底上げするもの、防御特化のもの、状態異常を無効にするものなど。

どれだけ準備すれば良いのか分からなくてマジックバックに詰め込めるだけ入れてきた。



ヘンリはちょっと気が短いから早く王国に仕掛けたいようだけれど、大爺様ですら警戒していた悪魔が相手だ。慎重に事を進めなければならない。

きっと悪魔はこの国のどこかに身を潜めているだろう。

眼下に広がる王都を睨み、俺は改めて決意を固くする。


□□□


その頃、王国騎士団の本部はにわかに騒がしくなっていた。


「ローゼンドルフ辺境伯が謀反を起こしたというのは本当か!?」

「トルナード殿下が一方的にアシュリー嬢に婚約破棄を突きつけたから怒りを買ったんじゃないか?」

「それが、リオニダス副団長と行動を共にしているようです」

「王家への恨みというわけではなさそうだが……他に情報はないのか?」

「半年前に国外追放されたモニカ元聖女も同行しているのが目撃されております!」


ーー東の守護柱と呼ばれる辺境伯、公爵家のリオニダス、冤罪で追放された元聖女。

彼らが手を組んだら国を起こせるレベルではないか。

もしかして本当に謀反を!?

いや、彼らがそんな愚かな事を考えるはずがない。


王家に仇なす者は例外なく極刑だ。

騎士団で共に過ごし切磋琢磨したリオニダスや、王家の信頼が厚い辺境伯閣下を疑いたくない気持ちもある。

必ず目的があるはずだ。

最近の王国内の違和感に関係あるのだろうか。

それが明確になるまで持ちこたえたいところだが……


王国騎士団の団長は苦慮していたが、王城からの命で王国軍とともに王都城壁の外で辺境伯軍を待ち構えることとなった。


□□□


一方、辺境伯側も王都に向けて進軍していた。

辺境伯閣下が先頭を進むのは様々な状況を考慮してのこと。

そして彼の背には槍型の浄化魔道具。

不穏な魔力を浄化しながら王都へ向かって進む。


軍の後方にはリオニダスやモニカ達の姿もあった。

リオニダスには閣下から言い渡された最重要な任務もある。


「アシュリー、疲れていないかい? ここまでの遠乗りは初めてなんだろう?」

「大丈夫よリオ。馬に乗るのは久しぶりだけど、ちゃんと身体が覚えていたし問題ないわ」

「そうか……何かあったらすぐに言うんだよ?」

「ええ、ありがとう」


そう、リオニダスの最重要任務は辺境伯閣下の愛娘・アシュリー嬢を守ることである。

本当は領地で待っていてほしかったのだが、どうしても連れて行ってと懇願されたのだ。


「それにしても淑女の鏡みたいなアシュリー様が馬に乗れたなんてビックリしました!」

「まぁ、モニカったら。私は淑女というよりお転婆だったのよ。だって子供の頃は辺境伯領の山で遊んでいたんですもの」

「そうなんですね! 公式の場でしかお会いすることがなかったから気づきませんでした」

「神殿に行くときは私も気を張っていたのよ」

「なんか親近感が湧いて嬉しいです〜!」


和やかな2人の会話にリオニダスも釣られて笑みが漏れる。


ーーアシュリーがお転婆だったなんて、トルナード殿下も知らないだろうな。


元婚約者も知らないであろうアシュリーの姿に、リオニダスは少しだけ優越感に浸った。


ーー今まで我慢してきた彼女が自分らしくいられるよう支えてあげたい。


そのためにも早く王国の平和を取り戻さなくてはと決意する。




アシュリーが国境を出てから数週間。

エルフ族と辺境伯軍 vs カーディナル王国の図式が整い、悪魔の陰謀に巻き込まれた争いがもうすぐ開戦しようとしていた。

いつも読んでいただきありがとうございます!

お待たせしてすみません、第四章スタートしました。

本日はもう一本、17時半にも投稿予約しておりますので宜しくお願いします。


少しでも面白いと思いましたら、ブクマ登録や評価、リアクションなど頂けると嬉しいです。執筆の励みになりますのでよろしくお願いします。

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