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114 海上の戦い2

ゆっくり船の角度を変えて大砲をこちらに向けてくる船が2隻。


ーーなんてことだ! どっちも海賊船じゃないか!


風魔法で声を拾えば、どうやら縄張り争いをしていたらしい。

面倒くさいところに出くわしてしまったのだ。

今からでも操縦を手動に切り替えてみようかと思ったが、切り替え方も操縦の仕方もわからない。とりあえずやってみることもできるが、もしも自動運航に戻せなかったら最悪だ。

光の大精霊(シエル)からは「結界から出てはいけないよ」としか言われていないしなぁ。


……あ、そういえばイカを切る時に少しだけ結界から出たか。もしかして、この状況は俺が原因だったりする……?


「あああーーもう!!!」


俺は自分の失態に気づき、頭を抱えて叫んだ。

こうなってしまったからには仕方がない。

出来ることをやるしかない。

まずは、あの大砲をどうにかする。


大砲って火薬だよな。

水に濡れたらなんとかなるだろうか。

水魔法を思いっきり飛ばしてみたが、この距離では届いても威力が落ちてしまう。


何か方法は……そうだ!


俺は髪をひとすくいして剣で切り、その髪を海に撒いた。

髪には魔力が宿っている。

それを媒介にし、魔法で水馬を作った。

海に落ちた髪の毛の数だけ姿を現した水馬。


ーーこれだけいたら騎馬隊のようだな。


水の騎馬隊は海面を滑るように駆けて海賊船へと向かって行く。


激しく揺れる海面。

高い波と白い水しぶき。


騎馬隊は走りながらも海水をぐんぐん吸収し、敵地へ着く頃には三倍ほどの大きさになっていた。

そのまま海賊船を強襲して船員を押し流し、船の中も、大砲の中も水浸しにした。


ーーこれでしばらくは撃てないだろう。




ほっとしたところで結界への衝撃を感じた。


海面を見下ろすと小舟から投げ出された海賊たちが悪あがきしている。

さすが泳ぐのは得意らしいが、結界の中に入れなくて腹を立てているようだ。


「アニキ! ここから先には行けないみだいだ。剣で叩いても入れねぇ」

「結界か……こしゃくな。おい、魔術師はいるか! 後ろの船に乗せていただろ」

「さっき溺れそうになってたんでジャックが手を貸しに行ってます」

「生きてるんだな? だったらこの結界をどうにかしろと伝えろ!」

「へっへいー!」


小舟のリーダーらしき男のしゃがれ声が辺りに響く。

どうやら魔術師がいるらしい。


ーー精霊の結界が簡単に破られるとは思えないけれど、万が一ってこともあるし……何か対策を考えなくては。

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