表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/135

111 幽霊船の物語

トールが手にした「南の島の幽霊船」の物語、これが一番ヒントに近い気がした。


■■■


未踏地を探して開拓するため、船で旅をしていた主人公たち。

南の小さな島に立ち寄り、住人たちと仲良くなったのだが……実は彼らは海賊だった。仲良く酒を飲み交わして油断していたところを襲われそうになった主人公たち。

彼らは慌てて船を出す。

船には護衛も乗っていたが、海の戦いに慣れている海賊に苦戦していた。船上で争っている中、主人公は海に投げ出されてしまう。


気がつくと主人公は船の上にいた。

幽霊船に助けられたのだ。

元の船に帰ることも出来ず、そのまま幽霊船の乗員になった主人公。その船は時間軸を超えていろんな次代の海を旅していた。遥か昔の海、見たこともない景色の海。

幽霊船の乗組員達は気の良い奴らが多く、主人公は時間とともに打ち解けていたが、海賊の件もあって心から信じることはできなかった。

心の中では孤独にかられていた主人公。


その気持ちを察してか、幽霊船は元の時間まで主人公を送り届けてくれた。

目の前には船を守るため戦っているかつての仲間達。

助けに行きたい。

だがここで幽霊船を降りれば、共に時を超えて旅をした友人達と分かれることになる。


主人公は悩んだ。

どちらも大切な仲間だと気づいた。

どちらも失いたくないと涙した。


すると幽霊船は仲間達に加勢し海賊団を退けてくれたのだ。

友の仲間は我らの仲間。

友情を再確認した彼らは肩を抱き合った。

いつでも、どこでも、どんな時代でも、姿は見えなくとも友情は続く。

そう言い残して幽霊船は南の海に消えて行った。


■■■


「友のため、仲間のため……か」

「情に厚い幽霊船」

「情も何も、さっきすれ違っただけなんだが。どうしたら良いんだろうね?」

「……次の本、読んでみるよ」


残りは「黒い森の賢者」である。

トールが読んでくれるというので、俺はアリスとヴィーの様子を見に来た。

アリスは椅子に座って膝の上に本を乗せて読んでいる。

ヴィーは、流石に鳥型では本がめくれないので子ザルの姿だ。床に本を広げて読んでいる。


「ふたりとも、本はどうだい?」


「レオン(にぃ)、海とは関係ないけど面白いよ」

「小さな貴婦人と旅人、だっけ」

「うん。小人の国に迷い込んだ旅人が貴婦人と友達になる話なの」


ーーこれも昔話っぽい物語なのかな。


「アニキ、こっちも面白いぜ。仮面の勇者、参上! とう!!」


ーーあ、勇者ごっこが始まってしまう。だめだ。


「面白いのは良かったけど、今はこの異空間から脱出する方法を探さないと」


「レオン(にぃ)、貴婦人はね、外の世界のお菓子を主人公にもらった御礼に宝物を渡したんだよ。その宝物のおかげで小人の国から脱出できたの」


ーー宝物か。空飛ぶ怪魚のウロコと似ている展開だな……

いつも読んでいただきありがとうございます!

少しでも面白いと思いましたら、ブクマ登録や評価、リアクションなどよろしくお願いします。

もしポチッと押して頂けたら嬉しくて更新もはかどります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ