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104 海原の影

「ヒマだ」

「ヒマだねー」

「どうする?」

「なにする?」

「なにしよう?」

「んー……じゃあ」


船も2日目ともなるとお子様たちは飽きてしまったらしい。

スペースが限られているからあまり体を動かすこともできないし、勉強でもするかと聞いたら拒否された。

里にいた頃ならこの時間は教本を開いて勉強中だったはずなのだけど。


トールと一緒に食事の下準備をしながらアリス達の会話に耳を傾ける。

やることがなくなった二人はどうやらしりとりを始めたらしい。


「じゃあ最初は、ふね!」

「ねばた漬け!」

「けだま」

「まき寿司」

「しろっぷ」

「ぷちの実」


昔、異世界人が広めたという言葉遊びは何もない時に便利だ。

それにしてもヴィーは食べ物ばかりだな。


……みみ、みんと、とびら、らざにあ、あめ、め……め……め!


ーー食べ物を諦めたな。


……めがね、ねりだんご、ごてんさんご、ごしょくだま、まほう、うみたまご、ご……ご?


ーー頑張れー。いっぱいあるぞ。


「ご……ご……」


ーーご馳走とか、豪華とか、合成とか。



心の中でアリスを応援していた時、何かが気配察知に引っかかった。

トールの索敵にも引っかかったらしく、こちらに目線で合図してきた。


調理の途中だが、一旦マジックバックにしまって剣を取り出す。


同じくトールも背丈ほどある大杖を取り出して構えた。


それを見て察したヴィーはアリスの右肩へ。


アリスも視力強化の魔法で周囲を警戒した。



空は高く、海も穏やか。

この広い青に異常は見られない。


けれど船の下、波に揺れる海面の奥にうっすら見える黒い影。

その巨大な影はこの船をすっぽり覆ってしまいそうな大きさだ。


いくらこの船が強化され結界も張ってあるとはいえ、大丈夫なのかこれ!?


不安を抱えながらも臨戦態勢。

各自、身体強化をかけて浮上してくる影に備える。



徐々に盛り上がる海面。


大きく揺れる船体。


海面から伸びてくる茶褐色の触手。


激しい揺れに小さな悲鳴を上げながらも踏ん張る弟妹。


やがて海面から姿を現した巨大イカは、結界ごと船を海底に引きずり込もうと巻き付いてくる。



このままじゃなずいな。

どうやって撃退してやろうか。

いつも読んでいただきありがとうございます!

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