表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/135

092 蜃気楼×時渡り

川の流れに精霊力を乗せて、水の流れにまかせればどこまでも流れていくだろう。


精霊力は自身の一部だ。


水と共に流れた先の景色を、出来事を、彼は蜃気楼を通して見ていた。

流石に限界もあるのか、海の先は途中で力が薄れてしまっていたけれど。


なんでそんなことが分かるのかって?


そんなの、彼が見たものが勝手に頭の中に流れ込んでくるからだよ。


なんだよこれ。


こんなの、聞いてない。





ふ……と目を開けると、心配そうに覗き込んでいる弟妹たちの顔が目の前にあった。


「あれ……?」


「アニキーー!!」

「良かった〜!」


涙目になってくっついてくるヴィーとアリス。

トールも心底ほっとしたようにこちらを見つめている。


『おかげんはいかがですか?』


シエルも心配そうな声。

周りを見渡すと、どうやら俺は敷物の上に寝かせられているようだ。


「すみません、俺……倒れたんですか?」

『ええ。ちゃんと精霊力を使えるようなので油断していました。すみません』

「いえ、何がどうなったのか……」


『レオンハルトは力に目覚めたばかりだったのですね。まだ身体に馴染んでいない者は強い精霊力の影響を受けることがあるのです』


「そうだったんですか……」


精霊力については大爺様から教わっていないからなぁ。


『まだ昼ですから、もう少し休んでいて大丈夫ですよ。』

「ありがとうございます。弁当があるので先にみんなで食べてください」

『そういえばあなた達は食事が必要なんでしたね。うっかりしていました』


あ、そうか。純粋な精霊は食べないのか。

自分達は違う存在なのだと感じて、少しだけ寂しくなる。


横になっている俺の隣で食事を始めた弟妹達。

一緒に食べられなくて申し訳い。


けれど、一気に流れ込んできた情報に頭が追い付いていないから、少しだけ休ませてほしい。


この場にあった残滓に自分の精霊力が同調してしまったのだろう。


蜃気楼×時渡り。


かなり遠い過去まで視えた。


いや、視えてしまった。



大爺様の過去も、先代の光の大精霊(リュシー)の思いも。

いつも読んでいただきありがとうございます!

少しでも面白いと思いましたら、ブクマ登録や評価、リアクションなどよろしくお願いします。

もしポチッと押して頂けたら嬉しくて更新もはかどります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ