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090 精霊王子と漆黒の姫4

『……ぼくには、そんな資格はないんだよ』


少年姿のルーヴィッヒは、たしかにそうつぶやいた。



ーーどういう意味だろう?


大爺様は大精霊になったはずだ。

資格がどうとかいうのは、解決したのかな?




一旦、精霊族の慣習を整理してみよう。

精霊は自然物などに宿って誕生すると言われている。

実体を持てるのは上位精霊以上。

気に入った他種族に加護を与えることがある。


・精霊>一般的な精霊は光の粒子。

・上位精霊>キノコや花など、属性に沿った姿になれる。

・高位精霊>上位より更に上。高位精霊は人型にもなれる。

・大精霊>高位精霊の中でも、特別な精霊のみが進化できる。

・精霊王>精霊族の王様。



大爺様は異世界人の魔法の影響で生まれたと聞いた。

精霊王様が認めているのだから間違いない。


今まで見聞きしたことを振り返ってみても「資格」が何のことなのか分からない。


『もうすぐ大精霊になるのだろう』と言った光の大精霊(リュシー)

最後に『では何故、精霊王子の称号を受け取ろうとしない』と。


大精霊になれば2人は同じ立場となるけれど。

「精霊王子」とは……おそらく次代の精霊王になるということ。

人間の国の「王太子」と同じだろう。

どう考えても精霊王子は精霊王に次ぐ地位。


それを大爺様は辞退していたことになる。



それに光の大精霊(リュシー)は、この時点では大爺様が次代の王となることに反対はしていなかった。

魔族の姫と繋がっていることに不満があるようだったけど。

大爺様はどうして精霊王子を辞退したんだろう。



ーーシノン婆様がとても大切で、害されることを恐れて辞退していた?


たしかに、俺もフィンの身に危険が迫るようなら王子になんてなりたくない。


けれど……あの責任感が強い大爺様が、それだけで責任を投げ出すだろうか。




あれこれベットの上で考えていたら、いつの間にか寝てしまっていた。

眩しい太陽の光と騒がしい弟妹の声で目が覚める。

けれど見慣れない天井が視界に入って少し混乱。

こういうの、前にもあったな。


「おはよう、朝からケンカしないでくれよ」

「ケンカじゃないぞ」

「そうよ、ケンカじゃなくて相談してたんだもん」

「アニキはどっちに行く?」

「話が見えないんだけど」


「えっとね、今日行く場所をどっちにするか話してたの」

「昨日影を見つけた南の島と、先代の光の精霊がよく行っていた水源、どっちも案内してもらえるみたいだよ」

「なぁなぁ、アニキはどっちに行きたい?」


……そんなの、どっちも行きたいに決まっているじゃないか。

いつも読んでいただきありがとうございます!

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