第34話 目覚める薔薇色の宝石
ほんのり、
少しずつ、
眠気が消えてきた。
体が暖かく感じた。
...なんでこんな眠いんだっけ?
なんで眠っていたのだっけ?
まあいいや、
『おはよー...ございましゅ。』
『うん、またおはよう。』
...起きたらまた知らない精霊がいた。
見回すとどこかの知らない建物。
ウチにそっくり...なのかな。
顔は似てないけど何かそっくり。
とりあえず顔を触ってみます。
『む...どしたの。』
もちもち。
プルプル。
『あー...んー...ウチに似てる。』
『我はディバイン・アクアの精霊だ。お前と同じ宝石の精霊だ、ディバイン・ロゼ。』
『んー...ウチはね...ローザ。』
『我はエクアだ、初めまして。』
『初めまして。』
とりあえず手を触ってみる。
ふにふに。
『...どしたの。』
『...綺麗で柔らかい。』
『そう...。ところでローザ、君はどうしてこんな所にいる?本体はどこだ?』
『んー...ウチはー...思い出せない。』
『そうか...なら、』
『でも...、』
『?』
『...逃げてたなぁ。』
『...何からだ?』
『なんかねぇ...凄く強そうなのからかな?』
『強そうなの?』
『...思い出せるのはここまでかな。』
『そうか...。』
何かあったのは思い出せます。
でも誰だったのかな。
『...そうだローザ、君にこれは使えるかな。』
んー..これって、ウチと同じ宝石?
でも...ウチの体じゃない。
『我の恩人が持っていた君の本体とは別のディバイン・ロゼだ。もしかしたら今の君に役に立つのではと質の良いのをいくつかくれた。』
『わー...んー...うん。』
『ん?』
なんて綺麗。
これを集められるなんて化け物だ。
うーん。
これなら今は起きていられるかな。
(やはり、同質の宝石は取り込められるのか。)
『ん、これでよし。』
ローザの破片はエクアが持っていたディバイン・ロゼを吸収、破片から5cm程の楕円球状の宝石になった。
『...なんかスッキリ目覚めたー。』
『そうか...じゃ、ちょっと外を歩こうか。何かわかるかもしれない。』
『いいよー。』
ーーーーー
『わあー、綺麗な花。』
『冬でもこれだけの花は咲くのだな...初めて知った。』
『んー?エクアは知らなかったの?』
『我もここに来たのは初めてだ。』
『そっかー。』
宿の外に出た2人(人...?)。
少し歩くと桃色の花畑が広がっていた。
花の都ブルーム。
花畑を含めた面積はヴァサールよりも大きな街で、帝国3大都市の1つらしい。
かつてこの地は戦乱により荒野と成り果てそれは酷い光景だったのを当時の帝が悲しみ、花を植えその地に命を取り戻していった。
それがきっかけでブルームは花を愛し守る都になっていったという。
『...そういえばー、君の恩人ってどんな人?』
『名をエイトと言ってな、我ら宝石の力を引き出し操る魔法使いだ。普段は宝石商として動いてるそうだ。』
『ほほう。』
『言っておくが我らより強いぞ。』
『ほぇー、化け物だねぇ。どんな人?』
『そうだな、外見は我らと大して変わらない少年だ。』
『少年...?子どもなんだ。』
『そう、あんな感じの...。』
『へぇ...あれ本人じゃない?』
『そうだな。』
『女の子っぽいけど確かに少年だー。』
「え?」
え、何急に?
めっちゃほっぺ触ってくるんだけど。
「...あれ、もしかしてディバイン・ロゼの。」
『そうだ。そっちの要件は済んだの?』
「はい。とりあえず街を散策しようと思います。」
『なら、我らも同行させてくれ。エイトの言っていた襲撃者が気になる。』
「わかりました。」
ぐぅー。
「?」
『んー...お腹空いた。』
「え、精霊って食事するの?」
『出来るが普通は必要ない。多分ローザは魔力エネルギー不足をその様に感じ取っているのだろう。おそらくエイトがくれたディバイン・ロゼでなまじ力を取り戻した影響だろう。』
『ぐぅー。』
『何故口で言う。』
ローザって言うのか、ディバイン・ロゼの大精霊は。
「そうですね、向こうに行きましょう。近場でも飲食店ならいくつかあるでしょう。僕も用事を済ませたばかりなのでお腹が空いているのですよ。」
ちなみに精霊術師は精霊を連れて歩く事があるので別に御二方を連れてるのは気にする事ではない...ゲーム...いや普通なら。
「ねぇ...あれ。」
「綺麗...!」
「精霊術師か?」
「わぁー。」
...しまった、ゲームじゃエクア様達くらいの精霊連れた精霊術師系譜はいくらでもいたから何も気にしてはいなかった。
ヴァサールでも精霊連れた冒険者はいたけどエクア様に比べたら格下だ。
少なくとも御二方は外見だけで高位ってわかる。
「ご...ご注文はいかがいたしましょう?」
「あはは...そうですね。」
『我はこれとコレとそれとソッチ。』
「え。」
『ウチはねぇ、これこれこれこれとこーれ。』
「ええ!?あ、僕はAセットで。」
「き...君...お金大丈夫?」
「ああ、大丈夫ですよ。」
「は、はぁ。かしこまりました...。」
所持金は超余裕でこの店を買えるくらいはある、いや気になるのはそこじゃない。
「...エクア様もお腹空いてたの?」
『いや...興味が。』
「あ...そうですか。」
...エクア様、ヨダレ出てます。




