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ジュエルソーサラー、転生宝石商  作者: 亜土しゅうや
水の街、宝石はここに
23/36

第23話 幹部登場...?:死霊魔術師

 「...ふむ、急ぎと言うのはこの残党狩りの事だったのかい。」

 「街道は重要な設備ですから。」


 ライフラインを絶たされでもすればヴァサールや周辺に大きなダメージになってしまうからね。


 「しかしこれがタカ派のノーブル・アンツ...噂ではもう少しマシな奴だと思ってたけどこれじゃ山賊と大して変わらないじゃないか。帝国を発展させたいならもっとマシな思考ってのはないのかい、こういう輩は意外と証拠が残さないから現皇帝はさぞ困っているだろうねぇ...。」

 「堂々と公爵襲う時点でそんな頭は無いと割り切っていいと思います。」

 「だねぇ、王国への謝罪も込めてせめてコイツらはぶった斬らせてもらうよ!!」

 

 アリスの剣の刀身が炎...いや、バーナーの様に激しく燃え盛る。


 「に、にげ...!」

 「剣技・烈炎斬!!!」


 これだけ派手にやって死人は一人もいない。

 烈炎斬は物理貫通が高い技なのだがそれを加減した上でその精度と技術。


 アリスさん...確実に高レベルだ。

 レベル100はあってもおかしくは無い。

 烈炎斬は剣を扱う職業で基本90レベル以降、それもかなり限られた職業だけが使える。


 「...時にエイト。アンタ、ヴァサールにはいつまでに戻らなくちゃいけないのだい?」 

 「明後日までには戻らなくてはいけないです。出来ればその日までには残党をどうにかしたい。」

 「明後日...もしや...。」

 「?」

 「いや、なんでもないよ。早く行こうかい、もし孤立状態になっているなら兵糧問題もある、予想通り商人襲ってもおかしくないよ。」

 「コイツらはどうします?」

 「フフン、良いものがある。」


 アリスの指輪が光る、すると残党が消えた。


 「ディポーテーション・4。」

 「特定条件下の相手にのみ、特定の場所に強制転送出来る術式魔法。...その指輪に基礎術式が刻まれているのですね。」

 「博識じゃなぁ。この魔法は扱いづらくて今の時代ではすっかり廃れた故に知るものは少ないはずじゃが。」

 「でもおかげで後処理が...あれ、転送した奴らは?」

 「ん?あー、知り合いの所に送った。アイツならなんとかしてくれるだろうしなー。」

 

 だろうって...まぁいいか。


 「さて次はどこなんだい?」

 「次はですね、えーと。」

 

 ドゴーン….、


 「ん?」

 「何だい今の音は?向こうから聞こえたけど…。」


 ギャーギャー!!!

 

 「うわっ!?」

 「この鳥、音の主から逃げて来たのかい。エイトよ、あの辺りには残党はいるのかい?」

 「います。…急ぎましょう!」


ーーーーー


 「うわーっ!?」

 「逃げろー!」

 「化け物、化け物だあああ!!」


 街道から分かれた道の先にある集落。

 逃げ惑う人々に迫るのはリザードマン。

 だがその体は黒く不気味な姿であった。


 「くっ、なんだコイツら!?斬っても全く倒れない、退きもしない!!」

 「アンデッドだ、どこかに死霊魔術師がいるはずだ!」

 「おいC、急いで探せ!」

 「ダメです!数が多すぎる上にまだ住民が避難しきっていません!」

 

 付近を巡回していた王国兵が駆け付け抑えてはいるのだがジリ貧だ。

 

 「さっきのでっかい音といい一体何が起きているんだ!?」

 「グ...ゴァ!!」

 「うわああ!?」

 「B!!」


 ピュンッ


 「...!?」

 「な...なんだ、今...光が?」

 「死霊魔術:リザード・ハザードか。多分刻印魔法化して術者以外でもある程度使える様にしたのだろうな...面倒な!」


 輝く宝石がリザードアンデッドを焼き払う。


 (ゲームで刻印魔法は低レベルの魔法が元であれば職業に関係なく扱える。リザード・ハザードはリザードマンのアンデッドが色んな方向に突撃する範囲攻撃。...本来そこそこネタ寄りの職業だっていうのにこんな使われ方を見たら...腹が立つ。)


 「ルビー、サンストーン。聖なる炎で浄化せよ、聖炎!!」

 「ゴァッ....!!」

 「うわぁ!?」

 「アリスさん!!」

 「はああ!!」


 術者を見つけた。

 予想通り敵はリザード・ハザードの刻印が入った腕輪をしていた。

 本当の死霊術師はおそらくさっきの大きな音と関係しているだろう。


 「刻印魔法は強力な魔法こそ使えんが元となる魔法のレベルが低い故に汎用性がある。使い様によっては恐ろしいな。」

 「はい。これは明後日までには確実にどうにかしなくてはいけなくなりました。早く術者を探しましょう。」

 「その必要はない...。」

 「!!」


 民家の影から現れたのは怪しげなフードを纏う者達。皆が刻印魔法の腕輪をしている。


 「...リザード・ハザード!」

 「っ、こいつらもか!!!」


 ドゴォーーン....。


 「またさっきの...!!」

 「ッ!」


 Jewel of Vlll起動、


 「フル...バースト!!!」

 「何ぃ!?」

 「ぎゃあああ!!!」


 雑魚に構ってる場合じゃない、

 近い、今の音はなんなんだ!?

 

 ドゴォーーン!!!


 近いじゃない...近づいている!?

 

 「エイト、森の方だ!!!」

 「ジャアアアーーーーッッ!!!」

 「!?」


 あれはデモンヴァイパーのアンデッド!

 死霊魔術師レベル80の狂乱大蛇、でかい音はコイツか!!


 「初めまして、エイト殿。」

 「!」


 ヴァイパーの頭の上に誰かがいる。


 「私はサナトゥス。ノーブルアンツの4カードが一翼、喰魂くこんのサナトゥスでございます。」

 「4カード?」

 「要は幹部だよ。まさかこんなにも早くいきなり出会うとはねぇ。」

 「おや...貴方どこかで?」

 「あらあら、帝国民ならあたしを覚えてると思ったけどねぇ...時が経つのって嫌になるよ。」


 アリスの剣に蒼く煌めく炎が燃え盛り、バーナーの様に収束する。

 

 「直球に聞きます、ここらで暴れる目的は何ですか?」

 「直球返します、言う訳無いじゃないですか。でも敢えて言うなら私達はただ暴れに来たのでは無いと言っておきます。...例えばこの能力は上質な魂がエナジーとして必要不可欠ですから。」


 死霊魔術師は敵を倒すとソウルエナジーというポイントが入る。これを貯めておくと後の戦いでこのエナジーを消費し技を発動すると威力や効果が増すのだ。


 「...ただ暴れてる言い訳にしては随分怪しい。表立って戦争している訳でもないのにわざわざ無関係の王国民を襲う理由にならない。」

 「エイトよ、ぶっ倒してから聞けば良かろう。」

 「ですね。」

 「ジャアアア....!!!」

 「無駄ですよ、私のレベルは74!!会って早々ではございますが貴方にはご退場願います!!!」


 なんだって、74だと?


 驚いた...数字だけ見れば初心者の終わりかけじゃないか。知ってる限り多分この世界では結構な実力者だ。


 まぁ、


 「行けデモンヴァイパー!!奴らを食い殺してしまえ!!!」


 所詮は74か。

 

 「...。」

 「...なんだ、おいどうした!」

 「ホワイトパール。」

 

 レベルに応じて種族アンデッドの攻撃を弱体化。レベルが4分の1未満の相手は攻撃を無効化、停止させる。

 

 「なぜだ、なぜ動かない!!」


 効果は一回の使用で一回限りだけど。


 「くそっ、ならばこれはどうだ!!デモンヴァイパー、奴らを溶かしてしまえ!!」

 「...。」

 「なぜだ!?動け、動けよ!!!」

 

 残念、使い切りアイテムなのでこれそのものにクールタイムなんてない。そもそも現実だ、ホワイトパールもいっぱい持っている。使い放題だ。


 お前程度じゃ攻撃すら出来ない、させない。

 僕はゲーム内でレベルはカンスト済み。

 そのレベルは300。僕が生きていた時点でゲーム内で設定、解放されていた最大のレベルだ。

 アイテムを使えば経験値はすぐに貯まるさ。


 「なんでだ、くそ、くそがっ!!ならば私が!」

 

 ピュンッ


 「あ゛あ゛あ゛!?手が...私の手があああ!!」


 何もさせるつもりはない。


 「ルビー、スピネル、サンストーン、トパーズ。炎と光の宝石よ、聖なる輝きをもって救済を。...大聖炎。」

 「嘘だ、何も出来ないまま...嘘だあああ!!」

 「ジャアアーーーーッッ!?」


 デモンヴァイパーは灰になって消えた。

 サナトゥスは大聖炎に焼かれるもアンデッドではないので死にはしなかった。ただ余程悔しかったのかすごい表情で気絶していた。


 「...ふぅ。」

 「エイトお主...やはり只者では無かったのか。ホワイトパールはそう滅多に見ぬエーデルだがあたしはその効果を知っている。…お前は私よりも遥かにレベルが高いのだな。」

 「...はい。」

 「ははは、最近の若人は成長が早いなぁ。」

 「違うと思います...。」

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