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ジュエルソーサラー、転生宝石商  作者: 亜土しゅうや
水の街、宝石はここに
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第22話 国境門にて歴戦剣士

 「う、うわあああ!?」

 「なんとしても守れ、一匹も通すな!!!」

 「早く通してくれ、襲われちまう!!」

 「くっ..このままでは!」


 王国と帝国の国境門。

 悲鳴と混乱が渦巻く。


 「ゴァッ、ゴァーッ!!」

 

 黒緑の荒いツヤの鱗、

 口を開けば鋭い牙。

 その手には恐ろしい爪。


 奴らはリザードマンの蛮族。

 リザードマンや亜人種の中でも特に気性が荒く多種を襲う傾向がある。


 「...まずいねぇ、あたしの運命もここまでかねぇ?」

 

 国境門の建物の隅で腰掛ける一人の女性。


 「サヴェージリザードマン...今のあたしでもなんとかなるだろうけど、この数は後の体力が怖いねぇ。」


 女性は剣を持ち、なんとリザードマン達が暴れる外へ向かう。


 「いいや逆かね、運動しなきゃ衰え始めた体力もさらに落ちるよねぇ。」

 「お、おいアンタ!」

 「なーに、あたしなら大丈夫さ!」


 女性は剣を振るう。

 剣はリザードマンの硬い鱗をものともせず胴体を真っ二つに切り裂いた!


 「中年オバさんの運動には丁度いいわね、よーしいっちょやるかぁ。」

 

 ピュンッ


 「ゴァ...?」


 ドサッ


 「...あらま、何かしら。」

 「な、なんだ!子供が浮いているぞ!」

 「...天使だ。」

 「はぁ?」


 兵達が言う方向を見ると、

 10歳程の子供が宙を舞い、キラキラと光る何かを操り一筋の閃光を放っている。


 閃光はリザードマンを次々と撃ち抜く。


 「これはまぁ、やるじゃないか。若い子に負けてられないねぇ!!」


 女性は駆ける、

 炎を纏う剣でリザードマンを一撃で斬り伏せて行く。


 「剣技・業炎斬!!!」

 「あの女の人もすげぇぞ!!」

 「ほらほらどうした、アンタらも兵士だろ!トカゲが腰抜かしてる間に動かないのか!」

 「っ反撃だ、立ち上がれ!!」

 「おーっ!!」



ーーーーー


 リザードマンは殲滅。

 国境門の建物内であたしはさっきの子供を探した。


 「...こんなものか。MP回復薬どこのボックスだったかなぁ...?」

 「お疲れさん、やるじゃないか。」

 「え?」


 白い衣と金髪の髪。

 近くで見てみればなんとまぁ可愛らしい。


 「アンタだよ嬢ちゃ...いや、坊ちゃんか?じゃあ少年、名はなんだ?あたしはアリスだ。」


 確かに、こんな可愛い見た目の少年があんな風にしていたら天使だって言ってしまうね。トカゲ共には悪魔だろうけど。


 「僕はエイト、宝石商です。」

 「宝石商?...そうか、離れてて見えづらかったけどキラキラしていたのは宝石かい?」

 「はい。」

 「変わった力を使うんだねぇ。エイトは帝国に何か用でもあるのかい?」

 「あー僕は...この辺りに用があったのですが丁度騒ぎを聞きつけまして。」

 「そうかい。」


 ふーむ...この辺りは整備されているからさっきみたいな襲撃以外ではそこまで魔物はいないはずだけどねぇ。まぁ何も無い訳じゃないし、さっきの強さならこの少年一人でも大丈夫だろうね。


 只者ではないのは確実だけど。


 「その用ってのは済んだのかい?」

 「ええまぁ。そろそろ戻ります。」

 「兵士らはジロジロアンタを見ているよ。お礼くらい受け取ればいいと思うが...かなり急ぎかい?」

 「ははは、こんな所で道草食っている場合じゃないんですよね。...っ!」

 「?」


 少年の様子が変わって見えた。

 後ろに誰か知っている奴でもいるのかい?


 ...あの男は。


 「...タカ派の連中と面識があんのかい?」

 「...!?」

 「待った待った、あたしはあんな連中の仲間じゃないよ。よくわからないけどアンタ、帝国のタカ派と敵対関係の様だねぇ。」

 「貴方は...アリスさんは何者ですか?」

 「そうだねぇ。」


 あたしは纏っていたフードを取る。


 「!」

 「...話し方の割には見た目と違って驚いたかい?先祖返りでね、数十年生きているが血族としてはまだまだ妙齢。自分ではオバさんと思っちゃいるけどもねぇ、あっはっは!...それであたしはまぁ帝国の人間だよ。それも結構[内部]にいる立場だ。一目であの男がタカ派だってくらいはまぁわかったよ。でも方向からして情報を持ち帰ってる最中のはずだ。アンタ...あの男に何かしたのかい?」

 「...ええ。偽の情報掴ませました。」

 「ええ!?...ぷっ..はっはっは!!面白いねぇアンタ!!」

 「え。」

 「ひーっはっはっは...ふぅ、まぁあたしも暗躍するタカ派に手を焼いてんだ。タカ派はね、帝国を最大の国家とするのが目的なんだよ。...子供みたいな考えだろ?でも実際それを実行しているのがタカ派だ。帝国のかつてはそう言う考えを持った奴らがわんさかいてねぇ、でも何十年も前の女帝が色々努力して今やハト派...いわゆる穏健、和平を大切にする国になったんだ。そして現在はかつて属国や隷属と化した国を互いに手を取り合える国同士になれる様支援しているらしい。」

 「...でもじゃあ、今のタカ派は...。」

 「表向きはかつて従えた国に力を与えれば反乱を起こしいずれ帝国に牙を向けると。でも実際はかつての帝国の様な力と権力で全てを制する世界を作ろうとしているんだ。...呆れるよ。」

 「...。」

 「子供には難しい話だったかい?」

 「いいえ、子供でも呆れる話でした。」

 「フッ、そうかい。長話に付き合わせちゃって悪かったね。じゃああたしはいくよ。」

 「いえ、...あれ?」

 「ああ、あたしは王国領に行く予定だったんだ。そういえばアンタも王国の人間かい?」

 「まぁ、はい。僕はヴァサールから来ました。」

 「水の都からかい!?ならさっきのやつは...決めた。あたしもヴァサールに行くよ。」

 「え!?」


 パチンッと指を鳴らした。


 「ちょっと気になる事が出来たよ。長旅になるねぇ。」

 「あー、それに関しては。」

 「?」



ーーーーー


 街道のどこか...、


 「...驚いたね、こんな技が使えるのかい。」

 「条件はありますけど、正直僕の力の中で一番悪用されてはまずい能力です。」


 一瞬で長距離を移動出来るなんてね...。

 昔どっかの一族が全てを見通す眼を持ってたって話があったけど十分張り合える能力さ。


 「だねぇ。...それで、どうして街じゃなくてこんな森の中に来たんだい?」

 「残党です。行きの際に何グループか無視したので街道を通る関係ない人達を巻き込みたくないので、可能な限り潰しておこうかなと。」

 「そりゃ面白そうだ。悪いやつはお灸を据えてやらんとねぇ。」

 

 退屈しないで済みそうだ。


 「あ、貴様は!」

 「例の宝石商だ!!」

 「さーて、どれ程強いか...あたしが見てやるよ!」

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