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ジュエルソーサラー、転生宝石商  作者: 亜土しゅうや
水の街、宝石はここに
19/36

第19話 人形屋敷

 「...。」

 「あ...あ...。」

 

 (なんだよあれ...さっきのオーロラさん達みたいになってる...。)

 (おそらくアタイ達にかけられた洗脳と同じだわ。...でも前のと違ってわかりやすいわ。)

 (前の?)

 (え、エイトくんが向こうで仕事していた時のにね、襲撃あったって話を聞いたでしょ?その時の洗脳は一目では操られてるっていうのがわかりづらかったの。気づけたのは戦いに慣れてたり観察力が高い人...。)

 (そうだったのですか...。)


 エイトです。

 現在僕達は...もう屋敷に入っています。

 プレイヤー時代のある能力を使いました、はい。


 しかし屋敷内は人形とゾンビの中間の様な感じで操られた人がいっぱい。


 しかし隠れてばかりではいられない。

 レイド、時間制限、ステルスアクション。

 ボス戦前にこれでもか...と言えるかはわからないけど詰め込まれた。自警団と関わり無かったら100パーセントこの街は終わっていただろう。


 「流石に屋敷の人には手は出せないよ。」

 「悪趣味ね...もしもの場合は可能な限り手加減するわよ。」

 「ふぇ...頑張りましゅ。」

 『...バラバラで行動するのはやめておいた方がいいかもしれない。相手がどんな魔法を使うかわからない以上皆で慎重かつはぐれない様に。まずはどこから調べるの?』

 「ナーシャさんを探そう。あの人の能力が必要だ。」

 「エイトくんは...似た様な力というか...あの...宝石はあるのでしょうか?どんな能力かは分かりませんが...。」

 「あります、でもその場合宝石を何種類か使わないと再現出来ません。効果時間も違って再現しようと僕でも10秒あるかってくらいです。加えてその後特に重要な宝石が1分間使えません。」


 位置特定エーデル[サテライト・タイガー]

 ・3秒間隠れた敵の位置がわかる。使用後1分間クールタイムが必要。僕が使うと10秒まで延長、クールタイムは縮まらない。


 大千里眼再現しようにもこれを含め色々使わないといけない点からかなりコスパが悪い。

 

 「とりあえずこれを使います。」


 サテライト・タイガーを使用。

 ナーシャさんの場所は...いた!


 「僕についてきてください。」

 「おっけー!」


ーーーーー


 「...お前...東...1階。」

 「あ...。」

 「...お前...廊下...そこ..。」

 「あ...。」

 「...ボスの指示でこの人形共の見張りに来てみれば...不気味過ぎだろ。ノクサスの奴が居ればこんな雑な洗脳魔法使っていないんだろうけど、これじゃ作戦どうするんだ?」


 どこかの部屋、そこ男は座っていた。

 目の前には操られたナーシャ。

 他の洗脳者の指揮官として使われている様だ。


 「おいメイド、そこはもう調べただろ。」

 「...念入り...重要....屋敷に気配。」(ギロッ)

 「っ...やはり侵入者がいたか。」

 (なんだよコイツ、操られても殺気の籠った目が怖すぎんだろ!仕事というか本能的な奴か?この仕事終わったら休暇でも貰お...。)


 ブンッ...。


 〈状況はどうだ?〉

 「うぉあ!?...ってなんだアニキか、驚かさないでくださいっすよ。屋敷の奴は全員魔法にかかっていたっすよ、公爵も令嬢も今は部屋に監視を置いた上で閉じ込めているっす。あとは例の日まで保管しておくだけなんすが...ボスの予測通りネズミが入り込んだみたいです。排除するので残りの連絡は後でも大丈夫っすか?」

 〈了解だ。〉

 「さてさてメイド、奴らはどの辺りだ?」

 「地図の...ここ...辺り...慎重に..動いている。」

 「まずは様子見だな、A班に行かせろ。」

 「はい...。」


 一方...、


 「...思ってた以上に巡回の見張りが少ない。」

 『多分...誰かの警備。そうまでして見張っておかないといけない理由があるんだと思う。それに巡回の動き...一定間隔がある。多分洗脳を解くと動きの乱れで相手にバレる危険性がある。気配を隠すその石を使ってもバレるよ。』

 「ハードモードどころじゃないなぁ...。」


 じゃあどうするか...待てよ?


 「...一ついいのがあります。」

 「いいの?」

 「物凄〜く、シンプルです...エクア様。」

 『え?』



 「...まだ見つからないのか?」

 「...はい。」

 「ちっ、思った以上に隠れるのが上手いらしいな...アニキにどやされちまう。」

 「...まずい...です...。」

 「ん?」


 ナーシャが扉に鍵をかけ、手で扉を押さえ始める。


 「な、なんだ?ネズミがもう来やがったのか?」

 『んー...ネズミさんではないかな。』

 「そうか...え?」

 『大精霊様だっ。』(ゲシッ!)

 

 突然部屋に現れたエクア。

 男の腹にミドルキックをかまし捕縛した。


 「上手く行きました?」

 『驚いた、こんな簡単な方法で成功するとは。』


 何をしたか、

 僕は隠れていた別の部屋からディバイン・アクアを使いナーシャさんがいる部屋までに霧を発生させた。エクア様は自身を霧に溶け込ませ、ドアの隙間から侵入したという訳だ。


 「ニュージェード...よし。大丈夫ですかナーシャさん。」

 「んん...はっ、お嬢様!?」

 「...残念ですがまだです。」

 「え...あ...エイト様!?それに自警団の...。」

 「詳しくお話したい所ですが、時間がありません。急ですが大千里眼で皆さんの居場所の探知をお願いします。」

 「わ、わかりました!...はっ!?」


 ナーシャさんが僕を突っぱね、窓に向かって仁王立ちをした。


 「あ...あ....!?」

 「今のは...!」

 「...!!」

 「ナーシャさん!?」


 突然ナーシャさんが隠しナイフを取り出し襲いかかってきた!


 「ふん!!」

 「オーロラさん!」

 「今よ!!」

 「ニュージェード、彼女を救え!!」

 「...会議室です!!皆様は会議室に閉じ込められています!!早く、敵はまだ!!!」

 「!!!」

 「エイトくん!!今一瞬だけど、外に鳥がいた!赤い目のフクロウがいた!!」

 「赤い目のフクロウ...まさか!エメラルド、スフェーン、ペリドット!僕に風を!!!」


 僕は風の力で飛び、部屋に向かって飛ぶ。

 会議室はこの前資料を集められた部屋。

 そして赤い目のフクロウ、おそらくそれはテイムされた魔物!それもゲーム内にいた[ファントム・オウル]というか魔物だ!


 ファントム・オウルは対象に幻惑系のデバフを与え混乱させたり、洗脳魔法で敵の行動を制限が出来る力を持つ!


 フクロウは少なくとも飛行時速約72km、

 あっという間に会議室の窓まで行った筈だ!

 急げ、間に合え!!!


 「あ...あ...。」

 「っ、ニュージェード!!!」


 洗脳解除した従業員の数々を避け進む。


 あった、会議室!!!


 「皆さん!!!」

 「へぇ、報告では職人級の腕を持った子供とあったが...やっぱりただのガキじゃなかったか。」

 「!?」


 会議室の窓辺にフクロウを腕に乗せる男。

 椅子にはミハイルさん達が座っている、人形の様にピクリとも動かない。生きてはいるけど操られているのは確実だ。


 「俺は名乗る程の者ではない...いや違うな。名乗る必要がない。」


 フクロウの目が光る。

 

 「...ん?」

 「僕にその手の魔法は効かないよ。幻惑の完全耐性くらい持ってるよ。」

 「嘘が上手いな、この世にそんな耐性を持った人間はいない。なんか道具でも使ったのだろうな!!」


 男は杖を取り出す。

 あれはファントム・ステッキ。

 ファントム・オウルのレアドロップ武器だ。

 効果はあのフクロウと同じ。


 「!」


 ファントム・オウルが別方向から魔法を何度もかけてくる。

 これで確実に洗脳させようってか!


 ま、無駄なんだけどね。


 「エメラルド、スフェーン。」

 「え?」

 「エアブラスト。」

 「ぐああっ!?」

 

 男とフクロウをガラスを破り外へぶっ飛ばす!!


 「皆さん!!!」

 

 男が吹っ飛ぶ瞬間、屋根の上からライラさんが飛ぶ!!!


 「でやあああ!!!」

 

 一回転踵落としで下に向かって蹴る!!


 「ぬぅん!!!」


 オーロラさんが追撃に男を下からパンチ!


 『逃がさないよ。』


 エクア様が水で拘束!!!


 「...イベントクリア!」


 思わずガッツポーズを決めた。

 

ーーーーーーーーーー


 それからすぐだ、皆さんの洗脳が解除され元に戻ったのは。


 「ああ...助かったよ、エイト君。」

 「遅くなりまして申し訳ございません、ミハイルさん。」

 「エイト様!!」

 「お久しぶりです、ミリーお嬢様。」

 「ああ、エイト様なのですね!!」

 「はい、エイトです。僕はここにいます。」

 「うう...良かった...。」

 「お嬢様!?」

 「...気を失っただけだ。君は他の従業員達が無事かみてくれると助かる。ミリーは私が運んでおくよ。」

 「わかりました。」


 庭が救護キャンプの様になっている。

 今回捕まえた奴は...うわっ!?


 「...エクア様、これ何?」

 『ん、停止させた。妹から教わった、簡単な氷付け魔法。大丈夫、生きてる。それに体に仕掛けられていた毒も消した。毒による自害は出来ないよ。』

 

 よく見たら横にエクア様にビビって縮こまったファントム・オウルがいる。本能には逆らえんか...。


 「エイト様!」

 「あれ、隊長さん。」

 「良かった、ご無事でしたか!」

 「ええ。」

 「急で失礼しますが、団長はお見かけしていなかったでしょうか?」

 「...!!!」


 そうだ、肝心な事忘れていた!!


 「そうだ...その団長さん...、」

 「あ、団長だ!」

 「センア団長!!」

 「!?」


 まずい、もしかしたらそいつが...!


 しかし、その予想は...、


 「...あれ、団長?」


 外れていた。


 「...どうしたんですか?目が虚で...なんですかそのネックレス。...誰の落とし物なんです...、?」

 

 ズバッ...。


 「...え?」

 「ッッ!?」

 「あのネックレスは!?」

 「....正義の為に...!」

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