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ジュエルソーサラー、転生宝石商  作者: 亜土しゅうや
水の街、宝石はここに
18/36

第18話 一体誰が?

 なんだろう...、


 暗いけど...、


 先が見えないよ。


 ...アレ?


 手に何か付いてる。


 赤い...血だ。

 ああ...そうだ。

 戦わなきゃ。


 刈らなきゃ。

 狩らなきゃ。

 駆らなきゃ。


 殺さなきゃ!


 「魔物ッ、みーつけたあああ!!!!」

 「うわあああ!?」

 「あ゛ーもう!ニュージェード、エメラルド、アクアマリン!」

 「わぶっ!?」


 強力な洗浄魔法で洗われるライラ。


 「がぼぼぼ...ぶはっ!?...あれ?」

 「うへぇ、おっかねぇ嬢ちゃんだ。」

 「あらかじめ血塗れ状態にしておくとは...やってくれる。」

 「え?え?」

 「大丈夫ですか、ライラさん。ただいまです。」


 自警団本部前。

 一面倒れてる自警団員の皆さん。


 『やっと起きた。君で最後、お寝坊さん。』


 佇む水の大精霊エクア。


 「ふぇ、え?え...エイトくん!」

 「わぎゃっ...いきなり抱きつかれると痛い...。」

 「...助かったわ、エイト君。」

 『...またしても襲撃。やられた、情けない、死にたい。』

 「えっちょ、ネガティヴが事言わないでよエクア様!?あんな不意打ちされりゃ打つ手ないわ!」

 「えー?え?...え?」


ーーーーー


 ここで何があったかを説明しよう。


 これはエクアがエイトに連絡をした直後の事。

 エクアは公爵屋敷に姿を現した。


 『そう言う訳だ。君達を守る為に我はしばらく外にいるとしよう。』

 「あのー...。」

 『なんだ?』

 「...エイト様はお元気でしたか?」

 『ああ、元気そうだった。もうすぐ戻るらしい。』

 「まぁ!」

 『...喜ぶのは早い。奴らは次にどう動くのかはまだわからないんだ。我もあの力は長時間使える訳じゃないから守る側であっても操られる危機が未だある。』

 「うう...そうですわね。」

 『そこの従者、眼の力に才があるようだが。何かわかったか?』

 「...申し訳ございません。襲撃者は皆毒をあおり逃げられています、私の能力は死者に使用は出来ません。その上襲撃時は探りを入れる前に操られてしまいましたので...。」

 『...そうか。いや、こちらの情報を知っていればそういう手を打つのは当然だ。お前の力は大体の事を見通す力だ、真っ先に操ったり早くに証拠隠滅すれば探れられない。そう言った内情を知っている事が前提ならどこかに内通者がいると考えるべきかな。』

 「...!」

 『その力は極秘、知っているのは君達公爵家か信頼が高い者。疑惑があるなら後者かな、前者だったらこの前の襲撃がもっと用意周到に行われていてもおかしくなかった。』

 「なら一体誰が...?」

 『迷宮化の時以降、警備は厳重。でも屋敷は襲われた。なんだっけ...そう、ノーブル・アンツ。この前の奴は気配を消すのがとても上手かった。この街も大きいから警備だって当然穴がどこかに空いてしまう事だってある。』

 「そういえば...街の観光客に紛れ侵入したと...。」

 『そう、でもね。』

 「!」


 ナーシャが何かの資料を取り出す。


 「前と今の警備状況を記した地図です。」

 「えーと...?」

 『人だけを見れば穴はある。でも個人が何かしらスキルを持っていれば話は変わるんだ。』

 「!」

 『例えばこの人は気配察知、ここは見破り、その人は望遠と暗視。そんな感じで今配置されている兵士さんは索敵関連の能力に長けた人が多くいる。その能力を使うことで穴を埋めているんだ。特に水路や屋敷、図書館周辺は特に厳重だよ。』

 「凄い...でも、それで襲撃って...。」

 「...内通者は兵士にいると?」

 「!?」

 『兵士、それも信頼の厚い奴なら内部情報を持ってる。そして君の力を知っているとなれば...ッ!!?』


 エクアの姿が突然消えた。


 「エクア様!?」

 「お嬢様、逃げましょう!」

 「ええ!」

 

 ナーシャは窓を開け、ミリー嬢と逃げようとした...時だ。


 ガクンッと、ナーシャが崩れ落ちる。

 一瞬外に何かが飛び去っていった。

 

 ああ、とっくに挟まれていたんだ。


ーーーーー

 『それで、今屋敷には近づけない。あの子に渡したディバイン・アクアはエイトの持ってる物よりもかなり力が弱い、出来るのはせいぜい我の姿を写し話せるぐらい。おそらく念話などが出来ない結界魔法または魔力が放たれた影響だろう。』


 つまりホログラム的なのが出来るって事か。

 それを魔法とかで遮られて...。


 「妨害電波ジャミングみたいなものか...。」

 「じゃみ?」

 「ああ、なんでもないです。...つまり犯人は兵士の誰かって事でいいんですよね。その日、誰か屋敷に来ていたりというのは?」

 『一人いる、この街に所属する兵士団の団長だよ。』

 「!!...師匠。」


 この街に入る前に師匠が言っていた。


 (ある立場...?)

 (兵士そのものだ、それも警備兵士全員を動かせられるような権限を持つ奴がな!それが今ヴァサールにいる!この王国にはヴァサール級の大きさの街ごとに一兵団づつ所属する決まりがある。最近は近隣の町や遠征で何度か離れていたが今ヴァサールにはその兵士を動かせられる立場の奴がいる!)

 (なんだって!?)


 「ああ、俺の予想通りだ。団長の立場なら兵士の配置を思い通りに動かせる、一見強固な包囲網でもある部分は壊れやすくそこに仲間送り込む事で簡単に侵入って訳だ。まぁ推論でしかないがそいつならそれが出来てもおかしくないんだ。」

 「そんな、あの第二団長が!?」

 「...その真実を確かめる為に先にアタシ達を助けに来たって訳ね、エイト君。」


ーーーーー

時は少し前


 「うお、なんだありゃ!?」

 「自警団の皆さん...!」


 予想通り、自警団の皆さんは操られている様子だ。

 目は虚で気力を感じない。

 動きもおかしい、どこからどう見ても普通じゃないって言うのがわかる。


 「ウオオオーーーーッッ!!!」

 「え、エイト!」

 「ニュージェード、いっけええええ!!!」

 「ウオオオ.....!!?」

 

 洗脳や幻惑といったデバフの解除に特化したエーデルで僕は皆さんの洗脳を解除。


 ただ一人除いて。


 「きゃは...あははは!!!」

 「なんだぁ!?」

 「この笑い声は...やばい!!!」


 血に染まった腕、月の光で輝く大鎌。

 正気を一切感じさせない笑顔。


 やばい....方のライラさん!!!


 「でやあああ!!!」

 「うおおお!?」

 「魔物ッ、みーつけたあああ!!!!」

 (最初に戻る)


ーーーーー

 

 その後僕らは屋敷に向かうメンバーを決める。


 屋敷の内部へは僕、ライラさん、オーロラさん、エクア様。


 リンさんは本部で現場指揮。


 ドーム師匠は本部に残る、非戦闘員だけどクリスタル、アクセサリーの手入れが出来るので後方支援だ。


 他の団員さんは操られた兵士がいないか、

 いた場合は抑えるなど。


 とにかく広範囲、一人では出来ない事をする。

 これから始まるのは実質レイドイベントだ。


 「いいかいお前達。相手はどんな洗脳だか幻惑を使ってくるかわかんない。エイト君達も公爵様を助けに行くから洗脳対策に自信がなくなるのは当然だ。だがな、私達はレッジ自警団!この身で守りたいモノを守る為に今日も生きている!死ぬならその時はその時だ!守りたいモノあるなら気合い入れろ!!腑抜けた奴は蹴りをいれてやる!!いくぞ!!!」

 「おーー!!!」

 「皆さん。僕の近くにいてください。」

 「?」

 「あ、そういえばこの力見せたの師匠ぐらいか...。」

 「え、何?どんな力?」

 「えーと...便利な魔法です!」

 「???」

 「じゃあ、助けに行きますよ!」

仲間、いっぱい。

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