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隣の山田くんには秘密がある  作者: 片山絢森
クラスメイトも色々ある
7/10

美咲はなんだかツイている

美咲は最近、妙にツイている。ひとつひとつは些細だが、なんだかとてもラッキーなのだ。そんな美咲が気になっているのは、同じクラスの山田くん。ある日、美咲は彼が絡まれているのを目撃してしまい――。


*** ***


お読みいただきありがとうございます。メガネ女子と、影の薄い男子生徒のお話です。

 ()(さき)は最近ツイている。



    ***



「美咲ー、何してんの?」

 声をかけられて、美咲ははっと顔を上げた。

「な、なんでもない」

「また図書室? ほんと、相変わらず好きだねえ」


 呆れた顔になるのは、親友の(なお)ちゃんだ。小学校から一緒の幼なじみで、スポーツ万能の優等生だ。ポニーテールが似合うきりっとした美人で、高校でも陸上部に入っている。

 対する自分は、一言で言うと……とても地味だ。


「美咲は可愛い顔してるんだから、メガネやめて、コンタクトにすればいいのに。高校デビューしたらどう?」

「い、いい。メガネがないと落ち着かない」

「そんなのび太くんみたいなこと言って」


 のび太くんがそんな事を言ったかは定かではないが、美咲はメガネが嫌いじゃない。薄いレンズを一枚通すと、世界が違って見える気がする。


「そういえばさっき、何見てたの?」

「えっ?」

「あそこ壁しかないじゃん。幽霊でもいた?」

 尚ちゃんが目をすがめるが、反応はない。何も見えていないようだ。


「い、いるよ……? (やま)()くんが」

「山田? そういえばいたっけ」

 もう一度目をやり、「ホントだ」と目を丸くする。


 壁しかないと言われたところに、ひとりの少年が座っていた。

 彼の名前は山田くん。れっきとしたクラスメイトだ。


「いやー、相変わらず影薄いわあいつ。本気で見えなかった」

「失礼だよ、尚ちゃん」

「嫌なやつより見えないやつの方がずっといいじゃん。山田……下の名前なんだっけ?」

 数秒考えたが、思い出せなかったらしい。尚ちゃんは早々にあきらめた。


「じゃああたし、部活あるから。また明日」

「うん、ばいばい」


 部活がんばってと告げると、尚ちゃんは片手を上げてくれた。

 本を手に立ち上がろうとして、落ちていたゴミが目に入った。何気なく拾い、ゴミ箱に捨てる。それから美咲は教室を出た。



    ***



 図書室は学校の中で一番好きな場所だ。

 教室が嫌なわけじゃない。けれど、ここに来るとほっと落ち着く。


「あらいらっしゃい、(ふじ)(さき)さん」

 図書室の先生ともすっかり顔見知りになってしまった。こんにちはと挨拶して、持っていた本を返却に回す。


「どうその本、面白かった?」

「はいとっても!」


 入ったばかりの新刊を、偶然借りる事ができたのだ。

 欲しかったけれどお小遣いが足りず、我慢していたので嬉しかった。いつもは入れないジャンルだけれど、気まぐれで購入したらしい。


 新しい本を選ぼうとして、ふとカウンターにテントウムシがいるのに気づいた。どうやら開いていた窓から入ってきたらしい。


 図書室に虫は厳禁だ。見つかると即座に駆除される。

 美咲は田舎育ちなので、虫はあんまり怖くない。

 指先にとって、窓から放す。テントウムシは羽を広げて飛んで行った。

 後ろから入ってきた山田くんが、「返却です」と言うのが聞こえた。





 その帰り道の事だった。

 重い荷物を持って歩いていたおばあちゃんを手伝ったため、美咲はいつものバスに乗り遅れた。次に来るのは激戦区だ。座るどころか、立つのも辛い。

 なんとか後ろに滑り込むと、目の前の青年がはっとした。


「やべ、降りないと」


 荷物をひっつかみ、慌てて駆け下りていく。空いた座席に、美咲は目をぱちくりさせた。


 ――あ、また。


 ここ最近、なんだか妙にツイている。

 人気の新刊が借りられたり、好きなアイスが偶然買えたり、バスや電車の席が突然空いたり。ひとつひとつは些細だが、積み重なるとラッキーだ。


(……気のせいかなぁ)

 首をかしげつつ、美咲は本を取り出した。家に帰るまで待ちきれない。

 次のバス停で、お年寄りが乗ってきた。本を閉じ、美咲はすぐに席を譲った。



    ***



 話は変わるが、美咲には気になる人物がいる。

 同じクラスの男子生徒だ。恋ではない。念のため。


 入学直後、なぜかぽっかり空いた空間に、ひとり座っていたのが彼だった。入学早々いじめかと思ってひやりとしたが、影が薄いだけだった。

 彼に話しかけようと思ったのは、ほんの些細なきっかけだ。


 美咲は内向的な子供だった。友達はいたけれど、多くはなかった。

 クラス替えになるたびに、仲がいい子がいますようにとドキドキした。同じクラスになれますようにと真剣に願った。あの時の緊張は、今でも鮮明に思い出せる。

 幸い、尚ちゃんがいてくれたため、美咲が仲間外れになる事はなかった。


 そんな人間にとって、新学期は格別だ。

 同じ思いをしている人がいたら、他人事ではない。


 せめて一言、誰かに話しかけてもらったら。

 よろしくと言ってもらえたら。

 それだけで、ほんの少し心強かったはずだ。

 少なくとも美咲はそうだった。


 だから、次は自分が。

 あの日、尚ちゃんに話しかけてもらった美咲のように。


(でもそれが男子っていうのは……さすがにハードルが高いかもしれない……)


 美咲に男子の友達はいない。

 そして美咲は繰り返すが、とても地味だ。

 尚ちゃんのような美人ならともかく、自分にそんな魅力はない。かえって迷惑になってしまうかもしれない。嫌がられてしまったら? そう思ったら、二の足を踏む。

 どうしようと迷っていると、尚ちゃんに呼ばれた。


「美咲ー、こっちおいでよ」

「あ、うん」


 このまま背を向けるのは簡単だ。

 美咲は友達の輪に入り、彼はひとりで本を読む。それで何の問題もない。


 ――でも。


「ちょっと待ってて、すぐ行く」

 尚ちゃんに断って、美咲は彼に足を向けた。



    ***



 結果として、彼とは無事に言葉を交わせた。

 緊張していたから、笑顔が引きつっていたかもしれない。


 彼は山田と名乗った。読んでいた本は美咲も好きな歴史ファンタジーだった。


 話はそれほど弾まなかった。美咲はお喋りな方ではないし、彼も口数は少ないようだ。二言三言、言葉を交わすのが精いっぱい。それが美咲の限界だった。

 やっぱり迷惑だったかもしれない。お節介だったかも。

 そう思うと、枕に顔をうずめたくなる。


(でも、ちゃんと話せた)


 山田くんは嫌な顔をしなかった。

 それだけで、救われたような気持ちになる。


 気をつけて見ていると、山田くんは影が薄かった。

 名前を呼び忘れられるのは日常茶飯事、ひどい時には名簿にない。親しい友人はおらず、いつもひとりで過ごしている。その割に、面倒な用事や当番の時だけ、彼の存在は浮上する。そして、これ幸いと嫌な仕事を押しつけるのだ。

 彼らに悪気はないのだろう。ただ少し、ちゃっかりしているだけで。

 でも、それじゃ。


(……山田くんが気の毒だ)


 かといって、自分にできる事は少ない。

 クラスで問題を提議する? 駄目だ、そんな勇気は自分にない。

 だったら彼らに直接言う? そんな事ができっこない。美咲はヘタレだ。

 先生に言うのはもっと駄目だ。問題が大きくなってしまう。かえって山田くんを困らせる。


 なら――どうしたら。


 限りなく消極的な解決策として、山田くんが押しつけられた雑用の一部を、美咲も手伝う事にした。

 ごめんなさい、山田くん。勇気のない自分を許してほしい。


 山田くんは気づいているのかどうか、いつも淡々と仕事をしている。何かすると、「ありがとう、藤崎さん」とも言ってくれる。そういう時だけ、その目が少しやさしい気がする。でも、気のせいかもしれない。


 美咲は山田くんの事が気になっている。

 最初は視界から外れる事も多かったが、今ではちゃんと目に入る。いくら影が薄くても、存在していれば目に映る。それでも気配が薄いので、ちゃんと見えるのは日に数度だ。それでもすごい事だと思う。

 花瓶の水を替える時、さりげなく山田くんが代わってくれた。


「重いよ、それ」

「…………」


 やっぱり彼はいい人だ。





 山田くんがトラブルに巻き込まれたのは、そんなある日の事だった。


「山田ぁ! こっち来いよ」

 山田くんを呼びつけたのは、クラスでも目立つ(みね)()くんのグループだった。

 リーダーの峯田くんを中心として、あと二人。峯田くんだけやたらと目立つ。尊大な態度のせいだろうか。

 イケメンらしいが、美咲の好みからは少し外れる。彼は山田くんを目の敵にしていて、こうやってしょっちゅう絡んでいる。昨日の日直を押しつけたのも彼だ。

 美咲は彼が怖くて、一歩も動けなかった。


(私って最低だ)


 いたたまれなくて謝ると、山田くんは快く許してくれた。それどころか、藤崎さんは悪くないとまで言ってくれた。どれだけいい人なんだろう、彼は。

 彼が許してくれても、美咲の罪悪感は消えなかった。


 山田くんの味方になれたら。

 もしも、彼の力になれたら。


 ――次はきっと。

 次こそは。


「いいからお前、ボコらせろ。放課後、校舎裏来い」

「いや、でも……」

「来いっつってんだろ!」


 襟首をつかまれて、周りの女子が悲鳴を上げた。美咲も思わず息を呑む。山田くんはいつも通り淡々としていた。それがまた峯田くんの癇に障るらしい。


「チクったら許さないからな」

 そう言うと、峯田くんは山田くんを突き放した。

 ざわざわとした教室は、やがて静かになっていった。





(山田くんを助けなきゃ)


 最初に思ったのはその事だった。

 まず思いついたのは、先生に言う事だ。だがこれは早々に断念した。

 現場を押さえられればともかく、今の段階では証拠もない。証言も期待できないだろう。峯田くんもしらばっくれるはずだ。


 だとすれば、山田くんを連れて逃げる?

 それも無理だ。今日は逃げ切っても、明日も学校がある。峯田くんは根に持つタイプだ。


 だったら峯田くんをどこかにおびき寄せるのは? いや、これもその場しのぎだ。根本的な解決にはならない。

 それなら強いボディガードを探してきて……どこで見つけたらいいんだろう。


 便利屋さんとか、催眠術とか、アイディアは次々出てくる。でも、どれも現実では使えない。


(どうしよう……)

 時間がどんどん過ぎていく。

 もうすぐ放課後になってしまう。


 ラッキーの神様、と美咲は祈った。


 もしも神様がいるのなら、いいアイディアを出してほしい。

 山田くんを助けたい。

 そのためならラッキー期間が終わってもいい。――だから、どうか。


 その日のお弁当は、美咲の大好物ばかりだった。

 すごく美味しかったけれど、ちょっぴり味がしなかった。



    ***



 ようやく妙案を思いついたのは、放課後になる少し前だった。


 山田くんが連れて行かれた場所を特定して、先生を連れてくる。

 知恵を絞った割にひねりがないが、これが一番確実だろう。


 校舎裏と言っても色々ある。場所が特定できなければ、山田くんを助けられない。

 尚ちゃんにも頼もうかと思ったが、それは断念した。万が一の事もある。尚ちゃんを危険に晒すわけにはいかない。男子で言うと、()(さき)くんあたりは頼れそうだが、それも行動には移せなかった。彼らを巻き込みたくはない。


 緊張で心臓がバクバクする。

 怖くて怖くて、吐き気がしそうだ。


 峯田くんにバレたら、自分も無事ではいられない。

 それでも、やれる事はやりたかった。


「……()って!」


 教室の向こうでは、峯田くんが机の角に足をぶつけている。

 相変わらず運が悪い。何かに取り憑かれているのかもしれない。


 山田くんは淡々と過ごしている。

 もうすぐ放課後がやってくる。

 ラッキーの神様、どうか力を。

 美咲は真剣に祈っていた。





 ――それなのに。


「え……?」


 掃除の後、先生に呼び出された美咲が戻ってくると、もう二人はいなかった。

 なんで。どうして? どこに行ったの?


「や、山田くんは?」

 近くにいた人に聞くと、「え、誰のこと?」と安定の返事をもらった。そう、彼は影が薄い。


「峯田くんは知らない? どこに行ったか、見た?」

「さあ……あ、あっちの方に歩いてたかも」

「ありがとう!」


 礼を言い、美咲は教室を飛び出した。

 油断していた。まさかこんな落とし穴があったなんて。


(どうしよう)

 今から探し回って、果たして見つけられるのか。

 誰に聞いても、山田くんの目撃情報が出てこない。


「峯田なら見たけど……山田? いたかなぁ?」

「峯田のグループ? 三人バラバラだったと思うよ。どこに? さぁ……」


 せめて一緒に歩いていれば、方角が特定できるのに。

 とにかく片っ端から当たろうと、美咲は廊下を駆けていく。

 第一校舎、第二校舎、どこを見ても人影はない。

 部活に向かう人間は多いが、誰も山田くんを見ていない。


 どうしよう、このままじゃ。


 山田くんは細身だ。背が低いわけではないが、がっちりともしていない。

 体育の時は知らないけれど、運動部がスカウトに来るわけでもないから、得意なわけでもないのだろう。三対一で、敵うはずがない。


(ラッキーの神様、お願い)


 どうか山田くんを助けてあげて。

 残りのラッキーを全部使って構わない。この先一か月分もつけていい。

 クラスメイトがリンチに遭うなんて、絶対に嫌だ。



(お願い……!!)



 強く願った時だった。


「峯田、あっちの方で見かけたよな」


 何気ない会話が耳に入った。


「第一校舎の、ちょっと奥だろ? なんであんなところに行ったんだろう」

「あそこ人が来ないし、見えにくいんだよな。悪いことでもするんじゃね?」

「!!」


 美咲ははっとした。

 ダッシュで向かおうとして、「おーいそこ! 廊下を走るんじゃない」と注意される。

 振り向いた美咲は目を見張った。

 厳しい事で有名な体育教師が、竹刀を持って立っていた。



    ***



 結果として、作戦は大成功に終わった。

 山田くんはノーダメージだったし、彼らは先生に捕まって、みっちりこってり叱られた。なぜか自分の事は目撃されなかったらしく、美咲の名前は出なかった。不思議だが、まあいい。大事なのは山田くんが助かった事だ。

 胸をなで下ろしていると、山田くんに聞かれた。


「藤崎さんは、なんでそんなに俺のことを気にしてくれるの?」

「え」

 山田くんが珍しく長いセリフを喋った、と思ったが、返答にはちょっと困った。


 山田くんの事は嫌いじゃない。

 影が薄いが、真面目だし、サボらないし、面倒な当番も代わってあげる。とてもやさしい人だと思う。

 美咲は山田くんの事が気になっている。恋ではない。念のため。

 でも多分――一番の理由は。


「山田くん、いい人だもん」


 ごく素直な言葉が口をついた。

 山田くんが目を丸くしている。どうやら意外な返答だったらしい。


 そう、山田くんはいい人だ。

 重い花瓶を持ってくれるし、汚れる作業は自分でやる。決して美咲にはやらせない。何かやるたびに「ありがとう、藤崎さん」と言ってくれる。


 だから、気になる。


 美咲はやさしい人が好きだ。

 いい人も好きだ。

 別に変な意味じゃない。ただ、助けたくなるだけ。無条件で手を貸したくなる。

 美咲を助けてくれた尚ちゃんのように、誰かに手を差し伸べられたら。


 ほんの少し力になれたら、それは。

 きっと、世界を少しだけやさしくする。


「……なるほど」


 彼はしばらく黙っていた。何か変な事を言っただろうか。

 考え込む顔は真面目だが、怖くはない。彼が意外にも整った顔をしている事に、今さら気づいた。


「ところで藤崎さん、最近何かいいことはあった?」

「え、なんで分かるの?」


 びっくりすると、山田くんは「なんとなく」と答えてくれた。そんなに顔に出やすいのだろうか。

 最近のラッキーな出来事を話すと、山田くんは興味深そうに聞いていた。魔法みたいだと言った時、その目が少し笑った気がする。でも、気のせいだったかもしれない。


「山田くんにもいいことがあるといいね。それじゃあ」

 手を振ると、山田くんは頷いてくれた。


 美咲は知らなかった。

 彼が美咲の背中に向けて、「幸運を」と呟いた事を。



    ***

    ***



 そんなごたごたがあったせいで、美咲はまたバスに乗り遅れた。

 いつもの激戦区。最後まで立つのを覚悟せねば。

 前しか空いてなかったので、美咲はかろうじてできた隙間にもぐり込んだ。車内は今日も混んでいる。乗車率は百二十パーセント。


「あ、そうだ、降りなきゃ」

 と、目の前の男性が席を立ち、「すいませーん」と言いながら降りて行った。


 ――あれー……?


 ラッキー期間は終わったんじゃなかったか。

 混乱しながらも、空いた席に腰を下ろす。頭の中では「?」マークが点滅している。


 ラッキー期間は気のせいで、ただの偶然だったのか。

 それともこれはただのおまけで、次からなくなる予定なのか。


 よく分からないながらも、座れたのは単純に嬉しい。

 ふと後ろを見ると、大荷物を持った女の人が立っていた。よかったらと席を勧める。彼女は嬉しそうにお礼を言って、「大丈夫よ。すぐだから」と笑ってくれた。


 美咲は知らない。

 ラッキーをひとつ使うたびに、彼女が善行を施して、使った分だけチャージされている事を。三回ほどで枯渇するはずだった幸運が、ひたすら補充され続けている事を。

 そもそも、空いた席を他人に譲っては意味がない。美咲は結局立っている。彼女が分かっていないだけで、何回も同じ事がある。

 だが、本人はその事に気づかない。


 席が空いたらラッキーだし、バス停ひとつ分座れたら大ラッキーだ。

 ランプが点り、次のバス停でバスが停まった。

 大荷物を持った女の人が下りて行き、おばあちゃんが乗ってくる。

 いつものように席を立ち、美咲は彼女に席を譲った。



    *** *** ***



 ――この少し後、山田くんがボコボコに殴られていたと知って、逆方向のバスに飛び乗る事になるのだが――それはまた、別のお話。


お読みいただきありがとうございました!

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