表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/169

083 第三十三話 シャロンの悲劇 01



― バシュッ! ゴッ!



シャロンのとんでもないスピードの打撃!



「はっ!やあっ!」



― シュバババババッ!



「おかしいぜ、数日前に見たシャロンとは別人の如く力が増している!?」



最近ちょくちょくと特訓の応援に来てくれたシャロン。


時々俺とも組み手をしたこともあった。


だからバーク影響下のシャロンの実力も、俺は十分把握していたつもりだった。


だが今目の前で俺に凶拳を向けるシャロンは数日前の比ではない。


段違いに強くなっている!


いったいどういうことだ?


まさか魅了されると力も上がるのか?


そんなの聞いてねーぞ!?



「く、シャロン。なんとか自力で魅了を解除できないのか!?」


「私は魅了なんてされていない!私のユキマサ様への想いも、ケンツ(アンタ)に対する憎悪も本物よ!」


「ぐはっ!」



だ、だめだ。ショックで魂が抜けそうになる。


だがシャロンが力を付けたとしても、それでも実力は俺の方が上。


身体強化を使わずとも、剣を握れば必ず倒せる。


だけど、シャロンに拳や剣を向けるなんて出来ねーよ!


もうシャロンを無視してユキマサを殺りに――



「させない!」



― ババッ!



「 !? 」



今度はシャロン自身が壁となり、俺の前に立ち塞がる。


そんなシャロンに対して、満足そうなユキマサ。


「いいぞ!シャロンちゃんの愛を感じるぜ!」


「はい、ありがとうございます!えへへ……」



ユキマサに褒められシャロンはデレた。


シャロン~~、そんな奴に惚気ないでくれよ~~……


にしてもユキマサの野郎、俺のシャロンを盾代わりに使いやがって!


これじゃソーサリーストック(無限魔法貯蔵)の魔法も撃てないぜ!


もっとも、今の俺のメンタルじゃソーサリーストックが使えるか怪しいものだけどな。


ただ幸いにして、他二人の勇者は戦いには参加せず、観戦に徹している。


どうやら奴らの中で何か決め事でもあるらしいな。


なんにせよ助かるぜ。


さすがに召喚勇者三体を一度に相手をしたら瞬殺されちまいそうだ。



「ケンツ、ちょこまかと逃げないでよ!勝負しなさい!」


「いやだ、シャロンとは戦いたくねえ!」



絶対にシャロンに手は上げねえ!


俺はかつてDVに走り、シャロンを苦しめたんだ。


だからシャロンに手を上げるなんて事は、もう何があろうと絶対にあっちゃならねぇ!




しばらく俺とシャロンのダラダラとした攻防が続いていたが、ユキマサはこの展開に少々飽きてきたようだ。



「どーれ、ぼちぼち俺も手伝ってやるか。おまえらは手を出すなよ。あれは俺の獲物だ」


「ういーす」

「へーい」


「ちっ……」



それまで時々チャチャを入れる程度だったユキマサが、本格的に参戦してきやがった!


聖剣を振り回して迫って来やがる!



― ブオッ! ゴッ!



「きゃっ!」



聖剣の衝撃波がシャロンにかすり、シャロンは小さく悲鳴をあげた。


てめえ、雑な攻撃をするんじゃねぇ!


シャロンに当たったらどうすんだ!


そこからはシャロンとユキマサ二人がかりの攻撃!



「ふはははは、俺様の素早い剣撃がおまえに見えるかぁぁ!」



― ボヒュッ! ブファッ!



ユキマサの聖剣が危険な衝撃波を伴い襲い掛かる!


ぐぬっ、なんつー剛剣だ!


こんなもん俺の使う細身な魔法付与剣じゃ、受けた瞬間粉々に粉砕されちまう!


必死で除け、必死で受け流す。


鍔迫り合いなんて間違ってもできねえ!



― ブオッ!



「だめだ、このままじゃやられる!」



必要以上に手の内を見せないよう【縮地】も【身体強化】も使わずにいたが、これはいよいよ限界だ!



身体強化(ブーストアップ)三倍!」



― バシュッ!




スピード、パワー、動体視力、反応速度、それら身体パラメーターが一気に上昇した!


防御一辺倒だった俺が攻撃に転じる!


俺の動きが急に変わった事にユキマサは驚いた!



「な、なんだ!?この野郎、突然動きが!?」


「ユキマサ様、これはケンツの身体強化です!」


「身体強化!? やろう、そんなもん使えるのか!」



ユキマサと少々やりあって、こいつの戦闘力はだいだい理解した。


パワーは次元が違い過ぎてどうやっても勝てないが、スピードなら身体強化(ブーストアップ)三倍以上で上回れる!


本当は限界の4.25倍で勝負を決めたいが、後ろに控えている二人の召喚勇者をも相手にするとなると、どう考えても戦闘時間が足りねえ。(身体強化(ブーストアップ)4.25倍時の連続戦闘時間は約5分)


だけど三倍でも大技を撃たせないよう出来るだけ接近して戦えば、どうにかヤツに勝てそうだ!


そう、こいつの剣技自体は酷く未熟なんだ。


超一流の器を持つ36流のド素人って感じだぜ。


きっと強力な基本スペックに胡坐をかいて、トレーニングはしていなかったんだろうな。


召喚者特有の強化法、【レベル上げ】も怠っているようだ。


これなら超近接戦闘に持ち込めば多分勝てるぞ!


召喚勇者、恐るるに足らず!



「おりゃ!」



― ザンッ!



「ぬがっ!?」



やった、背中に一太刀入れてやったぜ!


て、あれれ?



「いってえええ!!!やってくれおったな、ケンツ!」



おいおい、痛がるだけでノーダメージかよ。


もしやヤツが身にまとっているのは聖闘衣(セントクロス)の類か?


だったら――



サンダースタビング(破牙の雷突)!」



魔法剣技の中でもそれほど溜めを必要としないサンダースタビング(破牙の雷突)


こいつで覆いのない喉元を穿つ!



「死ね、ごるぅらあああああああああ!!!!」



― ガッ! バチッ!



しかし俺のサンダースタビング(破牙の雷突)は、結界(シールド)に阻まれて弾かれてしまった。


くそ、この聖闘衣(セントクロス)。戦闘時は肌が露出している部分を結界で守るのかよ!


こりゃ十分に魔力を込めた技でないと倒せねえぞ!?


二番煎じだがホーリーフラッシュで隙を作るか?


だけどこいつ、戦いの最中もホーリーフラッシュ(聖なる閃光)を警戒しているのは見て取れたからな。


(はな)ってから対処されたら俺が逆に隙を与えちまう。


そもそも、シャロンにメンタルを削られまくったせいか、動揺してソーサリーストックがうまく発動しねえー!?


などと思案していたら――



― ザンッ!ザクッ!



「がっ!?」



突如、俺達の戦いに聖剣のニ振りが割って入り、俺の左腕と右脚をバッサリと斬り飛ばした!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうに「いいね」機能が実装されました!
いいね」は評価には一切関係がなくランキング等には反映されませんが、
付けられると嬉しくてモチベアップするかもしれません。
良ければ宜しくお願いします♪



ティラム逃亡記

【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】と同一世界・同一時間軸の連載中姉妹作品。
【ティラム逃亡記側】では第七章で主人公ユーシスとヒロインアリサがケンツと遭遇します。
【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】の休稿日は、どうぞこちらの第七章をお楽しみください!

【ティラム逃亡記】
幼馴染が聖女に覚醒したので勇者にストーキングされてます。現在全力逃亡中!
https://ncode.syosetu.com/n6702fz/



小説家になろう 勝手にランキング
♡♡♡♡♡♡♡♡
― 新着の感想 ―
[一言] うがぁ、ケンツさん痛そう! シャロンちゃんを助けに来たのに攻撃されるし、足手まといになるし…。魅了って怖い。 あと、糞共卑怯! あぁ、卑怯だから糞なのか(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ