第10話帝国軍試験 実技
ジャンテは魔帝国城付近の軍演習場に来ていた。
ざっと見て受験者は1000人ほどであった。
「ここが受験会場か。まずは実技らしいな。」
「おいそこを退け!愚民、俺の父は帝国軍の守衛部隊の少佐であるぞ!邪魔だ!」
「うるせぇーガキだ。ここは何の権力も通じない軍所有地だぞ。バカはどこにでもいるのだな。」
ジャンテがボソリとそういうとそれに気づいたお坊ちゃんは。
「貴様今この俺様の悪口を言ったな!決闘だ!負けた方がこの郡の試験を受験しないのでどうだ!?」
ジャンテはこれ以上相手をするのが面倒だったので、純粋な殺意を彼に向けると。
「ひぇっ!ごめんなさーい。」
と言いながら逃げていった、ズボンにシミが広がっていた事は黙っていることにした。
「よくきてくれた!諸君!今日は元王国の英雄がこの軍の試験をウケに来てくれたらしい。だから今回は特別なゲストを連れてきたぞ!!第四鬼人だ!」
会場がザワつき始めた。
「元王国の英雄は彼らに勝てないと軍には入れぬ!それぐらいやって貰わんと信用できんからのぅ!しかし!!もし全ての第四鬼人に勝てれば、第0部隊として我直属の部隊になってもらうぞ! 英雄の試験はエキシビションマッチとしてこれから40分後から始める、彼らの闘いが終わり次第貴殿らの試験を始めよう!」
会場からは拍手喝采と元英雄ジャンテと第四鬼人どちらが勝つかの予想でざわめいていた。
魔帝王の演説から30分がたってジャンテは第四鬼人と闘う予定の場所の近くまで来ていた。そこでジャンテは瞑想し己の精神を統一していた。
『第四鬼人か、確か語源は遥前に絶滅してしまった最強の部族、鬼族からとっていて、他とは格別した強さを持ち国の為に働いた英雄に与えられる称号か。今の第四鬼神は、タナト・エレボス 2つ名は暗闇の暗殺者、次にディオラ・ウーラ 2つ名は天空を駆けるスナイパー、次にレア・ケイレス 2つ名は絶対領域の守り人、最後にアスクレ・ミネルヴァ 2つ名は再生の武人、どれも強敵だ!考えるだけで力が漲ってくる!』
「それではーエキシビションマッチを開催しますっ!最初に入場するのはー、第四鬼人のメンバーの皆様だぁーー!暗闇の暗殺者......タナトー エレボス!!」
「元英雄と闘うのは楽しみだなー!」
「次にー、天空を駆けるスナイパー.......ディオスー ウーラ!!!」
「うちらに勝てへんやろー。どないやつがくるんかな?」
「次にー、絶対領域の守り人.......レアー ケイレス!!!」
「どんな奴が来ようとも儂の守りは貫けんよ!」
「最後にー、再生の武人.......アスクレー ミネルヴァ!!!」
「骨のある奴を期待しているよ!」
「それでは元英雄をご紹介!炎の戦士.......ジャンテーーー!!!」
それぞれの名前が呼ばれる頃には外野は熱狂の渦にあったー。
「ジャンテさんどなたから、相手をしますか?」
「.........全員と一気にやるよ、もちろん各自の武器を使う決闘方式でね!」
「な…な…なんとー、ジャンテさんは1人で第四鬼人全員の相手をするそうです。」
「魔帝王閣下宜しいのですか?」
「よいだろう、それではエキシビションマッチ、第四鬼人たい英雄!!初め!!」
魔帝王が叫んだ後、すぐに暗殺者のタナトがジャンテの影から飛び出てきて首筋にダガーを突き立ててきた。
しかしジャンテは落ち着いて体術で捌き、タナトのがら空きの腹に向かって蹴りこんだ。
タナトは蹴られた衝撃により吹っ飛ばされた。
ジャンテの意識がタナトに向かった瞬間にスナイパーのディオスは空に行き、武人のアスクレはジャンテへ駆け出していた。
ジャンテは魔剣に手をかけるとアスクレの正拳突きを裏に回りながら避け、魔剣を抜刀した、しかしその抜刀は空を切りアスクレはバックステップで間合いにいなかった。 すると上空から。
「上ががら空きだよっ!」
とチャージ積みのディオスの弓矢が高速で飛んできた、それをジャンテ飛炎斬を飛ばし迎撃した。
迎撃した瞬間を狙って、戦線に復活したタナトの投げナイフが飛んできたが、ジャンテは人差し指と中指で挟みそれをアスクレへ向けて投擲した。
アスクレ、投げナイフを叩き落とすと、タナトと息を合わして前蹴りをしてきたので、咄嗟に炎波を放ち、距離を空けさせた。
炎波を放った瞬間に飛炎斬の爆風に呑み込まれていたディオスが先ほどの倍の威力の矢を放ってきたので。
ジャンテは先ほどから魔力を貯めなかなか攻めてこないレアの股下に潜り込み、投げ上げディオスの矢に当たるようにした、レアはそれに気づき奥歯を噛み締めながらも結界魔法を展開して矢を防いだ、これによってディオスの視界が狭まり、その隙を着くためにジャンテはレアの影に隠れながら跳躍しディオスの側頭部に剣の鞘をぶつけ、ディオスを気絶させるのであった。
「ここでディオス・ウーラ様ダウンだ!!英雄第四鬼人の1人を倒したぞ!」
歓声は魔帝国に響き渡るほど大きかった。
ジャンテは隙を見せずにレアのとこへ向かうと、レアの大きな大剣を躱しながら喉元に強烈な肘打ちを入れえづいているうちにディオスと同じように気絶させた。
「ここでレア・ケイレス様も脱落だぁーー!強すぎる強すぎるぞ英雄ジャンテ!」
ジャンテは後タナト・エレボスとアスクレ・ミネルヴァを残すのみだが、この2人は実は1番警戒していた鬼人だった。
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