146話 ショタドワーフを勧誘したよ
プラナ達と、彼女達が住む工房へ向かった。
道中も、時々深刻そうに話してる。いや、そんなに嫌なら別に無理に来なくてもいいけどさ……。
到着したのは町の外れにある小さな小屋。だけど、高炉等々は小さいながらもしっかりしたものの様子。
一応、言っておいた。
「気が乗らないのなら、無理に連れてはいかないぞ? 拠点の連中に迷惑がかかるからな」
プラナが驚いて飛び上がり、激しく首を振った。
「そそそそそんなんじゃありません!」
……そうなの? それならいいんだけど……。
プラナはほぼ持ち物がないらしい。サハドの作業場に居候させてもらっていたということだ。
そのサハド、自分の作ったものを見てほしい、って言ってきたので見たら。
「おぉおおお!」
「え? これって、食器?」
この世界ではほぼ見かけなかった、陶器の食器を作ってた!
なんかさー、貴族は毒を気にしてなのか単に売ってないからなのか、全部、銀! なワケですよ。金持ちとか、金! 使ってたりするの!
でも、銀って、柔らかいから傷がつきやすいし、酸に当たると錆びるし、あんまり良くないんだよねー。
なんで陶器の食器作ってないんだよ、って思ってたんだけど。
「ふむ! ふむふむ!」
「気に入ったのか」
ソードが聞いてきて、頷いた。
サハドとプラナの顔が輝く。
「ただ、もう少し華やかにしてほしい。釉薬は使ってるか? 絵付けはわかるか? あと、形もな、もう少し凝ってほしいし、あと、ちょっと厚みがある。薄いのもほしいんだ」
たたみ込むように言ったら、ガクガク頷いた。
そしてソードが止めた。
「落ち着け! お前は興奮すると怖いんだよ!」
スーッ、ハーッ。
「……失礼した。そうだな、後知り合いにガラス職人はいないか? 拠点では酒を造っている。ガラス瓶も非常に重要でな。陶器の瓶に入れるのもいいが、出来れば色合いが分かる瓶に詰めたいのだ」
「あ、あ、それなら、俺、ガラスも出来ます。俺、土や石の魔術を使えるから。ガラスはあんまり売れなくて、食器の方が珍しがられて売れるから、こっちを作ってます」
少年ドワーフの手を取って言った。
「君、良かったら私達の拠点に来ないか? 陶器になる土が拠点にあるかはわからないが、土を探す手伝いはするし、そのために金も払おう。創作はしたいだろうが、とりあえず、注文したものを先に仕上げてくれるならあとは好きにしてくれていい」
「は、はい! 行きます‼」
即決。
「やった! サハド、これからも一緒だ!」
プラナが麗しい友情を見せている。
……あぁ、なるほどね。渋ってたのは離ればなれになることを惜しんでたのか。
交われないのが残念だね。いや、妖精さんだから性欲はないのかな?
短くなってしまいました。ストーリー的に前話にも次話にも入れるのが難しかったので……すみません。
これでドワーフの町編は終わります。そしてまた拠点へ戻ることに……。