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最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
国を巡る旅
20/43

さて、風呂から上がりさっぱりし俺たちは用意された服に着替え食堂へと向かった

しっかりとした布地、胸の部分に黒い紐がありそこを解くことで簡単に脱げれる物だケインの話ではゴブリンの皮でできた騎士が着るシャツらしい

食堂の椅子に腰掛けると並べられた料理を目にする、見たところ肉料理が多い

「どうぞお召し上がりください」

執事の一言で全員が食べ始める。濃い味付け、脂っこい肉、思ったよりもあの賢者は大食いらしい

野菜は焼いた鶏肉の付け合わせだけ、正直言って胃もたれする

飲み物で誤魔化そうとしてもワインしかも辛口、前門の濃い料理後門の辛口ワインとでも言うのだろうか

「地獄かよ…」

思わず呟きながらも必死に胃に詰め込んでいった


「うえ…気持ち悪ぅ…」

一歩くたびに料理が喉まで登る、しかも先ほどのワインで少しばかり足元がふらつく

次に連れてこられたのは樹木の中にある書庫、ディアが静かに本を読んでいたこちらに気がつき本をそっと閉じこちらへと来た

「お待ちしておりました。勇者様、お手数ですがギルドカードを拝見させて頂きたいのですが」

「なんすか?」

ギルドカードを渡すと興味深そうに呟き始めた

「魔力循環に剣の属性付与、そして物体生成。相性がいいな」

「相性?」

「ええ、魔力循環で周囲の魔素を魔力に変換し属性付与と物体生成の消費魔力を抑えています」

物体生成が魔力をつかう?つまりあの倒れたのは魔力を使い果たして血が足りなくなって倒れたってことか

「呉島様のステータスを見るに、ヴェノムドラゴンの悪性魔素と善性魔素の吸収血液による魔力回復と桐生様の魔力循環で多くて1日に使えるのは5つほどですね」

嘘だろ?俺のスキル弱くね?

「質問していいですか?魔法とスキルの違いについて知りたくて」

質問したのは桐生、確かに魔法は魔力を使うがスキルはどんなリスクがあるのかわからない

「スキルは身体の一部に負荷をかけることで人智を超えた力を得れるのですが、何度も使うと体が激痛などが起きます、魔法は精神で作り出した魔力で練り上げるものです当然精神が乱れれば威力は弱まります」

「あの、スキルってどうすれば覚えられるんですか?」

ディアは本を取り出すとこちらに渡した、本の題名はスキル習得法と直球な名前だ

中身はゲームの攻略本のようにスキルの名前と効果そして習得法が書かれている、アイテムボックスというスキルに目をつけ効果を見る

使用者の魔力に応じ容量が変化する倉庫、出た〜転生系特有のアイテムボックス〜大抵主人公が最初から持ってる奴、しかも何でも入る位でかい

「アイテムボックスですか…ちょうどスキルオーブが3つありますのでお使いになりますか?」

本を覗いていたディアは小さな黄色の玉を取り出した、それをお言葉に甘えて受け取る

「じゃあ、魔力の多い桐生と俺とレイナだな」

3人に渡すとリックが呟いた

「こういう時ってやっぱ魔法職が優遇されんだな」

「魔法職?何だそれ」

「簡単に言うと職業は2種類に分けられる。シーカーや剣士なんかのスキルメインの職業をスキル職、魔法使いやバッファーは魔法がメインだから魔法職だ、2つともステータスの伸びが変わるんだ、スキルを覚えるか魔力が増えるかの違いだがな」

スキルオーブの使い方は簡単、握って使いたいと念じるだけで使える

桐生たちの手が一瞬光った、握っていたオーブは黒く濁っていてただの石のように見える

「目を閉じてアイテムボックスを使ってください、そうすればどれくらいの大きさ見えますので」

「俺はロッカーか、結構でかいな」

「私はベッド」

「俺は、バケツ?しかも小さい」

うっそ、それなりにあると思ったんだがな

「これからどうなさいます?あのエルフの言った通り3日待たれますか?」

「そうしたいんですが、お邪魔になりませんかね?」

「いえ、どうぞお泊りください。私の祖父が勇者様には奉仕を忘れるなと教わっておりますので」

「ではお言葉に甘えて」

__________________________

「あーあ、なーんで俺の良いように動かないかなぁ」

「まぁそう言うな、ロッカーの大きさで普通より多いぐらいなんだし」

「でもレベル20位でこの大きさか」

俺のアイテムボックスはグレネードと回復薬を3つ入れるだけで入らないくらいだ

ケイン、リック、橘、レイナはギルドハウスでクエスト探しに

俺、桐生、エルザは村の鍛治師のおっさんの言う通り設計図をこの街のネウスに渡しにきた

「ここか」

ネウス武具店と書かれた看板を掲げた店に入る、中は薄暗く何やら奥から音がする

「すいませーん、ネウスさーん?」

奥の方に向かうと熱した鉄を小さいハンマーで叩く小柄な男性、炉から溢れ出る熱に気圧される

がーん、がーんと規則的な音

「なんだ?悪いが後にしてくれ、武器の修理ならテーブルに置いててくれ」

「後にするか、近く魔術店に行くか」



エルナのギルドハウスにて

酒と肉の匂いが立ち込める建物の掲示板を覗いていた橘ははぁとため息をついた

針で止められた紙にはクエストの概要と発注者と報酬金。基本銀貨が10枚程、やはり報酬金が多ければモンスターが強そうになってる

「人狼…ウッズモンスター、コカトリス。倒せる気はしないな」

大抵のファンタジー小説のボス枠のモンスターだとてもじゃないが挑む気にはなれない

「とりあえずこの3つだな」

ケインは3つの羊皮紙をテーブルに並べた、1つは付近の山賊団の殲滅、もう1つは商人の護衛、最後の1つは魔術店の霊薬の材料収集

「霊薬?なんだそれ」

「飲むと身体能力が上がったりする特殊な薬、中毒性や身体の負荷に見合う物が少ないから使う人は少ないの」

橘の質問にレイナが答えた

「もちろんその中毒性を抑える薬やスキルなんかもあるわ、ただ体が薬に操られるようで嫌いな人が大半ね。スキルが少ない人は霊薬を使うのが多いわね」

「へ〜因みに商人の護衛はどこまで?」

ケインは羊皮紙を見て頷き口を開いた

「平原の街、シゲイだなここから3日程度。その上報酬が金貨10枚とプラス討伐制」

「じゃあこのクエストで良いんじゃないか?」

「だが出発がエルフの言った日だな、一応クエスト受注はしておくか」

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