森の街
俺たちが盗賊たちの襲撃に対応しているとエルフが飛び出てきた
「早くそこの木の裏に」
エルフの言う通り木の裏に行くと何やら地面に魔法陣が敷かれている
「その上に乗れ」
全員が乗れるほどの大きさのそれに乗るとエルフが何やら詠唱する、必死に聞き取ろうとするも何やら声が重なっていて聞き取れない
盗賊がこちらに来ると矢を放つが何かに跳ね返される、それに驚いた1人が剣で斬りかかろうとするもやはり防がれる
すると光が魔法陣から放たれ俺たち達を包む、徐々に光が強くなり目を閉じ
目を開けると森林ではなくそこは石の壁のまえだつた
「転移魔法?!!」
ケインが驚愕の声を上げる、エルフが腕を伸ばすと空間がえぐれ白い何かから馬車などを取り出していった
「私はもう行く、ここに3日残れそうすれば道が示されるだろう」
そう言い残しエルフは消えた
「転移魔法に魔力倉庫、その上馬車もしまえる…エルフの魔力は無尽蔵か?」
「早く街に入るぞ、ここだとすぐモンスターが来るぞ」
石の壁に木製の門が取り付けられており夜中であるためモンスターが入ってこないようにしまっている、リックは横にある金属の扉を叩き中にいる門番を呼んだ、すると鉄の鎧を着た男があくびをしながら出てきた
「どちらさんで?今日は門を開けれないぞ」
「ここにいるのは勇者様だ急ぎの用でここにきた開けてはくれないか」
門番は目を見開き驚いている、すると奥に仲間がいるのか大声をあげた
「ダナー様に勇者が来るって聞いてるか?」
「ああ?んなこと聞いてねぇよ」
門番は訝しげにこちらの顔を覗く、これ切りかかってこないよな?
「門を開けてくれ、私の客人だ」
その声で男はまた目を見開いた、男の視線の先には緑色の髪をし白い服をきた少年が立っている、かつかつとブーツで石畳を鳴らしながら近づくその堂々とした姿勢に俺よりも年下みたいだが威厳を感じ無為意識に背筋を年伸ばす
「ようこそいらっしゃいました、どうぞ街の中にお部屋を用意しておりますので。ダニエルよ馬車を頼めるか?」
少年の声に兵士は返事をし馬車に乗った
ガラガラと歯車が回り出し門が上がっていく、最後かまで上がるとガッと言う音を立て止まった
少年は歩き出したので俺たちも後ろをついていく
住宅街は静まり返りあたりに光はない
「私はディア、エルナの街を統治している賢者でございます」
「ディア様、なぜ我々が来ることがお分かりになられたのですか?」
ディアと名乗る少年はエルフと同じく何処からか本を取り出し開く、すると紙が浮き上がり映像のようなものが流れる
「これは私の使い魔の見ている物を映すスキル、視点共有です。これを街の付近に設置しモンスターの進入などを監視しております」
話を聞きながら進むと到着したのは周りよりも大きな樹木、それを囲うように作られた屋敷に入っていく
案内されたのは大部屋、ゲストルームにでも使っているのだろうソファーとテーブル、装備かけの横に作られた棚には花瓶が置かれある
高級そうな家具に慄きながらソファーに座る、柔らかな生地に飲まれ睡魔に襲われたが必死に抗う
「部屋の扉は個室ですのでそこでお休みください。では、私はこれで。朝食が出来た際に執事をよこしますので」
「ありがとうございます」
ディアが出て行くと全員がはぁと一斉にため息を吐く、先ほどの山賊たちの襲撃に謎のエルフ
何が起きているのかわからない。そしてなぜあの時、山賊と戦っている時に視線が動いたのか
「しかしあのエルフすごいな、エルフがいるだけでも凄いのに魔力倉庫も持ってる。あと3日待てば道が示されるって言ってたし持ってみるか」
「エルフって珍しいのか?」
リックの言葉に疑問を投げる
「エルフは前の戦争の時に何処かに消えたんだ、魔王軍側についたとか悪性魔素にやられて何処かに移住したとか噂されてな。あ、悪性魔素ってのは魔法を使うには魔力がいるだろ?魔素は魔力の元、魔素にも三種類あって、モンスターとかが吸収する魔素が悪性魔素で人間が吸収できるのが善性魔素、あと神聖魔素って言うのがあるがこれは神しか吸収出来ないんだ」
「じゃあ、もうエルフはいないのか?」
「一応、ハーフエルフならいる」
「ハーフエルフ、人間とエルフの子孫のことか」
「あと獣人やドワーフとかの亜人種とエルフの子孫を一括りにハーフエルフって言う」
話しているとエルザが急に立ち上がり机を叩いた、びくっと身をすくめるとエルザはにんまりと笑った
「難しい話はあと!今は寝よ!!」
「ふわぁ、そうね、私も寝るわ」
レイナの賛同に俺たちも装備を外しそれぞれの部屋に向かった
個室は質素で必要なベットと小さな机、四方に置かれたランプがついている
とりあえず俺はベットにダイブし目を閉じた
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竜の少女はいつものゴスロリドレスではなく赤黒い鎧を纏っていた、拳には俺がウッズウルフと戦った時につけていたガントレットをつけている
「喜びは慈悲、怒りは殺意、悲しみは憐れみ、楽しみは策略、すべて他の者に与えるもの。だが恨みは毒だ
もっている者を殺すならば我を忘れろ」
「は?何言ってるんだお前?俺はな認めたくはねぇが弱いんだよ、リックみたいに剣が上手いわけでもエルザみたいに銃が上手いわけじゃないんだ、お前が必要なんだよ」
「貴様のような他力本願な者は虫酸が走る、いつまで他人にすがる!自分の弱さを糧にしろ!塵とて貴様より役に立つぞ!」
少女の怒声に臆する、アリサが言うたび鎧は赤黒い霧を吐く
「な、なんだよ!俺だってよ!こんな野蛮な世界なんか知ったもんか!俺はもともと勉強も出来なきゃ運動もできねぇ!こんな俺がなんの役立つんだ!お前こそ、俺の体から出てけよ!勝手に入ってきて鼻折ってよ!」
「ならば、今起きろ!そして稽古をしろ!儂を使うな!」
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「意味わからん」
顔を垂れる汗を拭いベットから立ち上がる、昨日山賊と戦っている時と同じくズキズキと痛む頭
アリサのあの態度の変わりように何か関係あるのか?
リビングに向かうとテーブルに置かれた本を皆が囲んでいる、その本を覗くとヴェノムドラゴンについて書かれていた
桐生が本を読んだ
「おお、起きたか。あの女についてわかったことがある、ヴェノムドラゴンは感情竜と呼ばれる特殊なドラゴンで人間の感情を捕食し強くなる。」
そして、と区切るとこちらを見た
「勇者に敗れ、一部は呪いとして今も生きている自分を復活する為にな」
「て事は、アリサはただの一部って事か?」
椅子にどかっと座り答える
「いや、それがな。普通の呪いは掛かると精神が崩壊するんだがなお前はスキルを使った時に暴れるくらいだ」
そこでふと思い出した先ほどの夢はアリサの警告だったのか、けど自分を復活させる為に生きているのに?
「復活させて仲間にすればいいんじゃないか?」
「それがな、ヴェノムドラゴンは魔王と帝国側のモンスターなんだ。それにお前に乗り移った時から見ても好意的とは思えない」
うつむき考えているとドアがノックされた、リックがドアに向かい数分ほど話すとこちらに戻ってきた
「とりあえず風呂入って飯食って考えるぞ」
それに従い椅子から立ち上がりドアへと向かう、廊下を見渡すと昨日は暗く気づかなかったが屋敷の中庭は青い芝生が敷かれ所々に訓練用の案山子が置いてある
リックが進んで行くのでみんなに行くぞと促し歩む、後でみんなに銃を渡して練習しておくか
橘と桐生はM4でいいとして、エルザはドラグノフ、レイナはTMPケインはスーパーショーティーでいいか
スーパーショーティーとはアメリカの警察が使う小型のショットガン、ポンプアクションなのだが小型でアクションレバーにグリップが付いており扱いやすい、盾を持つケインには合うと思う
TMPは小型のサブマシンガンスーパーショーティーと同じく扱いやすいので杖を持っていても使えるだろう
まぁ、M4とドラグノフは有名だと思うので説明は割愛する
M4はアメリカが使ってるアサルトライフル、ドラグノフは狙撃銃という認識で十分だ
ミリオタの知識自慢はそこそこにして風呂についた男女で別れ脱衣所にはいる
「なぁ、この世界で風呂って普通なのか?」
「普通は週一で垢まみれの大衆浴場、冒険者は金払ってクエスト終わるごとにギルドの風呂か湖で済ませる」
一般的な日本人である俺はギルドの風呂にはお世話になると心の中で誓った
風呂の浴槽は銭湯ぐらいの大きさで窓から朝日が注がれる
何気なく湯船に浸かるケインとリック、スキルで風呂桶を作り出し湯を体にかけてから湯船に入る俺たち
やっぱ異世界と違いあるんだな
「この後飯を食ってから少し銃の練習をする、それが終わったらあの村の鍛冶屋に言われた通りあれを渡しに行く」
「じゃあ渡しに行くとき俺と橘でギルドハウスでクエストを受けに行くぞ」
今日もやる事があるのか、数日前なら授業の時間で妄想していたな
それが一転してやばい竜と弱いようで少しは強いスキルと数人の仲間でモンスターを狩っている
まだ強いなら良いものの一般人と同じくらいの強さ、どうすれば強くなれるんだ?やっぱレベル上げだよな
投稿サボってすいませんした!今後も投稿遅れるかもしれませんが基本金曜の10時には出しますので