最強チート(笑)と使えない知識
「もう直ぐ着くぞ、準備しとけ」
「あいよ」
返事をしてM4A1を背囊から取り出す、オークとの戦闘の際にUMPでは火力が足りないと考え昨日の夜に作っておいた
初めて物を作ってぶっ倒れた次の日から寝る前に弾丸やマガジンを作っておいた、夢の中でのアリサが教えてくれたのだが。俺が作れるのは構造がわかるもの、電気機器などは簡単な物は作れるがスマホやテレビ、ミサイルの制御装置などのどんなパーツが使われてるのかすらわからないので作っても中身は空っぽなレプリカだ
だが良い点はある、材料を考えなくていいことだ。例えば弾の火薬の量や配合等を考えなくていいのは楽だ
折角なので弾だけでなく銃も作った、桐生に作ったAA12とM4A1。
「これなに?」
「銃って言う俺らの世界で使われる武器だ」
M4A1をリロードしているとエルザ横から訪ねてきた、よくあるなろう系が銃を作った時にヒロインとの問答ができた、このまま俺のステータスが高くなれば…
と思いながらホロサイトとグロッグのマウントレールを作る
昨日作っておいた六角レンチでマウントレールを固定しホロサイトをつけ構える
「うーん、いいな。エルザ持ってみろ」
「うん!」
エルザに渡すと俺と同じように左手で構えてみたもののしっくりこないのか右手で構え直した
「どうすればいいの?」
「まずはこれを下から入れる」
マガジンを渡すとするりと入れた、初めてにしては上手いな。
「そしたら上のスライドを引く、でしっかりと両手で構えて両目でサイトを見ろ」
「サイト?上のこれ?」
そうだというと、覗いた。そしてトリガーを引かせたら大きく反動で仰け反った
「うわぁ!!すっごい!!これがクレッシーの世界の武器なの?!」
「く、クレッシー?」
「そう!呉島だからクレッシー!」
とエルザからグロッグとあだ名を貰ったのだった
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俺らは村につき適当な宿に馬車を預け部屋に荷物を置いて宿屋の前で集合した
「よし、じゃあモンスター討伐行くぞ」
「待て、まずは依頼主と挨拶する。でそこから情報収集する、勇者はそんなことも知らないのか?」
ケインが棘のある言い方で反論した。ま、まぁ元の世界じゃクエストとかないし、俺中学生だし
「いや、ん、まぁ。俺ちゃん元の世界の知識ならあるし」
「特撮とアニメと銃だけだけどな」
橘が茶化しこの話は終わった、チートも制限付きだしステータスは一般人だし知識はないし
せめて何かできるようになりたい、なんて考えながら村長の家に入った
「よくぞいらっしゃいました、私共の家畜や作物が荒らされておりまして」
「それはわかっている、荒らされた作物は?」
ケインが本を取り出し聞いた
「牛と麦が荒らされておりまして」
「牛の傷は?剣か?」
「いえ、鋭い爪でズタズタに」
「他に情報は?」
「誰も見たことがないそうで。いや、ああそうだ、村の加冶屋が見たと」
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「あれは狼だ、緑の瞳の群れ狼の群れ。どこからともなく現れて仲間を食い殺したんだ、必死に村に逃げて俺は無事だったんだが…」
この村の加冶屋の話ではいなくなった子供の捜索に行ったら狼に襲われた
ケインが本をめくりあるページを開いた、それを覗き込むと 狼の絵が描かれていた
「多分、ウッズウルフだろう」
「ウッズウルフ?なんだそれは?」
「木に擬態できる狼だ、俺らも不利になるが夜に戦うのがいいな。その前にリック、森に入るぞ染料を作る」
「俺もついていっていいか?」
俺の提案にケインはこちらを向きもせず好きにしろと言いい森へと向かった
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俺の武器はM4A1とスモークグレネードとグロッグ
グロッグとM4A1にはフラッシュライトをつけ暗視対策はできている、スモークグレネードはフラッシュバンの変わりだフラッシュバンは燃焼ガスを出すので木に燃え移る可能性もある
「ケインさん、なんで染料必要なんすか?」
「ウッズウルフの擬態能力を無効にするためだ、それにここの薬草ならオイルも作っておけるからな」
「オイル?料理でもするんすか?」
ケインは、はぁとため息をつきこちろを向いた
「オイルは悪霊とか実体のないモンスターを攻撃できるようにしたり特定の種類のモンスターに有効なものだ」
「特定の種類のモン「しつこい!」
と、俺の質問攻めにキレたケインの一喝で終わった
いや、まぁ、俺ちゃんあんま知らなかったし〜、と隠キャ特有の距離感のつかめなさで空気が悪くなった
しばらく歩くと緑が続く中オレンジや赤などの花が咲いている
「つぼみを取れ、花弁には触るな色がつくぞ」
ケインの忠告通りつぼみだけをポーチに詰めていく。するとワオーンと狼の咆哮が聞こえる、それに共鳴し別の方向からも咆哮が聞こえて来る
M4A1を構えサイトを覗く、探索とつぶやきウッズウルフを探す
「静かにしろ、あいつらは目は悪いが音に反応する」
「匂いに反応は?」
俺の質問にケインは声を抑えていった
「匂いにも敏感だがこの花のお陰で大丈夫だ」
「どうする?囲まれてはないが近くにいるのは確かだ」
リックは冷静に辺りを見回し言った、適当な石を取り木に投げるその音に反応した透明な一匹が爪で切り裂いた
「呉島、爆薬は作れるか?できるだけ強力な物」
「作れるが、さっき作ってあと3つ」
ケインは頷き策の一つを説明した