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最強チートの持ち腐れ  作者: 三波 秋弘
異世界での生活
10/43

恨みすらも喰らう

そこは竜の腹の中だったある者は剣を持った騎士だったまたある者はまだ5歳ぐらいの少女だった

だが皆目は黒く濁っている

「ふざけんな!!!!」

「クソ野郎!!!!」

辺りを見ると男が2人殴り合っている拳からは血が溢れ原型を留めていないここでは普通なのか誰も興味がないような目をしている、光がどこからか溢れる

皆一斉に光の方向を向き走り出す、そこにあったのは()()だった。それを一心不乱に貪る者たち

「地獄かよ…」

いや、地獄だ昔見た地獄を元にした小説よりも悲惨で凄惨なここで生きるのは人ではなく恨みという感情だ

なんでこんな事がわかるのか、ただここは暗くなにも考える気になれない。

「なんで…私がここに…」

ふとか細い少女の声が聞こえたその方を見ると、その少女は一度だけ会い最も覚えている竜の少女(アリサ)だった

「お父さん…お母さん…会いたいよ」

消え入りそうな声で腹の隅で震えているアリサに声をかけようと手を伸ばしたが触れられない俺の手が半透明になりアリサの体をすり抜ける

「おい、アリサ!」

焦り大声を出すも聞こえていない

「安心しろ、お前は助ける」

「誰だ?!」

中で声が響く、誰かわからないが1つだけわかった。この助けるというのはアリサの事だ

直感的にそう感じた俺は不意に意識が飛んだ

______________________________________________


「どうしたぁ!!!攻撃が遅くなったぞぉ!!!

怒号で目がさめる、目の前に迫る大剣を腕が自分の意思があるようにいつの間にか生えていた爪で防いだ

(ほぉ、まさか理性を取り戻すとわな。体を少しばかり借りたぞ)

「えっちょ!」

急に腕に重い物が乗っかる、大剣を振りほどき首を狙うが防がれるどうする…

「怨竜爪技、怨怒一心!」

なんだ?急に言葉が浮かんだ、叫ぶと爪が黒く染まり怪しげな液体が滴るそれを一閃すると剣はドロドロに溶け出し左の爪を大男の顔面に突き刺す

(ふふふ、はははは!!!でかしたぞ!!)

唐突にアリサの声が響き半透明の何かが体から出るそれは大男の死体を飲み込んだ

「ふふふははは!!!ワシの体よついに完全復活したぞ!!!」

「お、おいアリ「黙れ」

ドゴオとアリサの拳が俺の鼻を殴る、ボキボキと完全に骨が折れた音が聞こえるあまりの激痛にのたうちまわりアリサを睨む

最初に会った時と同じゴスロリドレスを着ているが変わったのは翼が酷く傷が付いている

「おいごら!!待てや!!」

突然発砲音が響く、その方向を向くと橘がグロッグを構えていた俺をちらっと見ると顎で後ろに下がるよう促した

「たかが鉛の塊を飛ばす程度の物でワシに勝つとでも?」

「うるせぇ!!」

グロッグを連射するも爪でいとも容易く防がれる、治癒魔法で鼻の痛みは引いた物の骨の形はまだ治らない

「いまだ!!エリック!!!」

「次元斬り!!」

アリサを囲っていた盗賊たちの間から何者かが飛び出し剣を振るった、アリサはそれを避け剣を爪で切り刻んだ物の爪も同じくヒビが入り砕けた、このままではまずいと思ったのかアリサはその場から離れ俺の体に戻った

「なんだったんだ?一体…」

「呉島、後で話を聞かせろ」

「お、おう」

桐生のいつもより低い声で言った、エリックと呼ばれた少年はアリサの爪の破片を拾い上げまじまじと見つめる

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