表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Bubble  作者: ハラミソ
_Magic
2/6

1_Meeting

『Magic』始まります。

転生ものではなく、現代に魔法が付加され再編された世界を描いていきます。

私はこういったものを”世界再編系”と呼ぶことにします。

折角のご縁です。私は皆さんを全力で引き込みたいと思っています。

どうぞ最後までよろしくお願いいたします。

まずはプロローグでもあります『Meeting』から。

僕は、この世界が好きだ。

漫画にゲーム、音楽。ハマれば時間はあっという間に過ぎていく。

漫画は少年ジュンプを読んでいて、ゲームはモンエゴ。来月には最新ソフト”魔法世界アスカ”が出る。

でも将来があるし、勉強はしないといけない。


小さいころから暗記は得意だったから、図鑑の内容はすぐに覚えて暗唱できたりした。

数学も解法を丸暗記して、試験はやり過ごしていた。


高校受験も第一志望に受かった。

だから、成績はみんなが思っているほど悪くない。むしろいい方だと自負している。



部活は写真部に入っている。

写真を撮っていると自覚する。僕が撮っているのは、ほんの一瞬で、替えの効かない宝なのだと。

だから、撮る写真は必要最低限にして、全部現像するのが僕のスタイルだ。


最近撮った中でお気に入りなのは、『シャボン玉』。シャボン玉はすぐに消えてしまうけど、この写真では永遠だ。だから、最近はシャボン玉のことをずっと考えている。



夏休みに写真部全員で旅行に行くことになった。

目的地を決める議論が展開され、部室はいつもに増して盛んだった。


 「俺は、夏だから自然が多いところがいいな。」


開口一番にそう言ったのは、同級生の岡田玄だった。

幼稚園からの仲で、ガキ大将という言葉がとても似あう。偶にケンカはするが、最後にはきちんと仲直りする。いい奴だ。


 「嫌よ、海がいいわ。夏の山は虫がすごいもの。私、虫は嫌いなの。しかも、海の方がきっと涼しいわ。」


すっと割ったのは、東堂麗華。

彼女は、学校創立以来トップの才女と言われている。天は二物を与え、写真の才能もあり、グランプリを総舐めにしている化け物でもある。


議論は続いた。

しかし、困ったものだ。人数的にも十対十で、山派と海派で割れてしまった。

お互いに引く気配がない。硬直した空気が部室に漂う。



 ガラガラッ



その空気を外へ逃がしたのは、副顧問の田中だった。


 「先生、山と海どっちが好きですか。」


と後輩が元気よく聞いた。圧倒された田中は、


 「うむ、、、。どちらかと言えば、海だな。」


議論はここに終結した。

東堂らはガッツポーズ。岡田や僕は無念だった。

状況が掴めない田中は不思議そうに部員を眺め、入り口に立ち尽くしていた。




夏休み本番。顧問の花松先生と副顧問の田中が引率し、僕たちは海へ向かった。

ただ、今日は魔法世界アスカの発売日。わずかに僕のテンションは下降していた。


次回、Bubble_Magic_2

乞うご期待。

感想等ご自由にどうぞ。お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ