第二話 無色と無音の出会い
2話目にしてやっとこなろうのシステムを理解したので今回からちゃんと書けてると思います!
色音
第二話 無色と無音の出会い
日本のいい所はなんですか?と突然聞かれたら、どう答えるだろう。
ありきたりな答えを言うなら、四季って言うんだろうか。
でも、俺はそんな答えは出さない。
なぜなら、
「クソ暑い・・・」
俺は夏が大嫌いだからだ。
ほんと、誰が四季がいい所。なんて言い始めたんだ?
近年は地球温暖化だかなんだか知らんが、年々平均気温が上がってるらしい。
毎日ジメジメしやがって、あーくそ、遠くの景色がゆらゆらしてきやがる。
まだ6月手前という夏本番には程遠い時期だというのに、何だこの暑さは。死んじまう。
このめちゃくちゃな暑さの中、必死こいて歩いて最後に着くのは学校。
その学校も、省エネとやらでエアコンもまともにきいちゃいねえ。
以前、雨上がりに虹を見て、雨もいいもんだな。とかキザったらしい独り言を垂れ流したあと、素直に家に帰って、家族と団らんして、部屋では碧にテレビ電話をかけてノートを写させてもらった。
それから一ヶ月がたち、毎日くだらない日常をだらしなく過ごしている。
一ヶ月という時間は、人を環境に慣れさせるのには十分な時間で、先月までは二年生になりたてだった俺達も、二年生として慣れてきていた。
部活動の生徒達は、新入生というピカピカの一年生部員を獲得する為に、日々そこら中を駆けずり回っている。
そんな中、美術部の幽霊部員こと俺は、放課後になるなり即帰宅という陰キャムーブを繰り広げていたんだが・・・
「鳴瀬」
「はい?」
いつものようにさっさと帰ろうとカバンを手にした時、担任に名前を呼ばれ困惑する。
「ちょっと手伝って欲しいことがあるんだ」
昔から思ってたが、どうして先生というものは生徒の手を借りようとするんだ?
ましてや立場的に生徒側は断りにくいし、普通に職権乱用だろ。
と、心で毒を吐きつつ
「内容によります」
なんて、生意気な答えを返しつつ、妹に今日は少し遅くなるという旨を、メッセージアプリで送信したのであった。
「あのさ、先生」
「どうした鳴瀬?」
確か、ちょっと手伝って欲しいって言ったよな?
なのに、なんで俺の目の前にはこんな大惨事大戦が行われたあとのような光景が広がってるんだ?
「まさかこの大惨事な部屋を掃除しろとか言いませんよね?」
半笑いで問いかける。
すると先生は、真っ直ぐにこっちを見つめ、ニコッと笑って。
「頑張ろうな」
と、軍手とマスクを渡してきた。
「・・・」
待てよ。俺はさっき内容によりますって言った。
つまりここで断って帰ることもできる?
「なぁ、鳴瀬」
よし、こうなったらさっさと断わって帰るぞ。
「先生、これはちょっとの範疇を超えてると思うんですけd」
「お前いつ部活来んの?」
「やらせて頂きますこんちくしょう!!!!」
この野郎!部活を盾にするなんて卑怯だぞ!
鬼畜教師め!
なんて、先生相手に俺が気兼ねなく悪態をつけるのにも理由はあるんだ。
この人は林堂和樹、見た目は一言で表すなら一般男性といった感じで、むしろそれ以外に言えることは無いほど普通の人だ。
普通の人なんだが、人柄が良く、何故だか人望もあるせいか、部活の事を人質にしてくる酷い性格をしているにも関わらず、教師という立場にいる。
俺のクラスの担任であり、俺が所属する美術部の顧問でもある。
実は、この人と俺は中学からの仲だったりするんだが・・・まあそれはまた今度にしよう。
今はこの半ば強制的に手伝わされることになった物置部屋と化している空き教室の掃除が優先だ。
「とりあえず、床に散らばってるプリント類は、全部シュレッダーにかけて処分。そこの本棚のデッサンブックはー・・・まあ全部処分でいいか。とにかく、最優先で床を発掘しろ、その後に箒がけな。」
おい、その作業を全部俺一人でやれって言うのか。
さすがに無茶だろ。
「もちろんこの作業量を一人でやれとは言わないから安心しろ。もう一人助けを呼んである。」
こいつ、無駄に手回しが良いな・・・
「あとから合流するみたいだから、先に始めとけ」
「あれ、先生はやらないんですか?」
「何言ってんだお前、先生は忙しいからやるわけないだろ?」
「手伝い頼んでおいて自分はやらねえの酷くね!?」
さすがに横暴だろそれは。
「幽霊部員のお前と違って、俺は顧問だからな。部活を見ないといけない義務がある。悪ぃな」
「ぐっ・・・」
何も言い返せねぇ!
「じゃ、よろしく。箒がけまでやったら帰っていいからな」
先生はそう言い残し、軽快な足取りで消えていった。
「はぁ・・・」
こうなったもんは仕方ない、やるか。
作業を始めてから三十分程だっただろうか。
床に散らばっていたプリント類は、全てまとめて窓の傍に置いて、本棚のデッサンブックを全部ゴミ袋にまとめて、とりあえず廊下に置いた。
途中、とんでもない埃と、小さい蜘蛛に驚き、苦戦しつつも、床を発掘することが出来た。
というか、ここ美術部の物置だな?
脚が折れて使えなくなった画架や、色褪せた画用紙が部屋の隅っこに見える。
今となっては灰色の思い出だが、こうやって見ると懐かしく感じるものだ。
っと、感傷にふけっている場合じゃないな。
さっさと箒がけして、プリントを処理してしまおう。
そう思って掃除用具入れのロッカーを開け、箒を取り出そうとした時だった。
ガララ
「ん?」
教室の扉が開き、誰かが顔を覗かせたのだ。
そういえば、もう一人手伝いを頼んだって言ってたな・・・
そんなことを思い出し、三十分も待たせやがってこの野郎、という思いを込めながら扉を開いてやる。
「・・・・・・?」
まず困惑だった。
先生のことだから、てっきり男子生徒を呼んだものだと思ってたから、目の前に女の子がいることに驚きを隠せなかった。
その次に、俺は目の前の女の子を見た事があった。
先月、この別棟で衝撃的(物理)な出会いをした黒髪ロング美人さんだ。
その女の子は女の子で、突然勢いよく扉を開かれたことに驚いて目を丸くしてるし、俺の顔を見てさらに困惑してる。
さて、どうしようこの状況。
とりあえず、真っ直ぐ俺の事を見つめるのをやめてくれませんかね。
この子はなんなんだ?
驚いたらとりあえず相手を見つめて気まずい雰囲気にさせる訓練でも受けてるのか?
だとしたら結構性悪だぞ?
いやでも、見た感じ気弱そうだし、ここに来たってことは手伝いをしに来たんだろうし、警戒させないように・・・
「えっと・・・林堂先生に頼まれた人・・・かな?」
よし、当たり障りのない言葉だ。
彼女いない歴イコール年齢の俺でもこれくらいの気遣いは出来るさ。
でも待てど暮らせど、彼女の反応はなかった。
顔を真っ赤に染めて俯いてもじもじしている。
・・・なにそれ?俺そんな恥ずかしい事言った?コミュ力ないのを見透かされて笑われてる?
そんな心配をしていると、ゆっくりと彼女が動き出した。
プルプルと震えながら、右手を前に突き出してくる。
「え、ええと・・・え?」
わからない、わからないわからない。
何それ?拒絶?こっち来ないでとかそういうやつ?さすがに無言の拒絶は傷つくからなにか意思表示をお願いしますほんと。
「・・・ん?」
と、困惑しながらも気づいた。
彼女が差し出してきた右手に紙が握られていた。
サイズは、子供をおつかいに行かせる時に持たせるメモ帳くらいの小さい紙。
「これを、読んでってこと?」
彼女に問いかけると、こくんと小さく頷いた。
なるべく手に触れないようにしながら、紙を指先でつまむ。
しっかりと受け取ったことを確認した彼女は、直ぐに手を引っ込めてしまった。
綺麗に折りたたまれた紙を開き、目を通す。
そこに書いてあったのは、
【遅れてごめんなさい。林堂先生にお願いされて、手伝いに来ました】
という文。
これを見て、薄々感じていたことが、確信に近いものに変わる。
「もしかして・・・」
でも、聞いていいものなのだろうか。
なんて考えは全くなく、俺はただ無神経に口を動かしてしまっていた。
「・・・喋れないのか?」
続
はーい鈴ほっぽです。
つい先日初投稿したばっかりですが、思いのほか筆が乗ったので連日で二話目投稿です。
少し短いかもしれませんが、今後は一話をこの位の長さでやっていこうと思います。
更新頻度に関してですが、かなり気まぐれなので、間が空いてしまうことが多いかもしれませんが、許していただけると幸いです。
さて、少し作中について触れていきましょうか。
この色音という作品において、キャラの容姿についてあまりはっきりとは書いていないのには理由があります。
とてもくだらない理由なのですが、私って挿絵をかけるほど絵心がなくて、しかもキャラの見た目を文で説明するのがすごく下手くそなのです。
なので、大まかな見た目だけ書いて、細かい部分は皆様の想像力におまかせしようという、とても卑怯なことをしています。
これに関しては、書いていくうちに上達することを願うのみですね。許して。
とまあそんな感じのことを書きつつ、今回はここまでにしようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




