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ヤクザ逃げる


そうだ!倒してもらおう!


「ヤクザさん、本当にやるのですかぁ!?」


「当たり前だ。どうせここで死んでしまうなら。賭けに出たほうがいい」


「ヤクザさんは、勇者の恐ろしさしらないからそんなことがいえるのですぅ!勇者と接触したら死んでしまうかもしれないのですよぉ!?実際に悪の子が滅されているんですかぁ!?」


「だが、勇者ならヘビモスを倒せるかもしれないんだろ?なら、倒してもらおうという発想につながるのは当然だろうが」


「嫌ですぅ!嫌ですぅ!殺されたくないのですぅ!なんで私が勇者を呼ばなきゃいけないのですかぁ!」と駄々こねるリタ。


「いや、なんでヘビモスさんを怒らせるようなことが出来て、勇者を呼ぶことができねーんだよ!ヘビモスさんを怒らせることが出来るお前なら、ピュアな精霊のふりして善良な国民がヘビモスに襲われているって唆すぐらい朝飯前だろ!」


「そんなことできませんよぉ。まだ、顔がわれていないヤクザさんはともかく私のことは勇者に知られているのですぅ!見つかった瞬間、私殺しにかかられますぅ!」


いやいや、流石にそれは無いだろ。…ないよな?まさかとは思うが、勇者に何かしたのか、こいつ?ヘビモスを怒らせるこいつのことだからありそうで怖い。


「とにかくお前がヘビモスさんを怒らせたんだからそのぐらい責任を持て!勇者をここに連れてくことだけを考えろ!あわよくば、ヘビモスさんに擦り付けれたら、戦闘で勇者が疲れて逃げる隙が出来るかもしれないだろ」


「ハッ!その手がありましたか!それなら、上手くいけばヘビモスと戦い疲労困憊の勇者も倒せますねぇ!流石ヤクザさんゲスイですぅ!」


「うるせー。誰のせいでこうなっていると思っているんだ!あと、勇者は倒さないから!出来てもやらないから!いいから勇者を俺のところに呼び込んで来い!俺の命はお前にかかっているんだぞ!」


「今度こそお任せくださいー!」


リタは、圧倒的なスピードで俺とヘビモスから引き離し、勇者が住まうという都の方向に消えていった。


「リタだけならあっさりヘビモスから逃げられるわけだ…」


リタが消え去った方向を眺めながらぽっつりと呟いた。

俺の作戦は、いたってシンプルだ。自分が倒せないなら、倒せる人に倒してもらう。


リタの情報によれば、勇者は絶対悪の子である俺が落下したところに向かってくるという。

本来なら馬車で2週間はかかる距離を僅か3時間足らずで到着するだろうとのことだ。

なるほど、その話が本当ならリタが俺に送られた地点から離れたほうがよいと警告したことに納得だ。普通ならそんな与太話は信じないが先ほどリタのありえないスピードを見るとあながち嘘ではなさそうである。


リタは、勇者を1時間半内に俺のところに連れて行くと約束した。


「あのクソ女神は何があっても信じねーし、リタも信用ならねーが。リタを信じるしか俺の生きる道はねーんだ。命を預けるぐらいの賭けはしてやる。ヘビモスさん、俺とスタミナ勝負といこうや」


やせ我慢だ。スタミナ勝負なら一ヶ月も走り続けるヘビモスさんの圧勝だろう。実際は、リタが勇者を引き連れる前に俺のスタミナが持つか持たないかである。


「人間如きがぁ!邪神の力を得ておもいあがるなぁ!」


「そんな力望んでねーわ!でも、この力で生かされているから、そこだけはクソ女神に感謝だな!」


俺は、あれから全力で走り続けてかなり疲労している。距離も心なしかジワジワ近づいている気もする。正直、1時間走り続けるのでさえ怪しい。


「一時間半は待ってやると約束したんだ。2度も殺されてたまるか!俺は、平穏に暮らして寿命で死ぬんだよ!」


―リタが勇者を呼びに行って30分後


「はっぁ…はっ。いつまで追いかけてくるんだよ。こっちには最強の助っ人がくるんだぜ?勇者が来たらヘビモスさんでもやばいっすよ!なんで、そろそろ諦めてお開きにしませんかねぇ?許してくれてもいいんですよ?」


「ゆるすわけなかろう!シネェ!」


「ですよねぇー!」


トラの威を借る狐もとい勇者の威を借る悪役。


当然ながらヘビモスからしたらこんな言葉は脅しにならないらしい。


かっこよく啖呵きったのにこのざまである。

しかし、足は止めていなかった。止めたら死ぬ。その意識が足を動かしていた。

もう、ヘビモスさんとの距離は、縮まっている気がするじゃすまないほど明らかに縮まっていた。


だがまだいける。


―リタが勇者を呼びに行って1時間後


俺の目の前はヘビモスの森を抜けて広い荒野が広がっている。

遠めに生き物っぽいものが蠢くがそれは俺とヘビモスさんから逃げるように避けていた。

当然だろう。こんな、馬鹿みたいにでかい魔物にぶっかったら命がいくつあっても足りない。


流石に息が苦しい。というか死ねる!


「あーまじきついわぁ!ヘビモスさん!ちょっと休憩しょうぜ!いや!休憩させてください!なまいきいってすいませんでした!ほら、若きの至りって言うか生意気な子供が起こしたイタズラってことで許してください!」


流石に、余裕がなくなり懇願する。


「我を怒らせてイタズラですむか!ボゲェ!」


「ごもっともですぅ!!」


俺の懇願はあっけなく却下される。


限界が近い。しかし、まだ体感で約束の1時間半には30分ほど余っているだろう。

森のような不安定な足場から平らで平坦な足場に変わったのが唯一の救いだ。


「リタァァー早く来てくれぇ!!」


情けない声で応援を呼ぶが当然のように都合よくくるわけがない。


―リタが勇者を呼びに行って一時間10分後


「もうマジ無理無理!マジヘビモスさん許してください!俺のせいじゃないんですぅ!邪神のせいですぅ!」


もうヤケクソで言い訳である。


「知るかぁ!」


「やだなーもー、そんな怒るとハンサムな顔が台無しですよ。とりあえず落ち着いて、話し合いしましょうよー!」


「散々我の顔をなじっといていうことはそれかぁ!シネェ!」


「いや、それ俺じゃねーから!言ったのは、ろくでもない精霊だから!」


くそ、もう冗談抜きでもう少しで限界だ。


荒野を抜け草原を駆ける俺はもう説得することは無理だということを悟った。


だが、もうじき勇者がくるはずだ。そう願わずにはいられなかった。


しかし、そんな望みもあっけなくかく消される。


「嘘だろ…?」


遠くに、建造物らしきものが見えた。建造物があるということは、そこに人が住んでいるということで、ヘビモスさんを引き連れている俺が真っ直ぐ進むと住民が犠牲になるだろう。かといって後ろと左右に迂回するほどの余裕は無い。それだけの距離を詰められているのだ。


「くそっ!俺どんだけ運が悪いんだよ…」


万事休すか…


いや…俺は、この世界で悪役だ。なら、建造物をぶち壊してでも構わないのか…。むしろ、悪役ならやりそうだ。


「ンなことできるわけねーだろ…」


だが、俺がそんな選択肢をとるわけがなかった。他人を考えず己のみを考えられたなら別だったかもしれない。そんなことをしたら俺はクズどもと同じではないか。


俺は、これまで止めなかった足を静止した。



Q主人公は余裕が無い割にはめっちゃ喋っていますが…。実は余裕があったり?

A「はぁはぁ」とかリアルに書いても面白くないよね。邪神様の力で喉か強化されているということでここは一つ。(強引)


Qリタちゃんって実は強い?

A邪神さまの眷属ですからかなりの力を持っています。速さなら勇者にも引けを取りません。なお、そのスピードを生かして悪戯するので大抵の人は成すすべもなく被害者になる模様。

それ以外に能力もありますが今後のおたのしみということで。


Qなに?もう、主人公死ぬの?期待しています。

Aこの作品終わりますね(白目)。もっと書かせてください(ダイビング土下座)助けて、勇者様ぁ!


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