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不滅のプロスクリスィ  作者: 望月ロア
第二章 運命の砂漠
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第五話 黄色い横槍

国境を越えたロアークはゼノン砂王国に向かうべく歩を進めていた。

ロアークの後ろにはモンスターの死体が転がっていた。



「いや~国境はすごかったな~まるで結界でも張られてるのかと思ったよ~」



ロアークの言う通り、カリ平原とゼノン砂漠との境界は線でも引いたかのようにスッパリと分かれていた。国境を越えなければ、砂漠の暑さを感じることもなかった。



「それにしても…何も無いなこのあたり」



まだまだ次の町までの道のりは長い。途中に溢れ出るモンスターを蹂躙しながらため息をつく。



「変な奴らの相手しなけりゃもっと早く着くはずだったんだが…暗くなってきたし、このあたりで野宿でもするか」



野宿の準備を始めるロアーク。テントを張り、火を起こす。



「…」



何を思ったか、急に立ち上がりテントから離れていく。離れた場所で少し佇んだ。

すると突然振り返り、剣を前に突き出す。


グサリ


「がっ…!!」



砂の中から飛び出してきた盗賊の心臓に突き刺さる。

その後ろから5人ほどの盗賊が出てくる。



「また随分と大所帯で…」

「殺せ!」

「やれ!」

「モンスターより盗賊の方が多いんじゃないか…ん?」



微かな魔力の流れを感じたロアークはその場から大きく後退する。

すると突撃してきていた盗賊の4人に雷が落ちる。

4人は消し炭となった。

残った一人は茫然としてロアークを見ていた。

その後ろから剣を振りかぶった人物が物凄い勢いで近づいてきて盗賊の首を刎ねた。

剣に付いた血糊を落とし、剣を収めたのは黄髪の少年だった。



「見つけたぞ!カクタス!お前らの本拠地を吐け!」



すでにお亡くなりになった盗賊だったものに怒鳴る。

カクタスというのは盗賊の名前か盗賊の団体の名前のことだろうか。



「お兄ちゃん。見つけたの?」



怒鳴っていた人物の後ろから同じく黄髪の少女が現れる。

二人は兄妹らしい。



「おお、ライリーこの不届き者達から取り返すから待ってなよ~」

「お兄ちゃん大丈夫?」

「大丈夫大丈夫!すぐに尋問して本拠地を吐かせるからね~」

「いや…そうじゃなくて…その人…」

「!…し、死んでる!一体誰が!」



二人のコントじみたやり取りを見ながらロアークは何かを思案している様子だった。



(!…この二人…もしや…)

「おい!そこのお前!」

「?」



話しかけてきた。初対面の人にお前とは。



「こいつらの本拠地を知ってたりしないか!報酬は払うぞ!」



上から目線な物言いにちょっとイラっとした。が、知らないものは知らない。



「そんなに知りたきゃ…」



ロアークは剣を地面に突き立て、引き上げる。

そこには先程の盗賊達と同じ格好をした人物が腹から剣を貫かれていた。逃げようとした盗賊の残党をひっ捕らえたのだ。



「こいつに聞け。急所は外した」

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